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今注目したい気鋭のアーティスト:水戸部七絵
今注目のアーティスト・水戸部七絵(みとべ ななえ)さんの作品を3月29日(月)から、YOUANDARTでお取扱いさせていただくことになりました!
作品のお取扱いにあたり、水戸部七絵さんご本人からお話しをお伺いできましたのでご紹介いたします。
プロフィール
水戸部七絵(みとべ ななえ)
神奈川県生まれ。
2011年に名古屋造形大学卒業後、千葉を拠点に活動しています。
2021年から東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画への在籍が決定しました。
今まで数多くの個展・展示を行っており、「千代田芸術祭2011」でO JUN賞、「VOCA展2021」では奨励賞を受賞するなど、目覚ましい活躍をされている大注目のアーティストです。
そんな彼女の作品は、愛知県美術館や、有名なアートコレクターである高橋龍太郎さん、家入一真さんにコレクションされています。
プロフィール詳細はこちらからご覧ください。
作品を知るための3つのキーワード
①人物の顔を描く
マイケル・ジャクソンを描いた作品。
彼のように、時代のアイコンとなるような人物の顔や、匿名性・抽象性の高い顔など、主に人物の「顔」を題材に作品を制作しています。
スポットライトが当たる華やかな人物も影の部分を持ち合わせており、その人間っぽさに魅力を感じているそうです。
例えば、マイケル・ジャクソンの知名度は音楽界に留まらず誰もが知るスーパースターですが、同時に性的虐待の噂や薬物依存など、ネガティブな話題も絶えませんでした。
そのような激動の人生を、彼らの顔を通して表現しています。
そもそも顔を題材として制作するのは、自身のコンプレックスの裏返しだそう。
中学生の頃に制服のスカートを履いたことをきっかけに、自身が女性であることを強烈に意識したことで外見へのコンプレックスが自分自身の中に生まれます。そのコンプレックスは、日々のメイクを繰り返すことでさらに強くなっていったそうです。
そんなコンプレックスの対象でありながら、その人自身の象徴として認識される「顔」を、写実的に伝えるのではなく、油画の持つ独特な躍動感を活かしてモデルのバックグラウンドを強烈に伝えるような現在の表現方法に辿り着きました。
②絵具を何度も塗り重ねる厚塗り
まるで立体作品かと見間違えるほどの厚塗り。
横から見るとその凄さがよく分かります。
水戸部さんご自身は学生時代いわゆる「ギャル」で、毎日化粧に2〜3時間かかっていました。化粧は否が応でも自己と向き合う時間。絵の具を用いて顔を表現していく過程は、化粧に通ずるものがあるとのこと。
今でも顔を描くのは苦手で、何度も塗り重ねてしまうそうです。
ギャルメイクのように、美を追求した結果破綻していくような現象そのものが芸術に近しいと感じており、マイケル・ジャンクソンをはじめとした時代のスターたちにも似たような感覚を覚えているそうです。
そのような背景によって表出した圧倒的な迫力と、物質感を保ちつつ絵画として成立させる絶妙なバランスが彼女の作品の魅力です。
③カラフルな色使い
水戸部さんの作品には様々な色が使われ、カラフルな仕上がりのものが多いです。
そのルーツとしては、絵本「あおくんときいろちゃん」が好きで影響を受けているそう。
この絵本は、微笑ましいあおくんときいろちゃんの話の裏に、遊んでいる内に色が混ざって緑色になってしまった我が子に「自分の子じゃない」と親が言う場面が含まれており、現代における人種差別を暗に問題提起しているとされています。
人種差別は、悲しいことに多くの地域・時代に共通して根強く残る問題です。
「顔」という具象的な対象物を、あえて様々な色を用いて制作していくことで、肌の色はただ単に表面的なものであるということを表現しています。
こちらはドナルド・トランプ氏を描いた作品ですが、表面に現れている白の下には、赤、青、黄、黒など様々な色が潜んでいます。
山あり谷ありのジェットコースターのような人生を歩んだスーパースター。さまざまな色で何層にも塗り重ねられた顔を見ると、その人物の壮絶な人生が滲み出ているようにも感じ取れます。
制作方法
彼女の作品は、大量の絵具を用いて制作されます。
最初は色々な道具を使って絵の具をキャンバスに塗っていたそうですが、途中から手で直接塗るのが最も効率が良いことを発見し、それ以降は主に手で制作しているそうです。
このように手でペタペタと塗り重ねられた絵具は何層にも重なり、その結果、なんと重量が約1トンもある作品も存在するとのこと。
※調べてみたところ、キリン1頭分の重さ...
人と比べると、そのスケールの大きさがはっきりと分かります。
非常にパワフルで、唯一無二の作品を制作されています。
そんな中、この度YOUADNARTではお家に飾りやすい小さな作品を中心に掲載させていただくことになりました。
小さい作品でも変わらぬ圧倒的な存在感が特徴です。
YOUANDARTでのお取り扱い作品
タイトル :TIME Nov 25, 2019
価格 :178,200円(税込)
制作年 :2019年
素材 :Wood panel, oil painting
サイズ :33.0× 27.0 cm (約5kg)
エディション:一点物
額装 :なし
アメリカのニュース雑誌「TIME」の表紙を描いた絵日記的な作品。
タイトル :Michael Jackson
価格 :179,300円(税込)
制作年 :2019年
素材 :Wood panel, oil painting
サイズ :33.0× 33.0 cm (約5kg)
エディション:一点物
額装 :なし
マイケル・ジャクソンを描いた作品。
タイトル :Michael Jackson
価格 :178,200円(税込)
制作年 :2019年
素材 :Wood panel, oil painting
サイズ :27.0× 33.0cm (約5kg)
エディション:一点物
額装 :なし
マイケル・ジャクソンを描いた作品。
タイトル :FACE
価格 :237,600円(税込)
制作年 :2014年
素材 :Oil painting, on Wood panel
サイズ :60.0× 50.0 cm (約10kg)
エディション:一点物
額装 :なし
抽象性の高い顔を描いた作品。
タイトル :DEPTH
価格 :349,800円(税込)
制作年 :2014年
素材 :Oil painting, on Wood panel
サイズ :60.0× 50.0 cm (約30kg)
エディション:一点物
額装 :なし
顔を抽象的に表現する「DEPTH」シリーズ。
「DEPTH」には、時間としての深さという意味を込められている。
作品制作時の、日常生活とは違った時間の流れ方・没入感を表したタイトル。
タイトル :Family
価格 :550,000円(税込)
制作年 :2016年
素材 :Oil painting, on iron panel
サイズ :50.0× 50.0 cm (約30kg)
エディション:一点物
額装 :なし
人が複数いるように見える作品。
タイトル :DEPTH
価格 :347,600円(税込)
制作年 :2016年
素材 :Oil painting, on iron panel
サイズ :50.0× 50.0 cm (約20kg)
エディション:一点物
額装 :なし
顔を抽象的に表現する「DEPTH」シリーズ。
「DEPTH」には、時間としての深さという意味を込められている。
作品制作時の、日常生活とは違った時間の流れ方・没入感を表したタイトル。
開催中の展示
ここまでご拝読いただき、作品を生で見てみたいという方も多くいらっしゃるかと思います。
水戸部さんは現在3つの展示を行っておりますので、お気軽に作品をご覧いただけます。
※YOUANDARTの作品とは別作品になります。
「VOCA展2021 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─」
会期:2021年3月12日(金) ~ 30日(火)
会場:上野の森美術館
「I can’t speak English!」(個展)
会期:2021年3月18日~ 4月11日
会場:NADiff A/P/A/R/T 1F(〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 )
「Inside the Collector’s Vault, vol.1- 解き放たれたコレクション展」
会期:2020年 12月12日 – 2021年5月30日
会場:WHAT(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10)
お時間のある方は、ぜひ展示にお足を運んでいただき、生の迫力を体感してみてください。
YOUANDARTでの水戸部七絵さん作品のお取り扱いは29日(月)開始となります。
ご自宅に飾りながら作品の迫力・存在感を独り占めしてみてはいかがでしょうか?