サピエンス全史
2024年11月24日
『人生で影響を受けた本』
いろいろありますが、
その中でもこの本は、最も影響を受けた本と言えるかもしれません。
【サピエンス全史】
ユヴァル・ノア・ハラリ著
日本では2016年に発売され、全世界で2500万部のベストセラーになっています。
発売当時、日本でも話題になったので、
知っている人も多いと思います。
この本の内容で私が衝撃を受けたポイントは、
「人類は我々以外にもたくさんいた」
ということです。
我々現生人類は、ホモ・サピエンス(「賢き者」という意味)と呼ばれる種族で、
他にも、
・ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデル谷出身のヒト)
・ホモ・エレクトス(直立したヒト)
・ホモ・フローレシエンシス(フローレス島のヒト)
など、
たくさんの人類が存在していたのです。
10万年前の時点では、少なくとも6つの異なるヒトの種が暮らしていたとされています。
こちらの有名な絵を見ると、
猿からホモ・サピエンスへと一直線に進化したように見えるのですが、
実際はもっと多様で、チンパンジーから派生した人類種は、
様々なホモ属(人類)にそれぞれ進化していったのです。
ホモ・エレクトスは200万年の間生き延びたとされており、
我々ホモ・サピエンスより長い期間、この地球に生存することができたのです。
(ホモ・サピエンスが進化したのは約20万年前なので、我々がここから180万年以上生き残る可能性は非常に低いと考えられます。)
この本の巻頭には、地球が形成されてから人類が誕生するまでの壮大な歴史年表が記されています。
【歴史年表】
・45億年前:地球という惑星が形成される
・38億年前:有機体(生物)が出現
・250万年前:アフリカでホモ属(ヒト)が進化する
・200万年前:人類がアフリカからユーラシア大陸へ拡がり、異なる人類種が進化する
・30万年前:火が日常的に使われるようになる
・20万年前:東アフリカでホモ・サピエンスが進化する
・7万年前:ホモ・サピエンスに認知革命が起こり、アフリカ大陸の外へ拡がる
・4万5000年前:ホモ・サピエンスがオーストラリア大陸に住みつき、オーストラリアの大型動物が絶滅する
・3万年前:ネアンデルタール人が絶滅する
・1万6000年前:ホモ・サピエンスがアメリカ大陸に住みつき、アメリカの大型動物が絶滅する
・1万3000年前:ホモ・フローレシエンシスが絶滅し、ホモ・サピエンスが唯一生き残っている人類種となる
この年表を見ると、ホモ・サピエンスが他の人類種を絶滅させたことは明らかです。
また人類種だけでなく、ホモ・サピエンスは他の大型動物などを狩ることで、多くの種を絶滅に追いやってきた歴史があります。
[ホモ・サピエンスがオーストラリア大陸に住みついたことで、絶滅したとされている大型有袋類のディプロトドン]
ではなぜ我々ホモ・サピエンスは、他の生物を駆逐し、
この地球上で最強の生物となりえたのか?
その要因は、7万年前に起こった「認知革命」です。
聞きなれない言葉だと思いますが、
これは人類において正に革命的な出来事でした。
「認知革命」=「ストーリー(物語)を作る能力」
これは、他の人類種を含めても、ホモ・サピエンスにしかできない特殊能力なのです。
例えば、我々は日常的にストーリーを作り出します。
アニメや映画など、実際には存在しない架空のストーリーが世の中にはたくさんありますよね。
私が好きな漫画「キングダム」や、「マーベル」の映画もそうです。
これらを創造することができるのが認知能力ということです。
認知革命によって、ホモ・サピエンスは圧倒的な集団の力を得ることができました。
これまでは家族や親戚単位でしか行動できなかった人類が、
「あの山には精霊が宿っている。
あの山の麓に住んでいる人々は皆仲間だ!」
というストーリーを作ることによって、
他の人類には不可能だった大人数での集団行動が可能になったのです。
その集団行動によって、個の力では優れていたとされるネアンデルタール人などを倒すことができたのです。
また、宗教や国家、貨幣も認知能力によるものです。
我々が信じているお金は、本当はただの紙です。
お金を他の動物に渡しても、その価値を理解してもらうことはできません。
日本円は、日本人全員がその価値を信じているから、
共通の貨幣として流通しているだけの話なのです。
ここから人類は、
「農業革命」
「科学革命」
によって、爆発的に人口を増やしていくことになります。