死の余韻 / アイドルの対義語
起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指している橋本なずなです。
死の余韻
母を想う、夕暮れを待つ初盆。
母が亡くなったという事実に、今も時々驚いている。
「 えっ、死んだってことは・・・もう会えないってこと? 」と、当たり前の話を繰り返す。
不思議だ。
あんなにずっと側に居た人が、突然、目の前から消えてしまうなんて。
最近思うのは、「 当たり前 」が奪われた時の後悔を、知らない人が多いということ。
“明日” とか “今度” とか “次” とか、何の根拠があって、この先も生きているという余裕を持てるんだろう。
どうしてこの “今” を疎かにするんだろう、と思う。
今を生きていれば、それだけで精一杯になるのに。
アイドルの対義語
“ ア イ ド ル の 対 義 語 ”
朝帰りのタクシーの中、疲れ切った脳内に ふわぁっ と浮かんだその言葉。
その数時間前、友人が言った。
『 “情景が思い浮かぶ” って言うとありきたりやけど、なずなちゃんの文章は臨場感があって、五感にまで響くんよな 』
光だけじゃない、そこに伸びる影までも描く。
作家としてのモットーについて話していた時だった。
少し前のnoteで、こんなことを書いた。
アイドルは、夢を売る仕事。
言うなれば、光だけを見せる仕事だ。
元アイドル志望の私だけれど、アイドルになれなかったのも納得だ。
私は “すべてをさらけ出すこと” に価値を見出していて、それを体現した活動をしている。
私の描く作品に、キラキラとした幻想など存在しない。
あるのは生々しいリアルと、容赦のない残酷な現実だ。
けれども、私はそれを美しいと感じているから今日もこうして言葉を残す。
“アイドルの対義語”、それが私のステートメント。
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