面接をマネージメントしよう!
短い時間で相手を知ることはとても難しいことです。感覚だけで判断していると個々の趣向に偏ってしまったり、採用基準がバラバラになる危険性があります。機会に恵まれて、たくさんの面接を経験させていただいた中で、自分なりに気をつけている点を書いていきたいと思います。
相互理解の場であることを理解する
「選考する」とい意識がまだまだ根強いかと思いますが、面接は「相互理解の場」であり、自社の魅力を伝える「アトラクトの場」でもあります。また、わたしの好きな言葉で「営業には会社の実力がでる。購買には会社の品格がでる」と過去に上司に言われたことがあるのですが、「面接には会社の人に対する姿勢がでる」と思います。
目的を定義する
採用フローの中でそれぞれの面接に目的を定義しましょう。以下に例をあげてみます。
例1)
一次面接では、良い点や可能性をたくさんみつけることを目的として加点方式のポジテイブ評価を、二次面接では逆に一緒に働くにおいて懸念となる点はないかなどを確認することを目的として減点方式のネガティブ評価を、といったように視点を変えて多面的評価とする。
例2)
一次面接では職務経歴の記載内容を中心に質問を行い、スキル面の深掘りを行う。二次面接では職務経歴に記載のない内容を中心に質問し、その場での対応力や考え方などを確認する。
明文化するなどして、共通認識として運用できる様にしましょう。面接のレビューなども取り入れるとより良いと思います。
評価観点と採用基準をつくる
スキル、能力、経験、パーソナリティーなどに対して、評価観点と採用基準を設定しましょう。
スキルや経験は職種によって様々かと思いますので、参考までに能力やパーソナリティーについて私個人が考える評価観点の一部を記載してみます。観点によって重要度に差があり、NGの場合は合否に直結するクリティカルな項目もあります。また、採用基準は募集レイヤーなどでも変化します。
1.能力の観点
・自己成長力(セルフPDCAが出来るか)
・自己への客観性
・想像力( リスク回避力、企画力、解決力、準備力 などに繋がります)
・問題発見能力(問題の認知なしに解決なし)
・情報や事象に対して自身で解釈し自身の考えをもっているか。
・リカバリープランの計画と実行ができるか。
・仕組み化を考えるられるか
・過去、現在、未来を考えることができるか
etc.
2.パーソナリティーの観点
チームファーストを体現できるかという視点から以下の様な観点を持っています。ご本人の自覚、改善する意思や行動があるかもふくめて確認しています。
・他者への攻撃性
・他責性
・(行き過ぎた)完璧主義、潔癖性
・目的のためには手段を選ばない傾向がないか
・自身より立場の弱い相手に対してどのような考えや対応をしてきたか
・何に対して怒りを感じるか
・広く世の中の動向や情報に関心をもっているか
・情報取得のチャネルが偏っていないか
etc.
3.そのた
リファレンスチェックの観点から、以下の様な観点を持っています。
・自身の実績に対して「状況把握→課題設定→対策立案・実行→結果の評価」を論理的に説明できるか
・お話しの中で辻褄があわない点はないか。
etc.
注意点
評価観点や採用基準を運用する際の注意点として、いつも同じようなタイプを採用してしまうことが考えられると思います。逆に「自社にいないタイプだから」「面白そうだから」といった部分の比重が高くなりすぎることにも注意が必要かと思います。
また、昨今の厳しい採用市場では望む経験やスキルにマッチした人材を採用することが難しく、採用基準を変更せざる得ない場合もあるかと思います。その際、裾野を広げることを意識するあまり、単純に採用基準を下げてしまうと、ただ採用することが目的となってしまい、採用のアンマッチが発生する可能性が高くなってしまいます。基礎的な能力が基準以上なら、経験は少し不足していても良いなど、許容出来る部分とそうでない部分を明確にしましょう。
SPIを活用する
採用フローおいて SPI を実施している場合は、大いに活用しましょう。個人の見解ですが、面接官として、また、同じ会社の同僚として、多くの方の SPI とその後を見てきた個人の所感として、とても参考になる情報だと感じています。あくまで参考情報としての位置付けでも、明確に目的をもって利用することによって、より有用な情報になるのではと思います。
SPIには能力試験と適正試験があります。
1.能力試験
学歴や対策の有無に関わらず高い点数の方も多数おられますが、やはり高学歴の方や SPI 対策をされてきた方は点数が高い傾向があるように思います。そのため「点数 = 仕事力」とは一概に言えませんが、基礎的な能力の目安としては有効な指標になるのではないかと思います。
また、年齢とともに点数が下がっていく傾向があるのかなと感じています。他に、外国籍の方の場合は、日本語での試験であることが原因で点数が低くなる場合もあるため、実施した所感を聞くなどして、確認されることをお勧めします。
2.適正試験
極端な傾向が出ている場合は、その部分に関して、色々質問をしましょう。極端な傾向がでていても表面化しない方もいますし、ご自身で認識しされており、改善しようという意識や取り組みがあれば大きな問題にはならないと思います。
例として、ブリリアントジャークの傾向を確認したいと考えるなら「他者に対する攻撃性」や「他責性」、「柔軟性」「他者理解」が読み取れる項目に注意してみるなどが考えられると思います。
※ ブリリアントジャーク:優秀だが、周りに悪影響を与える人材
最後に
面接をマネージメントするというと、採用をメインの業務とされている方以外ではあまり意識が向かなかったりするかもしれませんが、「面接 = 一緒に働く仲間との出会いの場」だと考えています。面接もしっかりマネージメントして、相互にハッピーな採用を実現出来ると最高ですね(^^)