CULT OF THE LAMBの考察と解説。~何故主人公は仔羊か。~
Steamで世界的ヒットしている宗教ゲームをご存知だろうか。
このゲームは、カルト教団を作り上げ、信者をその崇拝レベルで異端者を倒し、己の宗教を強化し、さらなる信者を増やしていくアクション&シュミレーションゲームだ。
ただ、このゲームの意味を汲み取るには前提として宗教と魔術、そして異端の概念を知っていなければならない。
それについて少しばかり解説したいと思う。
ネタバレはしない程度に解説。
宗教的解説。
いきなり主人公の仔羊は禍々しい敵によって殺されてしまうのだが…。
どうも彼らは預言者により、今の宗教つまり、「旧き教え」が「仔羊」によって滅ぼされるという預言を聞いた。
それによりその「旧き教え」の司教である4人のボス敵達は滅ぼされてはかなわないと仔羊達を殺していたようだ。
そして主人公もあっさりと殺されてしまうが、敵が言う「異端者」の力のお陰で主人公は生き返り、雑魚敵をどんどん倒してダンジョンを進んでいく…。
さて、場面としてはあっさりと進んでしまうのだが、日本人にとってはこれがどのような場面なのか、一体何を意図されているのか分かりにくい事だろう。
少しこれを解説する。
「仔羊」
勿論皆さんもご存知の、キリスト教信者である。また、隠喩としてキリストそのものでもある。
「旧き教え」
キリスト教以前の土着信仰と考えるのが妥当だろう。
「異端者」
この異端者という表現は、詰まる所、互いが互いの違う宗教を信仰している者に対して使われる。
つまり、敵から見て仔羊は、旧き教えを信仰しない異端者であるし、仔羊から見て敵も、キリスト教を信仰しない異端者である。
「異端者の魔法陣」
旧き教えを信仰している敵達は五芒星を信仰のマークにしているらしい。
それから分かる事は、彼らはグノーシス派を表している可能性が高い。
そもそもグノーシス主義は救済は知恵にあるという考えである事から、キリスト教の神の救済を否定する事にある。
故に当時から異端者扱いであった。
この魔法陣の五芒星に関して言うならば、グノーシス主義であるような、キリスト教に対する異端さを表現する為に用いた可能性が高いだろう。
「旧き教え」と言うという事はキリスト教以前の土着信仰と捉えるのが妥当であるからだ。
「待ち受けし者」
これが今回私がこのゲームの違和感を感じたきっかけになった存在だ。
三つ目で両手を鎖でつながれている。
これは天使の可能性が高い。
天使は、全ての物を見通す為に目が増える傾向がある。
目が多い=救済する人間を常に見守っている。なのだ。
そして代償を求めて、わが名の下に教団を始めよ。と言う。
シンボルマークのちょっとした解説。
この仔羊が進んでいく旧き教えの世界には同じシンボルが何度も出てくる。
例えば硫黄のマーク。(△に十字)
例えば火星のマーク。(♂)
十字に━は普通に十字架。
他にも十字架を表すもの多め。
そして逆五芒星と五芒星。
この逆五芒星で悪魔崇拝を想像するが、なんだか表示の仕方がごちゃごちゃなんだ。
逆だとおもっているようで、正でもあり、それがグルグルと回っている時もある。(回復の泉)
五芒星は自分がどこに向いているかで方向が変わってしまうからわかりずらい。
しかしもし五芒星そのものが大切だと考える宗派なら、方向は関係無いのかもしれない。
それは単に五芒星を人間の四肢と考えているからであって、それが別の何かとするならそれはどの方向でもシンボルたり得るのだろう。
魔術的解説。
儀式は異端者の血肉骨を使用する。
生物系の神様らしい。
信者は儀式に必ずベールを被る。霊障から身を守る大切なものなので偉い。
魔法陣のシンボルマークは己で作る事が出来るのを知っている人からすれば、デザインがシンプルで好き。
タロットカードはどう思いますか?タロット占い師さん。
それは魔術で使うから特に問題ないですよ。
結論。
キリスト教と土着信仰の聖戦を見ているのかもしれない。
どうも主人公はキリスト教の教祖様。
それを手助けしてるのは天使。
禍々しさと愛らしいキャラクターと、たまに地中から出てくる職種にニャルラトホテプ感。
でも宗教を勉強するにはとても良いゲームになりますね。
面白いのでみんなやってみてね。