子供時代が無い私は、歪で奇妙な未完成品
起業家という道を経て、今は作家を夢見て執筆活動に明け暮れる橋本なずなです。
昨日「 ミステリと言う勿れ 」の映画を観てきました。
母が整くん(菅田将暉が演じる主人公)のファンで、私は付き添いで。
母と映画を観に行くのなんて何年振りだろうと思いながら、館内は暗くなり大きなモニターには本編が流れはじめました。
ネタバレしないよう気を付けて書きますが、本作を観た私は、自身が幼い頃に欲しかったものに気付く事ができました。
いや、気付くというか 再認識 ですね。それについて考えるのは初めてではありませんでしたので。
———「 子どもの心は固まる前のセメントの様に、落ちた物の形がくっきりと残るんです 」と、整くんは言いました。
子どもの目に映る世界、聞こえる音や声、言葉。
子どもは馬鹿じゃないから、きちんとそれらの情報を受け取っています。
本作の準主演となる女子高生・狩集汐路は、狩集家の相続問題を巡り、心に闇を抱えていました。
映画もクライマックスになった頃、整くんが汐路に対して「 あなたはまだ子どもだから 」と言いました。
この台詞を聞いた時、私はふと映画の中から現実世界に引き戻されました。
『 あぁ、それ… 私も欲しかったやつだぁ 』と思ったから。閉じていた記憶や感情が、沸騰したお湯のようにブクブクと煮立つような気がしました。
人は皆 “子供時代” があって大人になると思っているけれど、私には子供時代なんて無いに等しかった。
お酒に酔って暴力を振るう父と、母親と女の顔も持っていた母、母を虐める祖父母たちとその首謀者の兄。
10歳の少女に性加害をするおじさんと、怠惰な学校の大人たち。
私が過ごした幼少期。まだ固まっていないセメントには、色んな人の形が残されました。
私はただそれを見ていて、それから自分はどう立ち回るべきか、何を必要とされているかを考えるようになりました。
「 自分がどうしたいか 」ではなく「 自分は何をすべきか 」と、考えるようになりました。
人の役に立ちたくて、求められたら応えたくて、そのせいで “子どもらしさ” を犠牲にしていたと気が付くのは、それから十数年が経った頃でした。
だから私は中学生の頃には既に「 大人びているね 」「 若いのに落ち着いているね 」と言われていました。
それに私もまんざらでもない様子で『 ありがとうございます 』なんて返事をしていたけれど、本当はどうだったんだろう。
本当は何と言い、何と言われたかったんだろう。
ねぇ、なずなちゃん。
10歳の… いや、もう少し幼い9歳のなずなちゃん。
お父さんとお母さんがお別れすることに、本当は何と言いたかった?
母を虐める祖父母や兄に、本当は何と言いたかった?
『 やめて 』『 仲良くして 』って言いたかったね。
それから自分は何をすべきかと考えるようになった頃に、本当は何と言われたかった?
母に、学校の先生に、周りの大人たちに、本当は何と言われたかった?
『 あなたはまだ子どもだよ 』って言われたかったね。
子どもでいさせて欲しかったね。子どもでいることを許して欲しかったね。
もっともっと甘えたかったし、もっともっとワガママになりたかったね。
9歳のなずなちゃん、あなたはあまりにも早く大人になることを求められてしまったんだよね。
子供時代が無いに等しい私は、現在23歳。
他の人と変わらない一般的な人間の形をしているけれど、その心は非常に歪だと思います。
奇妙だと思います。未完成品だと思います。
だから私は今でもずっと子どもになりたいと願っていて、
欠けた記憶の補完をする為に人を愛してみたり、痛みを分かち合ってみたりしているのかもしれません。
当時9歳のなずなちゃんを子どもであると認めてくれる大人が一人でもいたならば、今の私はどうなっていただろう。
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