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板上に咲く 原田 マハ

墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
ワぁ、ゴッホになるッ!」
1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。


 石川啄木と全然違う。
真逆の人、棟方志功。

〈チヤ様、私は貴方に惚れ申し候。ご同意なくばあきらめ候 志功〉


 新聞の片隅で求愛した。
お洒落すぎる、求愛も天才すぎる。

 断る人なんかいない、断れるわけながい。

〈二菩薩釈迦十大弟子〉


舎利弗しゃりほつ(智慧ちえ第一)、

大目犍連だいもくけんれん(目連もくれん、神通じんずう第一)、

大迦葉だいかしょう(摩訶まか迦葉、頭陀ずだ第一)、

須菩提しゅぼだい(解空げくう第一)、

富楼那弥多羅尼子ふるなみたらにし(富楼那、説法せっぽう第一)、

摩訶迦旃延まかかせんねん(迦旃延、論義第一)、

阿那律あなりつ(天眼てんげん第一)、

優波離うぱり(持律じりつ第一)、

羅睺羅らごら(密行みつぎょう第一)、

阿難あなん(多聞たもん第一)

 手拭いで目隠しし、右手と左手で彫り上げた傑作、
勢いあまり左指を抉り、血まみれになりながら完成させた、見てみたい。


作品


〈勝鬘譜善知鳥版画曼荼羅〉
官展 特選

〈東北経鬼屏風〉
〈萬朶譜〉藤、松、梅、矢車草、杜若かきつばた、竹、桜
〈大和美し〉
〈華厳松〉富山県,光徳寺


住まい

、雑華堂

弘前
善知鳥神社 結婚を報告した神社
 無牛子 八幡宮
 石作りの鳥居の上に、ひょうきんな小鬼の像がある。


 子供の頃、モチモチの木の絵本が学校にあった。
内容はあまり覚えていないが、挿絵がおどろおどろしくて、なんとなく覚えている。

 その絵は子供の絵本にしては、インパクトがあり、手に取るのを躊躇われるような絵であった。

 棟方先生の作品だったのだ。
知らなかった。
 手に取るのが、躊躇われたのは魂が入っていたからなのだ。
命を吹き込まれた絵に、子供ながら怖かったのだ。

 きっと実物はもっとすごい命を魂を感じるのだろう。
見てみたい。
 先生の故郷、青森も行ってみたい。

この本はおすすめです。


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anco
ありがとうございます!! がんばります!!