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ウィズコロナで肩書きが増えた。グラフィックレコーダー以外を名乗るまでの話
グラフィックレコーダーには今年、多くの変化がありました。ほとんどの方が模造紙で書いていたところ、デジタルツールで書いてオンラインで共有するという使い方も広がりました。オンラインで消えていくものを補いリアルに近づける可視化から、オンラインならではの可視化へ。
模索することも多かったけど、その分だけ、ご提案できることが増えたともいえます。今まで聞いたこともないようなご依頼も増えたように思います。逆に、自分のスタイルを絞っていった方もいたような。一人一人のやりたいこと、得意なこと、が浮き彫りになったのかもしれない。
そんなグラフィックレコーダーのひとりである私自身が2020年をどう感じ、その結果どう活動してきたかを書いておこうと思います。
グラレコそのものよりも、それ以外のことが多めの記事です。がむしゃらにやっていったら肩書きが増えていました。こんな人もいるんだなと読んでいただければ幸いです。
1. グラレコのご依頼に感謝
まずはグラフィックレコーディング(グラレコ)から。
私自身はグラレコを初めて2年経ちました。グラコロ?なんじゃそりゃ?という方がまだまだ多いなか、ご依頼をいただけるだけで嬉しいのです。
せっかくの出会いだから、レコーダーである私を最大限に活用していただきたい。かなり入念にイベントの背景や目的についてヒアリングさせていただいたり、イベント中にレコーダーとしてできることをお話しし、最適な手法を一緒に検討していきます。私も描く人として、そこにどう「在る」のがよいかを考えています。
と、ここまでは去年と変わらないのですが、最近少し違う目線も持っています。
ーグラフィックレコーダーから「描く」を除いて残るもの
グラフィックレコーダーから、「描く」部分を全て取りのぞいてみます。
すると、
「会議やセミナー、ワークショップの中で、全体の話を俯瞰しつつ真剣に耳を傾けている第三者」であり、「基本的に話の中には入らないけれど、必要であれば入ることもできるという立場」になります。
こういう人、イベントの中でとても貴重なんじゃないかと思うんです。
そのため、イベントの最後にマイクをいただけるときは、レコーダーとしての視点に加えて、グラフィックレコーディングとは全く関係ないことでも、第三者的な視点から見えたことがあれば積極的にお話しするようにしています。
2.グラフィックレコーディング(可視化)の講師として
グラフィックレコーディングに興味を持ってくださった方向けの体験会と、可視化を実践する連続講座を主宰しています。去年は会場、オンライン、もしくはハイブリッドで開催していたんですが、今年の2月から全てオンライン開催にしました。
今年はグラフィックレコーディング関連の本がいくつか出版されたこともあり、体験会に参加する前にすでに何らかの知識を持っている方が増えています。そんな参加者属性の変化や新しいツールの登場、当日知り得たニーズにあわせて検証改善をくりかえし…自分でも笑っちゃうくらい毎回、新しいことをとりいれています。
\#グラレコ 体験会、いつもブラッシュアップ中☺️/
— 湯朝かりん🍋グラフィックレコーダー🖍可視トーク (@yuasa_karin) October 31, 2020
今日の体験会でも1つ新しい方法を試します!
大事なことはブレずにお伝えしつつ
伝え方や使うツールは新しく試し続けてます☺️
よりよい体験会をご提供したいから❤️
次回は🖍11/14🖍11/18の夜。
明日の19時の受付開始予定なのでお楽しみにー!
ー 大学講義
これからの時代のカギとなるであろう大学生にグラフィックレコーディングについてお伝えするのは背筋が伸びます。未来のグラフィックレコーダーだけでなく、レコーダーと協働するファシリテーター、イベント主催者になる方達に知っていて欲しいことをたくさんお伝えしました。大量に届いたご質問ひとつひとつが、真剣に受講してくださっていることがわかる内容でとても印象的でした。
ある大学様にて、講義を2コマいただき
— 湯朝かりん🍋グラフィックレコーダー🖍可視トーク (@yuasa_karin) November 4, 2020
グラフィックレコーディングについて
お話しさせていただくことになりました🖍
リベラルアーツ系の学部の方たちで、
就職先も多様。
現在から未来に向けて
活用していただけるような授業にしたいと思います!
スライド作りが佳境です…!!がんばる💪
3. ウィズコロナ。私にできることを探して形にしまくった。
3.1. ノート術
グラレコ体験会で数百人の方の後日談から、ノートの書き方が変わったと言ってただくことが多いです。ならノートについてお伝えする機会をつくったら喜んでもらえるんじゃないか。2019年の構想を2月に形にしました。
コロナ禍であらゆることが変化した世界で、パラレルワークを考えるかたが増えたり、学ぶことの意義が高まったこともあり、多くの方に受けていただきました。その後はnoteで動画を見ていただける形に切り替えました(今もご覧いただけます↓)。
かりんさんのノート術を知ってから、ノートを書きたくてたまらなくなり、本2冊とセミナー1本のノートを書いてしまった。行動のための学びが加速します!
— 成田けじか@機械科卒がマーケティングで「ものづくり」 (@kei_give_you) August 15, 2020
湯朝かりん @yuasa_karin #note https://t.co/BeeMzhgUtA
3.2. ZOOMで「書く」ワークショップ
さらに、2-3月のイベント自粛要請やステイホームで、「集まる」ことができなくなった私たちにとって、なくてはならない存在となったのがzoom。zoom会議やzoom飲みって、一人しか喋れない、あとの人はたいくつ…。人は未知のものに対して、「嫌い」という感情を持ちやすいらしい。
じゃあもっとゆるくできて、zoomが楽しいと思ってもらいたい。ということで「zoomの中で書く・描く」ことでzoomに親しんでもらうこと、セミナーを主催する方向けにはちょっと楽しくできる工夫をお伝えしました。友人にはzoomの回し者みたいといわれました笑
【zoomで「書く」コミュニケーションWS】
— 湯朝かりん🍋グラフィックレコーダー🖍可視トーク (@yuasa_karin) April 2, 2020
😀置いてけぼりにならない理解サポート
😀一方通行を回避!
書くコミュニケーション
をお伝えしてきました!
オンラインアレルギーの人には
まずはzoomで遊ぶことから
始めていくのが良さそう!https://t.co/pbakr09LLt
ご参加ありがとうございました☺️ https://t.co/mnmC1x71p8 pic.twitter.com/9KBl5unD15
3.3. 子ども向けアニメーションワークショップ(寄付)
また同時期、母親という観点でみると、外出しづらくなった子どもたちに向きあう時間が増えました。どうせ我が子と遊ぶなら、他のお子さんとオンラインで一緒にやろう。ということで子ども向けワークショップを開催。
コロナで収入が減ってしまった方もたくさんいらっしゃったので、無料もしくは投げ銭とし、ユニセフに募金。受講してくださった方の思いも一緒に募金させていただくのはなんだか荘厳な気持ちでした…。自分の活動から世界の支援につなげられることを実感し、私にとっても活力になりました。
4月のWSでいただいた投げ銭に私の気持ちを加えて#ユニセフ に寄付させていただきました。
— 湯朝かりん🍋グラフィックレコーダー🖍可視トーク (@yuasa_karin) May 25, 2020
今後コロナが途上国で蔓延→強毒化すると言われています。
少しでも防ぐことが世界全体的な支援につながると思ったので、ユニセフに。
小額でも自分の活動で頂戴したお金を寄付する意義を噛み締めています pic.twitter.com/E9zXo9hZ1p
3.4. noteではzoom×グラレコの工夫を
春から夏にかけて、zoomとグラレコの活用について自分が工夫したことをnoteにまとめていきました。
・オンラインでグラレコする方法
・参加者との距離を縮めるチャットの使い方(考えていることの可視化)
・zoomの中で手書きの可視化を使ってできること
・zoomの1コマにグラレコを映す方法(キャプチャーボード)
・参加者の感情を可視化するバーチャル背景34枚 ほか
ただ、noteでは理解まではできても、実際にご自身でできるという段階まではいかない、という話を聞いて…確かにそうだと感じます。世の中も、オンラインセミナーなんてつまらないし疲れる、だれかが喋ってるだけなら動画でいいじゃんといわれていた頃でした。
3.5. 参加型ZOOMセミナーのつくり方(セミナー )
グラレコ体験会をオンライン化した2019年7月を思い出しました。
会場開催と同じか近い体験価値を持って帰ってもらえる自信を持てるまでは開催しない😤
そう決めて、ただ伝えるだけにならない工夫を重ねてきていました。私ができるんだからみんなやれる。zoomセミナーはうまくいかない?そんなことない!と熱い思いを持って実際に「どんな声かけをするか」「どうやったらうまくできるか」まで踏み込んだセミナーを6月から開催。
オンラインだから安くしなきゃいけないとか、無料じゃないと集まらないという理由で、もうセミナーやワークショップができないという話をよく聞きました。ちゃんと顧客満足を設計すれば、オンラインでも適正価格にできます。主催する人に、オンラインでも自信を持ってできると思ってもらいたいし、その方の話を待っている周囲の方にとってもそれは損失だから。そういう気持ちでこのセミナーをやっていました。
4. 秋から、また新たな変化を感じる
落ち着きをすこし取り戻した秋あたりから、世間では「自分軸」ということばをよく目にするようになりました。
ファッション誌も外で魅せる服より、自分を満たす服にシフト。ベクトルが「自分の心地いいこと」に向かっています。
一方で、緊急事態を脱したあとも、オンライン化やなんとなく世界を包む自粛の波で「明確にその必要があるときに、明確にその必要があること」以外をすることに躊躇してしまうのも、今の特徴だなと思っています。
余白がない。無駄がない。しゃべれない。変わっていく世界で私はどう動くのがよいか、それとも動かないのか。そもそも何が私の幸せなのか。そんなことを考えることが増えているのではないでしょうか。
黙々と自分を掘り下げるのもいいけれど、話しながら可視化したものを見て、さらに話していったらおもしろい体験になるかもしれないよ。
そんなことを思って始めた「可視トーク」については、長くなるのでまたの機会にnoteに書きますね。
5. さいごに
グラレコ、ノート、そしてオンラインでの可視化について探究しつつ、全部ひっくるめて「可視化」というキーワードでお役にたてることを探し続けた1年でした。
「これはもはや迷走では…?」と思った時期もありましたが、今考えればその後に全てつながっています。グラフィックレコーディングのお仕事でも提案できることが増え、講座生のみなさんや、オンラインセミナー講師の方にも、少し広い視点でお話することができたのではないかなと思います。それをみなさんが実践してくれることがたまらなくうれしいんです。
グラフィックレコーダーという肩書きでは自己紹介しづらい場面が増え、そんなときは「可視化コミュニケーションデザイナー」と名乗っています。なんかまだ恥ずかしいので当分この記事でしか書かないかも😅でも、これが私の2020年を表してるなと思うと、何かに残しておくことが大事かと思って記録しておきます。
書籍の図解イラストによる挿絵も6冊ほど描かせて頂きました。
\本文の図解イラスト描かせていただきました/
— 湯朝かりん🍋グラフィックレコーダー🖍可視トーク (@yuasa_karin) November 27, 2020
神メンタル・神トーク著者の星渉さん
幸福学研究の第一人者、 前野隆司教授
お2人の共著「99.9%は幸せの素人」のイラストを描かせていただきました☺️✍️
「科学的に自分で自分を幸せにする方法」の本…私も実践中で幸福度上がってます!本日発売です✨ pic.twitter.com/IGefocjTIv
この本の中で、私が一番好きな言葉を、ご縁のあった皆様、この長い記事を読んでくださった皆様に贈らせてください。
幸せになる権利を他人にゆだねるな
ー99.9%は幸せの素人. 星渉.
noteの記事のほとんどは、私が新しく試したことをシェアすることで、どこかのどなたかの困りごとを解決できるんじゃないかと思って書いています。2021年も、試行錯誤を含めて発信していくので、お付き合いください!
本年もありがとうございました☺️🖍🍋
この記事は、グラレコのアドベントカレンダー2020に参加しています。
最後までお読みいただきありがとうございました☺️
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