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飯は出しても口出すな 金は出しても手は出すな 

 50代/女性/教員在職20年強
 4人の子の産休・育休・育児時短勤務経験あり

 近親者との人間関係
 職場で感じるジェンダー
 理想の教育ってなんだろう
 考えることあまた…
☕️

高校教員をしていてずうっと気になっていることがある。
それは、
保護者が子どものことに口出ししすぎ、
ということだ。


子どもが教員に自分できけばよいことを、
わざわざ学校に電話をかけて質問する親。

生徒がSNS関係で良からぬことをして学校指導となったとき、
「他の子もやってますよね?」「ウチの子はそんなことしない」
と、自分の子の前で反論する親。

そして、高校卒業後の進路となると、
子どもを手元から離したがらない親のなんと多いこと!
特に、全国どこでも選択できる女子の少なさには
がっかりさせられるだけでなく、
自分の頃と変わらぬ “何か” があるようで、
じれったさを覚える。

約30年前。
ワタシが県外の大学を受けたいと言っても、
「なにたわごとを言ってるんだ?」くらいの温度感で
両親は相手にしてくれなかった。
ワタシのやりたいことより、
世間体や家計負担、親の希望が優先だった。


21世紀。
生徒の親に理由を聞きたい。
ここが地方だから?
女子の一人暮らしが心配?
子どもが家を出ていくと淋しい?
本来、成人したら実家を出て独り立ちすべきでは?

そもそも、親が子の進路に何らかの縛りを与えることは、
子の選択肢を狭めることになる。
マララさんの父親が言っていた
”子どもの翼を折る“ ということだ。
もう、それだけで、
やりきれない思いがしてしまう。

もちろん、経済的な事情も理解できる。
しかし、教育にお金を割くことで
環境や格差の固定化を断ち切ることができれば、
後世にとって決してマイナスにはならない。

また、「奨学金は借金だからあまり推奨できない」
という意見も多い。
しかし、
自立の第1歩として資金を借り入れ、
数年後、社会に出てから着実に返済していくことは、
決して「推奨できない」人生設計ではないのでは?


担任として、また母親として、
目の前の子どもたちの未来のためにできること。
それは
「好きなことをしていいんだよ」
「羽ばたいてごらんよ」
と、背中を押してやることだ。

子どもたちに冒険をさせよう。
飯は出しても、口出すな。
金は出しても、手は出すな。

これは、わたしたちにできる
未来への投資だ。


支えたり、支えられたり。そんな “環境” が心地いいですね。