断乳のこと
本当なら、断乳の薬を飲む寸前に最後に一回でいいから授乳したかった。ちゃんとお別れの儀式がしたかった。
毎日毎日母乳をあげるのしんどかったし、面倒くさかったし、自分に色々制限もかけちゃってたから卒乳の日が待ち遠しかったんだけど、止めなきゃいけないとなると、もっとあげて居たかった気持ちで一杯だった。母乳を求める子どもとの戦いが貴重な時間で、かけがえのない時間だったと気付いたのは断乳後。今でも少し寂しい気持ちが残っている。
告知と同時にサクサクサクッと治療が始まってしまったから、流れのままの断乳。この時、子どもは1歳半。子ども側の覚悟なんか出来ているわけがない。納得なんかする訳もなく、荒れ狂う日々で、母乳の代わりに粉ミルクを与えてみたこともあるんだけど、どうにも無理だった。
飲んでくれたのはジュースだけ。何とかそれで落ち着かせて、凌いだ。
結果、ジュースの消費量がものすごく増えた。乳幼児健診でも虫歯になりかけてる、と指摘を受けた。
どうすればよかったのか、今でもわからない。でも、おっぱいがないままの日常は過ぎていく。