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【大滝文一】『学び』を学んでいる人ってまだまだ少ない。

合同会社&ante(以下&ante)は、人と組織の可能性が広がる場を共につくる会社です。原田優香(ゆか)、大滝文一(ぶん)、木村希(のん)の3人で2022年12月に設立しました。これから様々な角度から事業をつくっていきます。

&anteにどんな人がいるのか・どんな思いを持っているのかを知っていただけるきっかけをつくりたいと考え、これから各メンバーへのインタビューを行い、定期的に思いを綴りお届けします。

第二弾は「メンバーの深掘り」をしていきます。今回は、大滝文一(以下、ぶん)にインタビューをしました。

聞き手:原田優香
記録:木村希

自分で生きていくのを大変にしているなと(笑)


ぶんちゃんは自分でどんな人だと思ってる?

(ぶん)うーん(笑)、厄介な人間って言ったらおかしいんだけど変なこだわりがあるよね。キャリアとしてはどんどんいわゆる世間的な正解から離れていってるかなって感じがしていて、それでいいと思ってる自分がいるけど、本当はレールに乗ってた方が楽なところもあるからね。結局そうじゃない道を選んだ自分、大変やろうけど自分で選んだ道だからがんばれ〜って思う。

なるほどね。変なこだわりっていうのは、世間とはちょっとずれてるって感じ?
(ぶん)生きるうえでほんとに大事なものってなんだろうっていうのを考えちゃうんだけど、やっぱりめんどくさいことだからじっくり考えている人ってあんまりいないというか。自分は敢えてそれを追求するためのキャリアを続けようとしてるし、でもそれって別にあまりお金になるわけでもない。自分で生きていくのを大変にしてるなっていうのを最近感じるよね(笑)でも、正直たくさん稼ぐことに人生を捧げても自分はそこまで意味はないだろうって感じている。

たくさん稼いでも意味ないっていうのはどういうことなんだろう?
(ぶん)もちろん意味が本当にないわけではなくて、稼げばできることは増えると思う。お金があれば会社でできることが増えたり、選択肢が豊かになる側面はあるけど、それで手に入らないものも色々あるよね。たとえば今大学院で学んでいるけど、仮に一億円あったとしても一気に色んな知識や経験が身についたり、自分の頭が急に良くなるわけでもないし(笑)結局は一歩一歩積み重ねていくしかない。だからお金そのものより経験を重ねることに時間を費やしたり、積み重ねたり、人との関係性の中で大事にしたいことがやっとできてくるという感覚。 自分が行きたい方向性は見えてて、お金をどんだけ稼いだからといってたどりつける場でもないということを感じちゃってる。だからこそ、自分のなかではその方向により近付いていけそうなキャリア選択をしようとしているという感じはあるのかな。

そっかそっか。その方向性はまだ明確には言語化できていないってこと?
(ぶん)二十歳のころは「人生の学校」の場づくりに関わることで大事にできることに近づけるんじゃないかとか思ってて、今は「学びとはなにか」という問いがあって。それらは繋がってて、同時に「それがこの世界でより大事なものなのか」みたいなことは考えてる。

「学び」を学んでいる人ってまだまだ少ない

ぶんのなかで「学び」を大切にしたいってこと?
(ぶん)何か考えたり行動したりするのにも、教育にもベースに「学び」があると思ってて、大切な概念のわりには、「学び」それ自体を学んだり探究することに、世間の関心が向けられていないのではと思うんだよね。

「学び」を逆に手放すっていう意味の「アンラーニング」みたいな考え方も最近流行っているよね。
(ぶん)そうだね。深めるにしろ手放すにしろ、「学び」について普通の人は本能とか経験則ぐらいでしかあまり考えられてないんじゃないかな。

ほう。そんなぶんちゃんにとっての「学び」ってなんだろう。
(ぶん)いい質問(笑)それだけで本一冊かけちゃうんだけど。「学び」が結局人と社会をつくってるものだと思ってて。色々な側面があるけれど、人と社会を構成しているもの。考えるにしてもやるにしても、「学び」を通して考え方や価値観が変わって、行動に繋がっていく。その結果が全体的な社会を作っていく中でも、「学び」は中心的な要素だと思うんだよね。

「学びとは何か」を考えることでぶんちゃんは何を得てると思う?
(ぶん)とりあえず楽しいのよ。前はなんで生きるんだろう、というのに囚われてて、そういう問いって結局ぐるぐるして止まっちゃうんだけど、「学び」は生きるに似てるけどもう少し具体的で深めがいがありそうだなと思った。学習科学という領域もあるし、より解像度の高い形で研究が深めれば、「学び」の解像度も上がってみんなでより豊かな社会をつくれそうというか。だから今大学院に行ってるし、博士課程にも行きたいんだと思ってるんだろうね。でもこれって考えなくても生活する分には困らないし、人によってはよくそんなめんどくさいこと考えてるなと思うだろうね(笑)

まぁ人それぞれだからいいと思う(笑)たしかにそこまで考えなくても生きていけるし、考えすぎることで生きづらくなるとも思ってて。ぶんちゃんが「学び」について考える根源はどこからきてるの?
(ぶん)ね。考えない方が生きやすいって分かってるんだけど、考えないと気持ち悪いんだよな。っていう自分が気持ち悪いんだけど(笑)なんだろなー、例えば結局自分が考えるのを辞めて人生過ごしてたら、どこかで後悔しそうだなと思った。もしかしたら必ずしも「学び」じゃなくてもよかったのかもしれないけど、大事だと思っていることに時間を割けなかったことに対する後悔は生まれそうだなと思った。根源とはちょっと違うかもしれないけど。読みかけの本、やり残したゲーム、つくりかけの料理みたいな気持ち悪さが残りそうな気がするんだよね。たぶんゆかの場合だったら組織をつくりたいとずっと思ってるのに結局つくらないとか、自分の目指したい方向に行かなかった場合に気持ち悪さが残るんじゃないかな。根っこはなんなのかと言われると、そんな風におれとゆかでは違うものがあると思うけどね。

誰しも気持ち悪さが残ってもやってないこととかってある気がしてて、全部気持ち悪くない人っていないのではとも思うのよね。それでもぶんちゃんが考えることにエネルギーを割いてるのはなぜだろう。
(ぶん)子どもの頃でいうと、母方のじいちゃんが先生をやっていて、ずっと教える仕事をしてた。じいちゃんが一番最初に出会った仕事をしている人の像だったのがあるね。2歳から20歳までは母子家庭だったけど、勉強にはお金をかけてくれて、大学にも行かせてくれて。大学に入ってたら暫く楽しくやってたけど「これでいいんだっけ?」という問いが生まれて。「いい大学」に行き「いい会社」に入って「(より)安定して幸せ」を目指すっていうレールを感じて、自分の置かれた環境からすれば本当はすごく十分だろって考え方も分かるんだけど、自分の幸せのためだけに生きてていいのかって。少なくとも自分は本当にそれで幸せを感じるのか? って。 北海道から東京に出てすごく世界が広がったように感じてたけど、いや、これはそうでもないな、まだまだ狭いなと。社会や世界で起きていることとのつながりも分からなかったし、これってこの状態でいいのかって。そういう前提みたいなことを20歳とかになるまで考えてこられなかったし、周りも遊んでばっかだったし、これはきっと自分だけじゃないなと。本来学校ってそういうことを考えさせるような場じゃないのかよって思い始めて、でもこういう仕組みをつくったであろう大人の人にも聞きようがなくて、これはなんなんだ、という問いがばばーーーと溢れ出した。それで大学辞めるとか親に言い出してめちゃくちゃ怒られた(笑)そこは結構根源というか、自分の問がでるきっかけがあったかも。自分が置かれてきた状況としては本当にありがたくて、恩恵もたくさん受けてきて親には感謝してるんだけど、問いに対しては、大変でも自分で考えるしかないと思った。そこから10年ぐらい立つけど、未だにその問いが自分を完全に離してくれた感覚はないね。忘れてる時もあるけど、ふと出てきちゃう。だから問いの答えに近付けそうなことをやっている。めんどくさいなあと思いつつ。

自分でそれはめんどくさいと思うんだ。
(ぶん)めんどくさいでしょ。(笑)考えてる間は生産的な作業ができなくなるし。でも大学院ではそう考えている人が結構いるなと感じてる。俺でもこんなこと深めて何に繋がる!? みたいなことをずっと探究している人とかもいて。比較的アカデミックな世界は自分が深めたいことができそうな感じはある。わかんないけどね。

わかんない状態を面白がってるんだよね。
(ぶん)そうね。わかったら気持ちいいんだけど、結局わかった気がしてもすぐまたわかんねーってなりそう。

わかることがゴールじゃないかもね。答えを探してるんじゃない気がする。
(ぶん)もともとは受験勉強とかがっつりやってきたから、答えがあることに慣れてしまっていた。だから、ここまで答えがないということが衝撃だったのもあって、その問いが残ってるんだろうね。でもみんな遅かれ早かれ「正解がない」ものがあるってことは実生活の中で理解して、その中で仕事とかアートとかスポーツとか、それぞれの分野で深めていくと思うんだけど、自分の中ではその問い自体を深める所に関心が行ったんだろうね。本来なら受けられないレベルで教育の恩恵を受けてきたから、逆にその衝撃で、じゃあ結局なにが大事なんだよ、考えなきゃっていうのにこだわってるんだろうな。

大切な人の「大切なこと」を大切にしたい

面白いね。そんなぶんちゃんが2022年特にこの一年考えていたこととかある?
(ぶん)今年は大学院にも行きながらゆかと会社やろうってなって会社立ち上げ始めて、年齢的にも30になり。自分の大切な問いと、自分の周りの大切な人たちの「大切にしたいこと」をどうやって大切にできるかな、というのは大きくなってきているかも。なんか関わる人の「大切にしたいこと」が分かると超興奮するんだよね。だからコーチングとかもするんだけど、それがさらにその人も気付いてなかったことだと嬉しい。

私たち3人ともめんどくさいよね。(笑)
(ぶん)うん。(笑)めんどくさいことをめんどくさいよねって言いながら、ちょっとずつやってく会社になったらいいなと思う。難しいことを難しいよねって言いながらそれでもやっていくのと同じ。これはほんと速く進むより大変だけど、そういう中でも共感してくれる人が集まってきてくれるといいよね。想いで繋がったみんなで歩んでいけたらいいな。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
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