見出し画像

60歳からの知っておくべき経済学 高橋洋一

財政の仕組み、税金、保険、年金、仮想通貨、家の購入……
正しい経済知識があなたを守る!
「人生100年時代」が本格的に訪れる中で、高齢者たちがセカンドライフをより充実させるために、積極的に「学び直し」をする動きが広がっている。
 退職金で悠々自適に生活するにしても、余剰資産を運用してお金を増やすにしても、年金だけで細々とやっていくにしても、どんな状況でも経済に関する知識が欠かせない。


保険

 どうしても保険にはいらなければいけない場合は、補償を限定して、掛け捨てにする商品のほうがましである。

 なぜなら、補償を得るという保険本来の目的を、きちんと果たしているからである。
 老後に備えたいといいういのなら、国民年金に上乗せして加入できる、「国民年金基金」がおススメである。
国が運営しているから、民間の商品より安心だし、手数料もかからない。

 またiDECOなら、掛け金が全額所得控除の対象になったり、運用益が非課税になったり、公的年金や退職所得が控除されたりと、税制上の優遇をいくつか受けられる。

 不動産投資や、事業投資は難しいものがあるから、素人が下手に手を出さない方がいい。
老後に予備知識なしで、いきなり始めると損をしてしまう可能性が高い。


退職金で家を買う必要があるか?

何も資産がないなら賃貸のほうがいい

持ち家と借家の比率は、6割以上が持ち家だ。
高齢者になると8割を超える。

 しかし、持ち家は賃貸よりリスクが高い。
家は数千万の買い物で、しかも返済期間が35年などと長いから、その分だけリスクも大きくなる。
ただ、住むだけなら家を借りる方が気楽だ。


反論


「賃貸は月々の家賃の支払額が、ローンの返済よりも大きい」
大家があこきな場合、家賃を相場よりも高く設定している時は、家を買った方が得な気もする。

 しかし、賃貸物件が、これだけ増えている現状では、入居者争奪戦が激しくてそこまで家賃を上げられないし、大家の取り立てもたかがしれてる。

 家を買うには、 印紙代、登記費用、仲介手数料、融資手数料などの諸々の初期費用が必要だ。
ローン返済の他に、修繕積立金や管理費といった固定費用毎月もかかる。

身の丈に合わない住宅ローンを組んでしまうと、病気や退職、転職などの事情で返済できなくなり、結局は家を売却せざるを得なくなったというケースが意外と多い。
 しかもその時に、物価価格が下がり、ローンが返済できなくなったら、借金だけが残る。
 このような時、金融機関の取り立てがかなり厳しくなるから、肝に銘じておいたほうがいい。

 悲惨な結末を避けるためには、定年退職前の会社員は今のうち返済計画に抜かりはないか、再確認しておいたほうがいい。



国債


 国債は最強の金融商品である。

素人が手を出すなら、個人向け国債の変動金利型10年満期が、身の丈に合った金融商品と言える。

個人向け国債
 「固定金利型3年満期」「固定金利型5年満期」「変動金利型10年満期」がある。
 固定金利型では、満期まで利率が変わらないため、発行段階で貰える利息を把握できる。
 一方変動金利型は、需要と供給の実勢に応じて、半年ごとに適用利率が変動し、受け取る利率が増減する。

新窓販国債
「2年固定金利国債」「5年固定金利国債」「10年固定金利付国債」がある。
こちらは財務省が市場実勢に基づき金利を決定するという特徴がある。

 個人向け国債には「1年経過ルール」というものがあり、発行から一年を経過するまで換金できない。
一方、新窓販国債にはこのルールがなく、購入後はいつでも売却できるという違いがある。



迷ったとき


 現在の低金利の状況では、個人向け変動10年満期がおすすめ
10年満期とあるが、実際には、満期の前に売却、換金ができるため、10年と言う区切りには意味はない。
 重要なのは「変動金利」と言う部分であり、景気が良くなれば金利が上昇し、悪くなれば下落する。

 変動型金利型10年満期は半年ごとに、金利が変わるように設定されている。

個人向け国債には、発行から1年経過すれば、国が額面で買い取ってくれる。
 そのため、国家が財政破綻しない限り、償還まで保有していれば、元本割れのリスクがない。
 しかし、中途換金時に調整額で売却損が出る可能性はあるから、そこは気を付けておこう。


 一方、新窓販国債は、国が買い取る中途換金制度がないため、換金する時は市場で売却する。
金利が上昇した場合は国債の市場価値が下がり、売却損が出るおそれがある。

 金利の上昇で国債の価値が下がるのは、購入後に金利が上昇すれば、市場ではみんながより高い金利の国債を欲しがるため、低金利の国債には買い手がつきにくくなるからであるう。

 そもそも国債では、元本割れは大した問題ではない、売却損が出たとしても、その売ったお金で金利が上がった国債をまた買えば、損失分はすぐにとりもどせるからだ。


 他にも興味深い税金の話や、年金、保険、ためになる話がたくさんありました。
 個人的に、国債の話が一番ためになりました。

 経済の話は難しい。
けど、経済を理解できれば、世の中で発信される情報を、己で淘汰することができるので、もっと理解していきたいです。

 この本はおすすめです。








いいなと思ったら応援しよう!