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黒い絵 原田マハ


 「ノワール小説集」。
嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、
全6作品を収録する衝撃作!

  感情移入できないお話だった、
最後の向日葵奇譚を読むまでは。

 向日葵なのでゴッホだなというのは
当っていて、でも切り口が違った。

 孤高の天才、亡くなってから
プロになった人。

 いろんな評価があるでしょうが
浜田先生の切り口が一番近い
のではないでしょうか?

 つまりは普通の人。
朝起きて、ご飯を食べて
散歩をして、絵をかいて

 誰にも認められない、
欝々とした日々を過ごす。

 死んでから「お前見たのか!」と
色んな評価をする後世の人間に
正直辟易する。

 いたって普通。

 でも、個人的には悩んでばかりでもなく
たまには笑っていもいて欲しいと思う。
 実際笑っていただろう。

 最後の向日葵奇譚を読むまでは
二回は読まないだろうと思っていたけど
最後の話はちょっと気になる。

 そんな本でした。


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