反田恭平のピアノ・ジャム!より 小曽根真が「好きなコードはオルタード」と聞けば…藤井風に繋がった話
反田恭平が小曽根真氏と対談する日が来るなんて!今、クラシックのピアニストで一番注目している反田恭平と、子どもの頃から敬愛する小曽根真さん。これはディープな話が聞けそうだ。とんでもない番組に心躍らせた。
放送の番組後半、小曽根真氏がゲストの部分を聴き直してみると、とても興味深い内容だった。
反田恭平の質問が最高だった。
「小曽根さんがかっこいいと思うコードが知りたい」
対して小曽根氏
(ふつうのG7に比べて)酒とタバコの香りがするような、反田が「初めてウイスキーの匂いを嗅いだような気分」、という表現には「なるほど」と思った。
カフェで飲んでいたオレンジジュースが、バーでウイスキーグラスを傾けているような大人っぽい響きに変化する。
移調に関する話
移調に関する話が面白かった。
反田恭平は絶対音感なので移調は苦手らしい。Fの音が好きで、ヘ長調やヘ短調も好き。小曽根氏は相対音感。
音大で教鞭をとる小曽根氏。移調演奏を教える時は
反田恭平が「移調は得意ではない」と言っても、ある程度ならできるだろう。しかし、やはり移調演奏は、絶対音感が優れているだけではできない。相対音感と慣れが必要で、通常の演奏テクニックとは別の能力なのだ。
さて、先ほどの小曽根氏がカッコいいと思うコード、
G、F、B♮、E♭、F、B♭(下から順に積んでコードを鳴らすと……)
藤井風の「優しさ」
のイントロに出てくるコードっぽい?
待てよ、「オルタード」と言えば……
思い出したのが、2020年にYaffle氏がJ-waveで放送していたこの番組の内容。
そうだ!藤井風も
「オルタードが大好き」
なんだった。
D♭add9/F G7(+9)(-13)(omit5) F7(+9)(-13)
など藤井風の楽曲には、分数コードがたくさん使われている。
オルタードスケールは全音を多く含むので、ホールトーンスケール(全音音階)っぽさも感じる。ペンタトニックスケール(ヨナ抜き音階)はジャズのブルーノートスケールにも繋がる。
藤井風の楽曲は、これらのスケールを多用している。
そのため、彼の楽曲は、ジャズや近現代のクラシック的な浮遊感のある和声進行(コードワーク)で調性浮遊感と自然な転調が心地良いのだろう。
わたしがハマるアーティストが作る曲は、だいたいこの2つがポイントとなっている。子どもの頃からずっと「音楽的な好みがブレていない」ことも再認識できたような気が。
しかし、一体どうして調性浮遊感がこんなに好きなんだろう……。また改めて深堀りしてみようっと。
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