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【1-2(4)】結合組織 一問一答
↑ 解剖学マガジン記事一覧(目次)
【1-2 組織】
■ 第1章 人体の構成 資料配付ページ
■【1-2(1)】上皮組織 解説
■【1-2(2)】結合組織 解説
■【1-2(3)】上皮組織 一問一答
■【1-2(4)】結合組織 一問一答(この記事)
■【1-2(5)】上皮組織・結合組織 国試過去問
■【1-2(6)】筋組織 解説
■【1-2(7)】神経組織 解説
■【1-2(8)】筋組織 一問一答
■【1-2(9)】神経組織 一問一答
■【1-2(10)】筋組織・神経組織 国試過去問
→ 【1-3 体表構造(皮膚)】
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■ YouTube 結合組織① 線維性結合組織 一問一答
【結合組織とは】
結合組織は全身の器官・組織・細胞の間の隙間を埋め結合する。○×
【答え】○

結合組織は全身の器官・組織・細胞の間の隙間を埋め結合するのが、もともとの定義です。
結合組織は骨や軟骨のように身体を支える支柱の働きをする組織も含まれ、支持組織とも言われる。○×
【答え】○

結合組織は骨や軟骨のように身体を支える支柱の働きをする組織も含まれ、支持組織とも言われます。
結合組織は細胞はまばらで、細胞と細胞の間に( )が豊富に存在するのが特徴である。
【答え】細胞間質(細胞外基質/細胞外マトリックス)

結合組織は細胞はまばらで、細胞と細胞の間に細胞間質が豊富に存在するのが特徴です。
上皮のところでもでてきましたが、上皮組織は細胞ビッシリ、隙間はほとんどないので、細胞間質(細胞外基質)はほとんどありません。
一方の結合組織は、細胞がまばらなので、細胞間質は当然多くなります。
血液も結合組織に含まれる。○×
【答え】○

血液も結合組織に含まれます。
細胞(血球)がまばらに存在し、細胞間質は血漿に相当します。
結合組織は( 、 、 、 )の4種に分けられる。
【答え】線維性結合組織、軟骨組織、骨組織、血液とリンパ
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結合組織は線維性結合組織、軟骨組織、骨組織、血液とリンパの4種類に分けれます。
【線維性結合組織】
コンドロイチンが豊富な結合組織を密性結合組織という。○×
【答え】× 膠原線維(コラーゲン線維)

線維性結合組織は膠原線維(コラーゲン線維)の割合によって、疎性結合組織と密性結合組織に2つに分けられます。
よって、この問題はコンドロイチンではなくて、コラーゲン線維が豊富な結合組織を密性結合組織というが正解です。
腱や靱帯は( 性結合組織)である。
【答え】密性結合組織
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腱や靭帯は密性結合組織です。
膠原線維の配列方向が一定で、ひっぱりにたいして非常に強い構造となっています。
真皮は( 性結合組織)である。
【答え】密性結合組織
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真皮も密性結合組織です。
靭帯や腱は膠原線維が一定方向に走行していたのに対し、真皮や強膜、骨膜は線維の方向が不定で交叉するように走行しています。どの方向の引っ張る力にたいしても強い構造となっています。
💡密性結合組織5つ(絶対暗記!)💡
靭帯・腱・真皮・強膜・骨膜
皮下組織は( 性結合組織)である。
【答え】疎性結合組織
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皮下組織は疎性結合組織です。膠原線維の割合が少なく、脂肪細胞が多いのが特徴です。
眼球では( 膜)が密性結合組織である。
【答え】強膜

眼球では強膜が密性結合組織です。
眼球壁は3層構造で、外層が眼球線維膜と呼ばれ、前1/6が角膜、後ろ5/6が強膜とよばれます。
強膜はつまり、白目のところから、眼球の後ろまでの部分です。コラーゲンが集まると白となります。靭帯や腱も白ですし、強膜も白です。
強膜は文字通り「強い膜」で、眼球を保護しています。
■ 線維性結合組織の線維成分
線維性結合組織をつくる線維には膠原線維、細網線維、神経線維の3種類がある。○×
【答え】×(神経組織 → 弾性線維)
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線維性結合組織をつくる線維には膠原線維、細網線維、弾性線維の3種類があります。神経線維は神経組織なので、別の組織です。
膠原線維の主成分は( )である。
【答え】コラーゲン
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膠原線維の主成分はコラーゲンです。
膠原線維は身体の最も基本的な線維で線維芽細胞により産生されます。ひっぱる力にとても強い線維です。
細網線維は網の目構造の線維に多数の( )が存在して生体防御に重要な働きをする。
【答え】マクロファージなどの免疫系細胞
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細網線維は網の目構造の線維に多数のマクロファージなどの免疫系細胞が存在して生体防御に重要な働きをしています。
細網線維はリンパ節や脾臓、ディッセ腔、骨髄などにみられ、細網内皮系と呼ばれます。
弾性線維の主成分は( )である。
【答え】エラスチン

膠原線維の主成分がコラーゲンであるのに対し、弾性線維の主成分はエラスチンですゴムのような弾力性が特徴です。
大動脈壁、動脈の弾性板、項靱帯、脊椎の黄色靱帯 などに多く含まれます。
また、弾性線維が豊富な軟骨を弾性軟骨といい、喉頭蓋軟骨、耳介軟骨などがそれに含まれます。
弾性線維が豊富な血管は( )である。
【答え】大動脈
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動脈や静脈は内膜、中膜、外膜の3層構造をしています。内膜は単層扁平上皮の血管内皮細胞です。中膜は血管によって厚さや組成が異なるところです。
大動脈の中膜は平滑筋より弾性線維の割合が多く、弾性動脈とも言われます。
一方、直径が4mm以下のような一般的な動脈では、中膜は平滑筋となります。このような動脈は筋性動脈といわれます。
筋性動脈でも、平滑筋を挟むように弾性線維のシートがあり、弾性板といわれますが、中程度以下の動脈ではあくまで中膜は平滑筋が主体です。
エラスチンが豊富な軟骨は( 軟骨)である。
【答え】弾性軟骨
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弾性線維(エラスチン)が豊富な軟骨は弾性軟骨といいます。
喉頭蓋軟骨と耳介軟骨が弾性軟骨です。
弾性線維が豊富な靱帯は( 靱帯)である。
【答え】黄色靭帯(項靭帯も)
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弾性線維が豊富な靭帯は黄色靭帯です。
普通の靭帯は膠原線維が豊富な密性結合組織で、白色ですが、黄色靭帯は文字通り黄色です。
黄色靭帯は、上下の椎骨の椎弓間を結ぶ靭帯で、脊柱管の後面にあたります。背中の動きを考えてみるとわかるのですが、前かがみは可動域が大きいのに対して、後ろに反る動きは可動域が小さいです。前かがみになるということは、それぞれの椎骨の後ろ側、つまり椎弓側がより開く必要があるので、上下の椎弓間は良く伸びる黄色靭帯が適しています。
しかし、どこまでも曲ってしまうと、背骨や脊髄が痛んでしまう恐れがあるので、棘上靭帯や棘間靭帯は普通の白い靭帯です。ふつうの白い靭帯は、密性結合組織で非常にひっぱりに強く、ほとんど伸びません。関節の可動域を協力に制限し保護しています。
またもうひとつ、弾性線維が豊富な靭帯があります。それは項靭帯です。項靭帯は頸椎の棘突起間に付着しつつ、外後頭隆起まで張っている靭帯で、弾性線維が豊富です。頭も、下向きになることが多いので、頸椎の後ろ側を補強する項靭帯も弾力性があるほうが都合が良いので、弾性線維が豊富になっています。
丸暗記でなく、「何故ここには弾性線維が豊富な必要があるのだろう?」と考え、理由付けすることで、記憶に定着し、忘れなくなります。
■ 結合組織の細胞成分
線維芽細胞は( )を産生する。
【答え】膠原線維(コラーゲン線維)
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線維芽細胞は膠原線維(コラーゲン線維)を産生する細胞です。
じゃあ、弾性線維は何が産生するの?となるかもしれません。実は弾性線維も線維芽細胞が産生するようです。条件により、異なる遺伝子が発現して、弾性線維を形成することがわかっていますが、詳細はまだわかっていないことが多いようです。
まずは国家試験的に、「線維芽細胞は膠原線維を産生する」と確実に覚えておいてください。
大食細胞は( )とも呼ばれ食作用により異物を取り込み処理する。
【答え】マクロファージ
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大食細胞はマクロファージとも呼ばれ、食作用により異物を取り込み処理します。
そして、もうひとつ大切な働きがあります。それは抗原提示です。
貪食した異物を細胞内消化し、その断片を再び細胞膜上に出して、ヘルパーT細胞へと異物の情報を提示します。これが抗原提示です。
ヘルパーT細胞は抗原提示を受けるとサイトカインを放出し、他の免疫細胞に指令をだし免疫が発動します。
マクロファージは食べて終わるだけじゃない。抗原提示という極めて大切な働きがあることをわすれないでください。
肥満細胞が分泌する( )は毛細血管を拡張し、その透過性を高める。
【答え】ヒスタミン
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肥満細胞が分泌するヒスタミンは毛細血管を拡張し、血管透過性を高めます。これはI型アレルギーの花粉症などに関連しています。
肥満細胞にIgE抗体と抗原が結合すると細胞内に蓄えたヒスタミンが放出されます。これがI型アレルギー、即時型です。
肥満細胞は細胞膜表面に( )の受容体を持っていて、I型アレルギー (即時型)を引き起こす。
【答え】IgE抗体
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肥満細胞は細胞膜表面にIgE抗体の受容体を持っていて、I型アレルギー (即時型)を引き起こします。
I型アレルギーの機序についてみてみます。
肥満細胞の細胞膜表面にあるIgE抗体の受容体にIgE抗体が結合し、さらに花粉などの抗原が結合することにより、肥満細胞内部に貯えられたヒスタミンなどの化学伝達物質が脱顆粒を起こし、細胞外へ放出されます。
ヒスタミンの重要なキーワードは「血管透過性亢進」です。血管から、液体(血漿)が染み出やすくなるということです。
これが鼻粘膜で起これば鼻水鼻詰まりになります。
気管支で起これば、気管支の浮腫を引き起こすほか、気管支平滑筋の収縮を直接促す作用もあります。(気管支喘息)
皮下で起これば、当該部位に組織液が貯留し腫脹となります。
I型アレルギーは反応が速く即時型, アナフィラキシー型ともいわれます。
形質細胞はBリンパ球から分化した細胞で( )を産生する。
【答え】抗体
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形質細胞はB細胞より分化し、抗体を産生する細胞です。
細胞内部は粗面小胞体が発達し、タンパク質合成が盛んであることを物語っています。
抗体は免疫グロブリン(γ-グロブリン)とも呼ばれます。抗体は特定の抗原と結合する能力をもちます。
細菌などの抗原と抗原抗体複合体を作って凝集させたり、ウイルスなどの抗原に結合して、その感染力を失わせることにより、身体防御に働きます。
脂肪細胞は細胞の中に大量の( )を貯えている。
【答え】中性脂肪
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脂肪細胞は細胞の中に大量の中性脂肪(トリグリセリド)を蓄えています。
疎性結合組織の脂肪組織に多くみられます。
肥満細胞は細胞の中に大量の中性脂肪を貯えている。○×
【答え】×(中性脂肪 → ヒスタミン)
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肥満細胞は細胞の中に大量のヒスタミンを貯えている。身体の肥満とは関係ありませんので、くれぐれもひっかからないようにしてください笑
【軟骨組織】
軟骨組織は軟骨細胞と軟骨基質からなり、線維性結合組織の特殊化した形と考えることができる。○×
【答え】○
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軟骨組織は軟骨細胞と軟骨基質からなり、線維性結合組織の特殊化した形と考えることができます。
軟骨基質の内部に血管が分布し、軟骨細胞を栄養する。○×
【答え】×
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軟骨基質の内部には血管は分布しません。
栄養は周囲の結合組織に分布する血管からの拡散や、関節内では滑液により栄養されます。
関節軟骨や肋軟骨、気管軟骨は( 軟骨)に分類される。
【答え】硝子軟骨
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関節軟骨や肋軟骨、気管軟骨は硝子軟骨に分類されます。
硝子軟骨は最も一般的な軟骨です。
場所も全部覚えるのは大変なので、まずは弾性軟骨と線維軟骨の場所を確実に覚えてください。
喉頭蓋軟骨や耳介軟骨は( 軟骨)に分類される。
【答え】弾性軟骨
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喉頭蓋軟骨や耳介軟骨は弾性軟骨に分類されます。
弾性軟骨は弾性線維(エラスチン)が豊富で、ゴムのような弾力性に富みます。特殊な軟骨で場所がはっきり限られるので、よく出題されます。
椎間円板、恥骨結合、関節円板、関節半月は( 軟骨)に分類される。
【答え】線維軟骨
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椎間円板、恥骨結合、関節円板、関節半月は線維軟骨に分類されます。
硝子軟骨にも膠原線維は含まれていますが、線維軟骨は膠原線維が特に多い軟骨です。
膠原線維の割合が多くなると、プリッと感は低下しますが、堅くなり圧迫に強くなります。
何度も言いますが、弾性軟骨2つ、線維軟骨4つは必ず覚えてください。
【骨組織】
骨組織は骨細胞と骨基質とからなる。○×
【答え】○
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骨組織は骨細胞と骨基質とからなります。
?? 骨芽細胞は? 破骨細胞は??
骨芽細胞や破骨細胞は骨を作ったり、溶かしたりする細胞達なので、骨の表面にいます。
なので、「骨組織」としてみた場合は、骨小腔に埋もれている骨細胞と骨基質でできていると考えて下さい。
骨基質は膠原線維とリン酸カルシウムなどのアパタイトと呼ばれる無機質からなる。○×
【答え】○
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骨基質は膠原線維とリン酸カルシウムなどのアパタイトと呼ばれる無機質からなります。
骨というと「カルシウム」という印象が強いですが、コラーゲンも骨の大切な成分です。
膠原線維(コラーゲン)は骨のしなやかさを生み出します。
そして、カルシウムはリン酸カルシウムを主体としたアパタイトとして骨の硬さをつくりだします。
■ 骨の細胞
骨細胞が骨基質をつくり出し、破骨細胞が骨基質を破壊(骨吸収)する。○×
【答え】×(骨細胞 → 骨芽細胞)
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骨を作り出すのは、骨芽細胞です。
骨細胞は、骨芽細胞が周囲に骨基質を産生していき自分が分泌した骨に埋もれてしまったものです。
基質小胞を分泌するのは( 細胞)である。
【答え】骨芽細胞
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骨芽細胞は膠原線維を主体とする類骨を分泌するとともに、基質小胞を分泌します。
基質小胞はカルシウムとリン酸を引き寄せて石灰化を促します。
骨小腔の中には( 細胞)が存在し、互いにネットワークを形成し、骨組織にかかる加重などの情報を感知して、骨形成と骨吸収の調節を行っている。
【答え】骨細胞
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骨小腔の中には骨細胞が存在し、互いにネットワークを形成し、骨組織にかかる加重などの情報を感知して、骨形成と骨吸収の調節を行っています。
骨細胞は、骨芽細胞が周囲に骨を産生していって、いつのまにか自分が産生した骨に埋もれてしまったものです。
骨細胞が収まる小さな小部屋を骨小腔といいます。
骨細胞は周囲の骨細胞と突起で連絡をとりあっています。この突起の連結部分にはギャップ結合があるので、情報が伝わるようになっています。
骨細胞は骨にかかる力の加減などをモニターしています。だから、骨に適切な負荷をかけてあげることが,骨を丈夫にすることにつながります。
破骨細胞は単核の細胞である。○×
【答え】×(多核細胞)
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破骨細胞は複数の単球が癒合してできる多核細胞です。
骨にむかって波状縁という多数の突起をのばし、そこから水素イオンを分泌し骨を溶かします。そして骨吸収をします。
またカテプシンという酵素により膠原線維も分解します。
破骨細胞は骨基質を溶かして骨の再構築と血中カルシウム濃度の調節に関与する。○×
【答え】○
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破骨細胞は骨基質を溶かして骨の再構築と血中カルシウム濃度の調節に関与しています。
甲状腺の傍濾胞細胞から分泌されるカルシトニンは破骨細胞の働きを抑え、骨吸収を抑制し、骨形成を促進させます。そして、血中カルシウムイオン濃度を低下させます。
一方、上皮小体から分泌されるパラソルモンは、破骨細胞による骨吸収を促進させます。骨のCaをCa2+として血中に遊離させカルシウムイオン濃度を上昇させます。
また、破骨細胞により吸収された部分には骨芽細胞集まり、骨の再構築が行われます。このようにして、破骨細胞は骨の再構築と血中カルシウムイオン濃度の調節に関与しています。
破骨細胞が骨を溶かしだすことを骨吸収という。○×
【答え】○
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破骨細胞が骨を溶かし出すことを骨吸収といいます。上皮小体からのパラソルモンの働きにより促進されます。
■ 骨の構造
骨質は表層の(A. 質)と内部の(B. 質)に分けられる。
【答え】A. 緻密質 B. 海綿質
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骨質は表層の緻密質と内部の海綿質に分けられます。
骨幹部では緻密質が厚く、海綿質は薄いです。そして内部には髄腔といわれる空洞となっています。
骨端部では緻密質が薄く、内部は海綿質で満たされています。
骨幹部内部の髄腔にも骨髄はありますが、海綿質の骨梁の間にも骨髄は存在しています。
海綿質を構成する骨質の薄板を( )という。
【答え】骨梁
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海綿質を構成する骨質の薄板を骨梁といいます。
骨梁の間にも骨髄は存在しています。
緻密質は(A. 部)で厚く、(B. 部)では薄い。
【答え】A. 骨幹部 B. 骨端部
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緻密質は骨幹部で厚く、骨端部では薄くなっています。
骨は、関節軟骨におおわれた関節面を除き、( )に包まれる。
【答え】骨膜
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骨は関節軟骨におおわれた関節面を除き、骨膜に包まれています。
骨膜には知覚神経も豊富に分布しているので、骨に打撃を受けた際には、強い痛みを感じます。
骨膜の細胞層は、主に休止期の骨芽細胞が並んでいます。
骨膜は骨を保護すると同時に、骨の太さの成長に関わります。
骨膜から分かれた( 線維)が骨質に直角に侵入し、骨膜を骨表面に固着させる。
【答え】シャーピー線維
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骨膜から分かれたシャーピー線維が骨質に直角に侵入し、骨膜を骨表面に固着させます。
シャーピー線維は、歯根膜と歯を固着させるはたらきもあります。歯根膜から線維が分かれ、歯根のセメント質に侵入していて歯を固定します。
長骨の長軸に沿うように縦に(A. 管)が、長軸と交わるように(B. 管)が走る。骨質に分布する血管は、このふたつの管の中を走行する。
【答え】A. ハバース管 B. フォルクマン管
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長骨の長軸に沿うように縦にハバース管が、長軸と交わるようにフォルクマン管が走っています。
骨質に分布する血管は、このふたつの管の中を走行します。
ポイントはハバース間のほうです。ハバース管は「バー」と伸びるから長い方です。
ハバース管を中心として同心円状に並ぶ骨層板をハバース層板という。このハバース管とハバース層板を合わせて( ( )) といい、骨組織が作られる単位となる。
【答え】骨単位(オステオン)
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ハバース管を中心として同心円状に並ぶ骨層板を
ハバース層板といいます。
このハバース管とハバース層板を合わせて骨単位(オステオン)といい、骨組織が作られる単位となります。
ハバース管を中心としてバームクーヘンのように骨が作られていくということです。
長管骨の骨幹部にみられる( 孔)から骨を養う血管が進入する。
【答え】栄養孔
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長管骨の骨幹部にみられる栄養孔から骨を養う血管が進入します。栄養孔より入る動脈は、髄腔や、髄腔面より緻密質の内部を栄養します。
この図にはありませんが、骨の外表面から骨膜と緻密質の外表部を栄養する動脈もあります。
このように、緻密質は外と内からの2系統の栄養を受け、骨幹端や骨端はそれぞれに分布する動脈から栄養を受けます。
そして、骨幹端や骨端はそれぞれに分布する動脈から栄養を受けます。
■ 骨の発生と成長
骨の発生には( 骨化)と( 骨化)の2つの様式がある。
【答え】軟骨内骨化と膜内骨化
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骨の発生には軟骨内骨化と膜内骨化の2つの様式があります。
軟骨内骨化は一般的な骨化様式で、ほとんどの骨は軟骨内骨化でつくられます。
まず、軟骨で骨の原型がつくられ、それが骨化することにより骨となります。この様式で作られる骨を置換骨といいます。
膜内骨化は特殊な骨化様式です。特殊で限られるものは確実に覚えましょう。
膜内骨化では、結合組織性の膜内にそのまま骨が直接作られます。この様式で作られる骨を付加骨といいます。
膜内骨化で作られる骨は、頭蓋冠を構成する前頭骨、頭頂骨、側頭骨、後頭骨、そして上顎骨、下顎骨、鎖骨です。
【軟骨内骨化】
(1) 軟骨内骨化では、まず軟骨で骨の原型がつくられ、次に骨の原型の骨幹部に相当する軟骨膜の細胞が( 細胞)に変わり、内側に向かって骨を作り始める。
【答え】骨芽細胞
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軟骨内骨化では、まず軟骨で骨の原型がつくられます。
骨の原型の骨幹部に相当する軟骨膜の細胞が骨芽細胞に変わり、内側に向かって骨を作り始めます。
これにより「骨のさや」ができます。
(2) 軟骨のさやに固まれた中央部の軟骨は変性・膨化し基質に石灰化(カルシウム沈着)が起こり、( )となる。
【答え】一次骨化点
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軟骨のさやに固まれた中央部の軟骨は変性・膨化し基質に石灰化(カルシウム沈着)が起こり、一次骨化点となります。
(3) 遅れて骨端でも、軟骨の変性、石灰化が起こり、二次骨化点が生じる。2つの骨化点にはさまれた軟骨層は、( 軟骨)として、成長期が終わるまで、生後も分裂増殖を続ける。
【答え】骨端軟骨
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遅れて骨端でも、軟骨の変性、石灰化が起こり、二次骨化点が生じます。2つの骨化点にはさまれた軟骨層は骨端軟骨として、成長期が終わるまで、生後も分裂増殖を続けます。
(4) 軟骨内骨化によって生じる骨は、軟骨が骨に置き換わっていくので( 骨)という。
【答え】置換骨
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軟骨内骨化によって生じる骨は、軟骨が骨に置き換わっていくので置換骨といいます。
■ 膜内骨化
膜内骨化は、結合組織の膜内で間葉細胞が集まって骨芽細胞に分化し、直接骨化が始まる。膜内骨化で形成される骨7つ
( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )
【答え】前頭骨・頭頂骨・側頭骨・後頭骨・上顎骨・下顎骨・鎖骨
膜内骨化は、結合組織の膜内で間葉細胞が集まって骨芽細胞に分化し、直接骨化が始まります。
膜内骨化で形成される骨7つは必ず覚えてください
頭蓋冠(前頭骨・頭頂骨・側頭骨・後頭骨),
上顎骨・下顎骨, 鎖骨
これは、なにかいいゴロとか無いかな??と探してみたのですが、イマイチなんですよね。これはもう触って覚えた方が楽です。
頭蓋冠と上顎・下顎・鎖骨
頭蓋冠と上顎・下顎・鎖骨
膜内骨化では生じる骨は( 骨)という。
【答え】付加骨
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膜内骨化では生じる骨は付加骨といいます。
ところで、生まれたばっかりの赤ちゃんは、頭蓋骨が癒合していなく、大泉門や小泉門といった「泉門」があるのはご存じかと思います。
成長とともに、泉門は閉鎖するのですが、あれこそ膜内骨化そのものですよね。
泉門が膜内骨化によって閉じるのかとわかれば、頭蓋冠が付加骨であることも記憶に定着すると思います。
■ 関節
関節では骨と骨とが関節腔を隔てて可動性に連結する。2つの骨の骨膜は互いに連なり( )となる。
【答え】関節包
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2つの骨の骨膜は互いに連なり関節包となります。
関節腔に面する骨表面は薄い軟骨層、すなわち( 軟骨)でおおわれる。
【答え】関節軟骨
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関節腔に面する骨表面は薄い軟骨層、すなわち関節軟骨でおおわれています。
関節包は骨膜より続く密性結合組織の(A. )と内側をおおう疎性結合組織の(B. )とからなる。
【答え】A. 線維膜 B. 滑膜
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関節包は骨膜より続く密性結合組織の線維膜と内側をおおう疎性結合組織の滑膜とからなります。
滑膜は( 液)を分泌し、関節運動の際の摩擦や抵抗を減じる潤滑油として働くとともに、関節軟骨に栄養を供給する。
【答え】滑液
滑膜は滑液を分泌し、関節運動の際の摩擦や抵抗を減じる潤滑油として働くとともに、関節軟骨に栄養を供給します。
関節腔内には( 軟骨)でできた関節半月や関節円板が介在することがある。
【答え】線維軟骨
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関節腔内には線維軟骨でできた関節半月や関節円板が介在することがあります。
関節面を適合させ、移動や変形により関節面を広げて、関節運動の衝撃をやわらげるのに働いています。
関節円板は( 関節)や( 関節)、( 関節)、( 関節)にみられる。
【答え】顎関節、胸鎖関節、肩鎖関節、橈骨手根関節
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関節円板は顎関節、胸鎖関節、肩鎖関節、橈骨手根関節に存在します。
肩鎖関節の関節円板は不完全なことが多いとされています。
関節半月は( 関節)にみられる。
【答え】膝関節
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関節半月は膝関節にみられます。
内側半月と外側半月の2つがあります。
【血液】
ここから先は
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かずひろ先生の【徹底的国試対策】解剖学
あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師をはじめ、柔道整復師、理学療法士・作業療法士や看護師、医師を目指す方々の解剖学国家試験対策のマガジ…
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