【デザイナーインタビューvol.3】韓国出身のデザイナーがチームのマネージャーになるまで
and factoryには、色々な職種を経験し、ジョインしたメンバーがたくさんいます。
今回は、and factory初の社員として入社し、現在デザイナーチームのマネージャーを務める韓国出身のやんさんを紹介したいと思います!
日本に来るまで
── はじめに、簡単な自己紹介と韓国での経歴を教えてください。
안녕하세요(アニョハセヨ)韓国出身のデザイナー、やんです。
現在、and factoryに入社して9年目で、デザイナーチームのマネージャーを務めています。
子供の頃から絵を描くことが好きで、高校ではビジュアルデザイン、大学ではファッションデザインを専攻しました。
20代前半は大学に通いながら、高校時代から始めたダンスを続け、アマチュアダンサーとしても活動していました。
ダンスは絵と同じく「自分を表現する方法」としてとても楽しかったので、若いうちしかできないと思い、大学を中退し、しばらくプロのダンサーとして働きました。
ダンスは私にとって楽しい表現手段で、普段出来ない様々なことが経験できました。しかし、厳しい環境や自分の限界を感じ退くことにしました。
その後、知人の紹介でデザイン書籍を輸入する企業に就職しました。イギリスや日本の書籍を多く扱っている会社だったので、それをきっかけに日本語を勉強し、20代後半にワーキング・ホリデーで来日しました。
── 日本に来たきっかけは何でしたか?
デザイン書籍を扱う会社で働いたときに、日本の美大生の卒業作品集を見かけたのがきっかけです。
作り手の想いがそのまま表現されている、斬新で素敵な作品が多かったので、私もそのような作品を作ってみたいと思い、日本に渡ることを決意しました。
その後、日本語学校とデザイン専門学校のイラスト学科を卒業後、2015年にand factoryに入社しました。
新卒デザイナーからの成長
──日本で働く外国人デザイナーとして、どのような苦労や挑戦があり、それらをどのように克服したかを教えていただけますか?
外国人の就職のハードルの高さを痛感
外国人のデザイン業界への就職率はとても低く、就職への道のりはとても厳しいです。
そのため、専門学校1年生の時からポートフォリオを準備し、先生達に意見を聞きながら何回も見直したり、様々なエージェントに登録して積極的に就職活動を行いました。
そんな中、出会ったのが現在のand factoryでした。ご縁があり、社員1号として入社することができました。
当時のand factoryは設立して1年も経ってないベンチャー企業で、”外国人だから”などの偏見はなく、会社と共にチャレンジし成長してくれる社員を求めていました。
言葉の壁
外国人のデザイナーとして一番苦労した部分はやはり言葉の壁で、特に専門用語やビジネス用語は難しかったです。
日本語能力試験 JLPTのN1を取得した状態でしたが、日常の会話と異なるビジネスコミュニケーションにおいては様々な課題があり、今も苦労し続けている部分です。
これらの問題を乗り越えるために、PCやスマホなど身の回りの全てを日本語設定にし、積極的に部活動などに参加して同僚との交流を深めました。
同僚や友人たちのサポートを受けながら、少しずつ言葉の壁を越えていくことができました。
「日本語ができないから恥ずかしい」「私が外国人だからわからないのが当たり前」などと考えず、理解できない部分はとにかく人に聞きながら吸収していくことが大事です。
韓国と日本のデザインの違い
韓国にはない縦書きの引用符や括弧などの使い方に戸惑いました。
また、「和風」「昭和スタイル」「下町感」など、日本人であれば自然に持っているイメージを表現することにも苦労しました。
日本独自の文化を理解するために、休みの日はいろんな街に足を運んだり、書籍やwebサイトなどで様々な情報をインプットしました。
日本で働くためには、先入観を持たず、新しいことにオープンに取り組む姿勢が必要でした。
また、同僚とのコミュニケーションを通じて、文化的な違いを理解し合いながら、常に向上心を持ち、積極的に仕事に臨むことがキャリアの成長に繋がっていくと思います。
──and factoryでの経験や成長について教えてください。
入社当初のand factoryは、育成環境が整っておらず、私自身も働いた経験のない新卒デザイナーでしたが、ベンチャー企業ならではの迅速さと柔軟さで、失敗を恐れずに様々なプロジェクトに取り組むことができました。その結果、自分自身と会社が少しずつ成長していくことを実感できました。
自分が描いた絵でスマートフォンの着せ替えを作成したり、経験ゼロの状態からUIデザインに挑戦したり、IoTプロジェクトを担当するなど様々な仕事を任されました。
この経験が、私の成長の一因となったと思います。
大変なことも多々ありましたが、会社の成長とともに成長していく過程は、充実して楽しかったです。
マネージャーとしてのキャリアアップ
──and factoryでのキャリアの中で、デザイナーからマネージャーへの成長や変化について教えてください。
新卒デザイナーとしてスタートし、積極的にプロジェクトに参加しながら挑戦し続けたことが評価され、最初はリードデザイナーとしてデザイナーのスキル向上やチームのボトムアップに貢献するポジションを担当していました。
その後、若手のデザイナーも増えたことから、プレイヤーとしてではなく、若手デザイナーがより活躍できる環境を構築したいと考えました。
そのタイミングで、会社の成長に伴い社員数が増加し、組織が大きくなる中で、自身のリーダーシップが認められ、デザイナーチームのマネージャーに昇格しました。
──デザイナーチームのマネージャーの役割において、どのようなビジョンを持っていますか?
子供の時から絵を描くことが好きでデザイナーになりました。
and factoryのデザイナーもそんな「好き」の気持ちを忘れずに、今よりもっと楽しく仕事ができるような環境を作りたいです。
また、新しいデザインのトレンドや技術の変化を素早く取り入れ、チームメンバーの個々の強みを引き出し、協力しながら常に進化し続けるデザイナーチームにしていきたいと考えています。
デザイナーチームのミッションについては、この記事に詳しく書いてありますので、ご興味があれば是非読んでみてください。
── 最後に一言お願いします
若くない年齢で韓国から来て、大変なことや寂しい思いもたくさんありましたが、それらを乗り越えてきた今の自分を誇らしく思います。
決して諦めず、どんどんチャレンジしていくことは大事なことです。これからも初心を忘れず、常に新しい事に挑戦すること、そして好きな気持ちを大切にし続けたいと思っています。
これからも同じ夢を追いかけるデザイナーと共に、より素晴らしいデザインを創り出していけることを楽しみにしています。
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