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子どもの不登校、まず最初にすることと、しない方がいいこと。


まず、子どもにどうしたいかを聴く。

・休んでやりたいこととかあるかどうか
・困ってることがあるかどうか

聴き方、要注意ですけども。
あと、今までの信頼関係にもよります。
(これからの信頼関係構築をどうしたらいいのかのヒントが不登校には詰まっています)

休んでのんびりしたい、休んでゲームしたい、休んで勉強したい、休んでお出かけしたい、などなど、聴いてみないと分からない。

休んでやりたいことをやればいいんじゃないのかな?と私は思いますが、生活習慣が乱れ、ゲームばっかりになるのを不安に思う方も少なくはないでしょう。

でも、

「休んでゲームしたい」

が罪悪感なく言える親子関係だといいですね~

子どもが、

「これはダメかな・・・」

じゃなくて、
親の顔色を伺わせないような関係性にもっていくのもポイント。

休むことに罪悪感を持たないで欲しいと願っています。

私なら、今だったら~
そうだなぁ~

母「今のところ、いつからいつまで休みたい~?♪」
子「今週一週間くらい・・・」
母「じゃ、1週間経つ前に、次の週はどうするかもっかい聞くねー。一応学校に連絡しなきゃだし♪」
子「うん・・・まだわかんないけど」
母「休んでる間やりたいこととか行きたいとことか食べたいものある?♪」
子「寝たい・・・アイス食べたい・・・」
母「じゃ、ゆっくり寝な~、アイスは一緒に買いに行く?それとも買ってきた方がいい?♪」

母「今のところ、いつからいつまで休みたい~?♪」
子「もうずっと行きたくない・・・」
母「そっか、しんどかったんだね。」
母「休んでる間やりたいこととか行きたいとことか食べたいものある?♪」
子「寝たい・・・アイス食べたい・・・」
母「じゃ、ゆっくり寝な~、アイスは一緒に買いに行く?それとも買ってきた方がいい?♪」
子「買ってきて・・・外に出たくない」
母「困ってることがあったらいつでも教えてね。しんどかったんだね。よく頑張ったね」

ちょっとわかりにくいですが、この会話で何を目指しているかというと

子どもの自己決定の回数を稼ぐ。

ということをしています。

子どもがどうしたいかを聴いてみる。

でも、これ難しい場合があります。
だって、親との信頼関係が揺らいでることもありますから。
信頼関係を回復して、子どもから何でも話してもらうようになるために

しない方がいいこと。

・誘導
・コントロール
・否定
・押し付け

こうして書いてみると、シンプルで当たり前的なことなんですが、多分多くの親はここが躓きポイント、迷いポイント、悩みポイントになってくるかも。

・子どもの自己決定の回数を稼ぐ
・誘導をやめる
・コントロールをやめる
・何があっても否定しない
・何一つ押し付けない

これって、どうにかすると「甘やかしではないか」という気持ちが出てくるし、言われてしまう場合もあります。

でもね、私たち不登校の親の会の声を集めていると、これらと真逆のことをやってみて失敗した体験がたくさん。
それを聴いていたら気付くことがある訳です。
どんな失敗談なのか、具体的なエピソードを聴いてみてよく分かるというか。
早く気付くこともポイントですから、リアル・オンライン問わず聞きまくってみて欲しい。

他の不登校保護者の話しをたくさん聴く。

・身近なところの不登校親の会にリアル参加する
・オンラインやオプチャの親の会にスマホで参加する
・学校や自治体主催の不登校親の会にリアル参加する

不登校の保護者って、実は身近にも全国にもものすごくたくさんいて、そこで話されることって、割と多くの人に共通するものが多いです。

最初は、自分だけ悩んでいるような気持になってしまう・・・
そうじゃないとは分かっていても、実は孤立していてるのが不登校のしんどさの入口です。
もちろん、同じ不登校の親が周りにいても、すぐに誰にでもペラペラと相談できる気分でもなかったりする訳で。

なので、リアルでなくとも話を聴いたり、書き込んだりすることができる場もあるのでおススメです。
不登校の親と情報交換して情報を得ることが、自分はもちろん子どもの身を守ることに繋がります。

・身近なところの不登校親の会にリアル参加する

・オンラインやオプチャの親の会にスマホで参加する

・学校や自治体主催の不登校親の会にリアル参加する
残念ながら、学校や自治体主催の不登校親の会は、今はまだほとんどの自治体で開催されていません。
私も自分とこの自治体に働きかけはするんですが、あんまりピンとこられてなくて・・・
なので、多くの人が学校や教育委員会の人にこんな風に尋ねていただくことが種まきになります。

「学校や教育委員会主催で、不登校の保護者が集まって話せる懇談会のような場はありませんか?」

是非、担任の先生に聞いてみてください。

行政が情報提供や場を設けてくれればいいんですが・・・
まだほとんど整備されていないのが現状です。
そうなってくると、悩める保護者が路頭に迷い、つい高額の不登校支援サービスに振り込みをしてしまうということも起こります。

不登校ビジネスの良し悪しの見極め方

いつの世も人の悩みに漬け込むビジネスがあるもので、こうして不登校情報を検索していくと見分け方もポイントになります。
もちろん、お金がかかっても、内容の良いサービスや必要なサービスを提供してくれる会社もありますが、購入してみないとわからなかったりするので、見極め方のポイントを挙げておきます。

・短期間で変化がある、解決する
・不安をあおる
・アドバイスやメソッドを多用
・治る、改善、解決

全部が全部そうとは限りませんが注意が必要です。大人は最初、子どもを学校に戻すことや居場所に繋げることを急ぎがちですが、不登校はある意味子どもの生存戦略とも言えます。短期間で解決するようなことなら、既に不登校は現象しているはずですから。子どもとの信頼関係を大切にし、不登校ビジネス・宗教勧誘にご注意ください。

子どもも親も段階があることを把握する。

子どもの様子を細かく集めて分類した表です。
何かしらあてはまる部分があると思うので、うちだけじゃないと思うだけでも焦燥感が低くなると思います。

親も段階があると思います。
初期の段階では焦りや困惑、不安や怒りがあったりします。

今、どう感じているのかを客観視したり、紙に書きだしてみてはどうでしょう。

自分たちが何に困っているかを把握する。

・勉強や進学
・日々の生活
・激しい感情の変化
・仕事、金銭面
・生活習慣
・家族のこと
・友だちのこと
・学校との関り

今実際に困っていることや、今はどうしようもないけど不安に思うことなど、具体的に書き出してみる。

子どもと自分は「今どうしたいか」をまとめる。

子ども
・ゆっくり休みたい
・勉強したい、したくない
・おでかけしたい、したくない
・いじめや人間関係(友達・先生にど)のことで行けない場合、解決したいか、今は考えたくないのか
など
※根掘り葉掘り聞かない。


(子どもにさせたいことではなく、あくまで自分)
・子どもとしたいこと
・学校にして欲しいこと
・今困っていることがどうなるといいか

「今どうしたいか」を学校と教育委員会に伝える。

どうしたいのかを整理して、

「子どもが不登校になった場合、うちの市ではどんな支援がありますか?
学校が対応できるかできないかに関わらず、うちの市でできる不登校支援全てを箇条書きでいいので教えてください」

と学校や教育委員会に伝える。
全国的に、不登校対応は『個別対応』『その都度対応』が主流で、困った時にその都度対応してもらうようなことが多いですが、「困る前に知りたかった」ということもあります。
どんな支援があるのかを出してもらうという働きかけを、多くの人がすることによって、種まきになります。

実は、不登校支援ができているつもりでできていない、情報の乏しい自治体も多いのが現実です。

また

いじめや人間関係で学校に行けない場合、子どもが解決を望んだり、問題意識を学校に持ってもらいたいと子どもが望んでいるなどがあれば伝える。
子どもが解決を望んでいない場合は、今はそっとして欲しいようですがと前置きをして出来事の事実を伝える。
話したことをメールでも送って形に残しておく。

お手紙の受け渡し方法、電話連絡や家庭訪問の頻度など、学校とのやりとりや、給食費、教材費、PTAをどうするのかなど、全く学校に行かなくなってきた時は、お金のことを整理する必要も出てきます。

多様な学びプロジェクトさんが作られた、学校への依頼文フォーマットも便利です。
記入して、先生に渡しましょう。

学校がどう対応してくれるのか観察する。

どんな支援があるのか箇条書きにしてもらう・・・
というのがそもそも不可能な場合もあります。

「この支援を受けたいんですが」と伝えても、「うちの学校ではできません」とか「空きがなくてできません」ということもあります。

どうだったら可能なのか聞いて、お願いしたことに対してどう返してくれるのか観察してみましょう。

実際のところ、放置される、スルーされる・・・ということも起こります。
これはかなり精神的に痛手です。

そうこうしていると、学校からの手紙も途絶える方もいらっしゃいます。
小6、中3の学年の方は進路のこともあるので特に要注意。
講演会のご案内など、締め切りがあるものは確実にもらえるように工夫が必要です。
自治体主催の不登校保護者のつどいのご案内が、不登校保護者に届かないという、本末転倒な話しもよく聞きます。

「お手紙もらえない問題」はかなり痛手がありますが、学校はそこまでとは思っておられない場合があるので、お互いの信頼関係を保つ意味で最初にどうがいいのか擦り合わせが大切。
(それでも忘れられちゃって、不信感募るケース多数。こういうことを先生に知っておいてもらいたいけれど、なかなか・・・)

次の不登校保護者へバトンをつなぐ。

不登校者数がこんなに増えてはいますが、学校や行政はあまり不登校のことをよく分かっていないという現実があります。
(対応してるつもり。誰でも分かりそうなことしかおっしゃらない。質問しても回答がない)

中には偏見を持っておられる先生もいらっしゃるほどです。

親としては子どものことで精いっぱいなのに、学校が不登校対応をよく分かっていないがために、保護者の負担ともどかしさが増えるという話はよくあります。先生に偏見がある場合、二次被害、三次被害に合います。
先生ご自身も、悪気なく子どもや保護者を傷つけ、よく分からないまま返り討ちに合われるという、誰にとっても良くないことが起こっています。

学校とのやり取りの困りごとを親の会で見聞きしたりして、残念なことにならないように親が学校よりも先回りをして工夫をしなければならない場合もあります。

自分の体験が誰かの役に立つ。

それくらいのモチベーションを持つと、気持ちが少しだけ楽になる場合もあるかもしれません。
もちろん、無理なくですが。
次の誰かが同じ思いをしないで欲しいですよね。

子どもの自己決定の回数を稼ぐと同時に、親自身も自己決定の回数を稼いいって欲しいなと思います。

そうすることで、自分はもちろん「子どもの人権」について自然と分かるようになり、子どもも自分も愛おしいと思えるようになるんじゃないかなと思う訳です。

そうしたら世の中の何が「コントロール」なのか、「誘導」なのかが見えてきます。
「甘やかし」ってのも一体何なのか、自分も世の中も全然よく分かってなかったことと、よく分からないまま、分かったふりしてコントロールや誘導のために使ってたりしていたんだなーというのも見えてきます。

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