ちょっとだけ毒吐くよ
何度も決心して、何度も挫折している私。
もう、いい加減に手放すと言いつつ、手放せていなかったし、もういい加減自由に生きると言いながら、自由になれていなかったし、何者かになるのは諦めると言いつつ、何者かになりたがっている。
もう、本当に諦めよう。(諦める=明らかにする)
芸能事務所の多くが利益優先だとしても、それは企業として当たり前のことだ。才能もなく努力もしていないただの若者やおばさんおじさんが、レッスンに通い続けたからって、ある日大抜擢されて、人気ドラマや話題の映画に出演する名の知れた一廉の俳優になれるだなんて、本気で思っているのか?
いや。思っているんだよね。自分もそうだったし。
でも、それは洗脳されて、夢を見続けさせられているのだと、いい加減認めよう。
⭐︎◯◯案件は残念ながら報酬はありませんが、立派な芸歴になります。
⭐︎この有料レッスンに参加すると上位プロダクションへの推薦が得られるかもしれません。
こういうのが多いのよ。
だから本気で目指したい人はお金を注ぎ込んで目指し続ける。事務所からちょっとしたお話が来ると、目をかけてもらってる、もしかしたら優先的にお仕事が得られるんじゃないか?と、甘い夢を見る。
しかしながら、それを続けて行った先にアカデミー賞を受賞しましたという俳優がこの業界に居るかって言ったら、居ないのよ。
大俳優とは、すでにその座に長く居続けている特別な人たちだけなの。
その天才的な方々を押し除けて、いつの日かその座に自分が座れるなどと思わない方がいい。
まあね、そんな大それたことは思っていないにしても、
何かしら有名になれるチャンスはあるんじゃないかと夢見てオーデションに来る人は大勢いる。赤ちゃんからシニアまで門戸を広げているからこそ、入所オーデションには山のように人が押し寄せるし、
「なんでもいいので使ってもらえたら…」という人がいる限り、この入所オーデションは永遠に続くんだろうな。
私は入所オーデションの司会をしたことがあるけど、
司会と言いながら、やることは受験者の良いところを褒め、その人の特技や意気込みや何かしらの光るものを引き出すための質問を1分30秒で捲し立てて、答えてもらうという…
これって、審査員と言ってもいいんじゃない?という役回りだった。
その間、審査員はじっと観察してるだけなのよね。司会は体力的にも精神的にも強くないといけないし、答えを引き出すための質問技術にも長けていないと務まらない。プロのお仕事と言える。
それなのに、所属者だからって、お安いアルバイト料で9時から19時まで拘束される。3回引き受けたけど、辛かった。
仕事に見合った報酬が得られていないことを実感したから。
それに…
自分も三年前はあのように高揚しながらカメラの前に立っていたんだなぁと思うと、かなり恥ずかしいし、心の中では「あなたも夢見る夢子さんなのね」という同情の気持ちも禁じ得ない。
純真なシニア心を弄ぶとんでもないシステムだよ。まあ、企業だから集客は当然の仕事だし、これだけ入所希望者がいたら、経営上は黒字だよね。2年のカリキュラムを卒業した後も在籍料を払って、卒業後は割引にはなるとは言え、選択レッスンを受け続けて、年に2回もあるプロフィール写真撮影が義務付けられていて、習い事というにはちょっと特殊すぎる。
それでも、忘れた頃にやってくるエントリー案件に一縷の望みを託して、みんな真面目にレッスンに通って、意味があるのかないのかわからない内輪の舞台に出演して、諦めきれない夢を見続けるのだ。
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