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学びと共創の場づくりへの挑戦 Part2

初めまして!Arc & Beyondのインパクトクリエイション部で、事業やプロジェクトの創出をテーマに活動しているまっきー(大内)です。もともと、新卒でソニー・エリクソンという携帯電話を作る会社に入社し、機構設計と呼ばれる、製品の外装部分をつくる仕事をしていました。多様な専門性を持つ方々と協力して製品を設計し、工場で実際に形にしていくのですが、毎日どこかしらで課題が出てはみんなで解決していく、それはそれは楽しい仕事です。MESH™を活用したワークショップの中で大切にしている「創造性」や「問題解決力」は、そんな自分の仕事でも重要な要素になっていると感じます。たくさんの子どもたちに、このような力を養う体験をしてほしい。ものづくりの創意工夫する過程を楽しんでほしい。そんな思いで活動しています。


探究的な学びを地域の方々とともに実施する

先日、11月24日(日)に秋田市の小中学生を対象に、「プログラミング言語を知らなくても手軽に組み立てられる!MESHで身近なものが大変身!?」と題したワークショップを開催しました。

このワークショップは、Arc & Beyondが採択された経済産業省の「未来の教室」実証事業の一環として開催され、デジタルテクノロジーを活用した探究的な学びに参加できる環境を、地域内外の企業や地域の方々と整備することを目指しています。
開催場所は、秋田市で行われた「あきたキッズプログラミングアワード」の会場です。私たちのブースの他にも、ロボットカーを走らせる体験やドローン体験などさまざまなブースがあり、たくさんの小中学生やその保護者の方々が訪れ、とても活気のある中でのワークショップとなりました。

現地コーディネーターG-experienceとの連携

今回のワークショップは、秋田県の五城目町を中心に、学校以外の地域やコミュニティなどで、子どもたちの興味や関心に応じた探究活動の場を提供されている合同会社G-experienceと一緒に開催しました。

ワークショップのタイトルスライドが表示されたモニターの前に並ぶG-experienceのメンバー3名と、Arc & Beyondのメンバー3名
ワークショップを一緒に開催したG-experience(写真右側)の皆さんと

本取り組みは地域の方々で新しい学びの方法に取り組んでいただくことが目的です。そこで、「MESHと身近なものを組み合わせて、生活が楽しくなるシカケを作る」というテーマの1時間のワークショッププログラムを、G-experience代表の松浦さんにもファシリテーターとして進行していただきました。当日は、未就学児から小学校高学年まで、幅広い年代の子どもたちとその保護者の方にご参加いただきましたが、日々地域の子どもたちと触れ合っていらっしゃる松浦さんらしく、子どもたちに寄り添ったファシリテーションをされているのが印象的でした。

ワークショップに参加する子どもたちとその保護者に話しかけている松浦さん
ワークショップのファシリテーションをする松浦さん(写真中央)
ノートパソコンを使ってMESHのプログラミングに挑戦する参加者のお子さん
さまざまなセンサーを触って、プログラムを試していく子どもたち
タブレットを使ってMESHのプログラミングをするお子さん。机の上には、空き箱と紙皿で作った作品が置かれている。
身近にある「もの」を使ってシカケを作っていきます

夢中になってモーターを動かす

今回のワークショップで、私自身も気づきのあった面白い体験をしました。
ワークショップの中でモーターが登場すると、子どもたちは、説明を聞くのもそこそこに、さっそくモーターの線をMESHに繋いで行きます。タブレットの中でモーターを「ON」にするプログラムを組み、「動いた!!」キラキラした目をして歓声を上げます。
が……。モーターがずっと回ったままです。実は「OFF」にするプログラムも作らないと、止まらないのです。

多くの子どもたちが、止まらないモーターを前に焦ります。でも、ワークショップではすぐにやり方を教えることはしません(本当は、早く止め方も教えたいけど、ぐっと我慢)。「モーター、どうやったら止まるかな?」と、声掛けをします。
子どもたちの反応もさまざま。MESHとつながっているモーターの線を引っこ抜いて止める子もいたり(ワイルド!確実に止まるよね。)、ONのプログラムをOFFのプログラムに書き換えてモーターを止める子もいたり。ある子は、「どう?止められた?」と聞いたら、「60秒たったらモーターが止まるようにしました!!」との回答。素敵!このプログラムは、「タイマーブロック」というロジックを使ったもので、例えば「ボタンを押す」という最初の1アクションだけで、モーターを「ON」にして、その後「OFF」にすることができます。

やり方はひとつじゃない

モーターを「止める」という動作一つをとっても、方法はいっぱいあります。ワークショップでは、子どもたち自身が試行錯誤をしながらそれぞれのやり方を発見していきます。そうした経験を繰り返すことで、子どもたちの「創造性」や「問題解決力」が養われていくのではないかと思いました。そんな子どもたちの様子を見て、私も仕事中、解決策を1つに絞りがちなことに思い当たり、「そうだよね。やり方はひとつじゃないよね。もっと視野を広く持たないと。」と、改めて気づかされました。

最後は、紙コップで作った羽をモーターに貼り付けて、素敵なポータブル扇風機を作っているお子さんもいました。実は、このモーター、実際に何か取り付けようとしても、軸が細くて貼り付けが難しいのです。次回は、ほかのシカケと貼り付けしやすくする部品を自分で作りたい。と機構設計者の血が騒いだまっきーでした。

演台でマイクを持ち講演をするはぎー。画面には「半径3メートルからはじまるイノベーション~「誰かのために」つくってみよう~」の文字
はぎーによる講演会の様子

このワークショップを行った会場では、「プログラミングアワード」という小中学生を対象にしたコンテストも開かれていたのですが、その中で我らがはぎー(萩原・Arc & Beyond業務執行理事)の講演会も行われました。社会を変えるようなイノベーションも、身近な「誰かのために」アイデアを考えることから始められる。それを実現する手段として、デジタルテクノロジーに触れる重要性についても話しました。

最後に

ワークショップが終わって、子どもたちの反応を聞いてみると、「またMESHを使ってみたい」との声が。みなさんいろいろなアイデアにあふれていたようで、1時間のワークショップではちょっと短かったかなあ……。楽しい時間を過ごしていただき、嬉しかったです。

作った作品と共に記念撮影した写真をその場で印刷するArc & Beyondメンバー(れんれん)
作った作品と一緒に写真を撮り、作品の説明を書いたシートに貼って持ち帰ってもらいました

ワークショップの開催にご尽力いただいたG-experienceの皆さまをはじめ、お世話になった関係者の方々には、この場を借りて御礼を申し上げます。
Arc & Beyondは、これからも、子ども一人ひとりの居住地や家庭環境に左右されることなく、個性や才能に合わせて主体性や創造性などの非認知能力を育む「学びと共創の場」の実現を目指していきます。私も毎回、たくさんの子どもたちと出会い、一緒に楽しい学びをしていけることに、ドキドキワクワクしながら活動しています。これからも、この活動を応援していただければ嬉しいです!

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