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One Thousand Vines 読書感想文#01.

2025年、今年のnoteは、最近、書きたくて書きたくて(伝えたくて伝えたくて)うずうずしている事にしました。

昨年末に発売された Pascaline Lepeltier著 【One Thousand Vines】を今年に入って読み始めました。
見た目は5センチほどの分厚さ、全文英語、辞書のような本ですがきっとこれを開くと知らない面白いことがたくさん書かれているんだ!というワクワク感の方が勝ります。とはいうものの、読み始めるまでに少々の覚悟というか、時間というか、「エイヤ!」という思い切りが必要。(朝起きるのと同じような感じ。)
1月中旬、今日はゆっくり家の中で過ごすぞー!という日に、まずは全体像をと、ページをパラパラ眺めてみると、目次からすでに面白そう…!
今までにはなかった視点のカテゴライズに「え!え!え???」が止まりません。

と、いうことで、今年は、というか、読み終わるまで!毎月読書感想文を書いてゆきたいと思います!
自分の備忘録にもなるし、これを読んでくださっている方にとっても、きっとワインを新たな観点から見るヒントとなると思います。

まずは、序章からグッとくるものがありましたので、そちらから!


Reading One Thousand Vines

どのようにこの本を読み進めてゆけば良いか、何がきっかけでこの本を書かれたか、が書いてあります。

その中で印象的だったキーワード

Permaculture(パーマカルチャー)
パーマカルチャーとは、永続的な農業(パーマネント・アグリカルチャー)を基に、人と自然がともに豊かになるような暮らし方や考え方を意味する言葉です。

パーマカルチャーは、1970年代末にオーストラリアの生物学者ビル・モリソンと生態学者デビッド・ホルムグレンによって提唱されました。

AI による概要

これをワインに落とし込んだ絵がページ1枚を使って大きく描かれています。
それだけで、視点がガラリ!
従来のワインの本は一つ一つの要素を細かく説明するものが多かったのですが、この本はそうではなく、より包括的に捉えた視点で書き進められていることを示しています。

感動するワインの背景には私たちの生きている世界がある!

葡萄の木と畑はその始まりであること。私たちはあらゆる種類のワインを飲み、生産者と出会う、人と話す。
有形、無形、現在、過去、未来、人間、植物、微生物、その全てが信じられないほどに多様で活気に満ちたダイナミズムの中で確実に相互的に繋がっています。この不思議な世界を理解する鍵を提供するために、この本は書かれたと書いてあります。

細かな各要所(「土壌」や「醸造」など)の知識を深めることも大事なのですが、それぞれの繋がりや全体像を捉えることをうっかり忘れていて、ハッと気付かされました。

Reading Vines

ここではヴィティス・ヴィニフェラのルーツが綴られています。

ブドウ栽培は最も古くから広範囲にわたり研究されてきた農法です。そして、葡萄もまた生態系の一部であることを忘れてはいけませんでした。
古くから存在しているブドウを研究することは他の植物の栽培にとっても利益のあることです。2007年にヴィニフェラはイネやクレソン、ポプラに続きゲノム解析がされたそうです。それにより、今私たちの馴染みあるシャルドネやメルローなどのルーツが分かり、葡萄がどこからやってきたのかもわかってきました。

葡萄が如何に繁殖力、持続的な生命力、人との親和性が高いのかが分かりました。古くから生存するということは長い間研究対象ともされてきました。それが他の植物やクローンなどの研究にも役立っているのです。

うーん、ブドウすごい!ただもんじゃない!と、チープな感想ではありますがワインを生業にしている身として、身近なブドウの深い歴史や周りに対する貢献を見てゆくとものすごいパワーとまだ見ぬポテンシャルもあるのだろうな、尊敬の目で見てしまうのでした。

1月はここまで、また来月に〜!

※お店でお配りしている【よみもの】にもこの本をネタに書くときがあります。ワインご購入の際にお渡ししておりますので、是非、ご一読くださいませ。

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