楽曲紹介「Celebrate」〜I love me, I love you, We love us〜
はじめに
2023年5月28日、楽曲「Celebrate」がサブスクリリースされました!
この楽曲は、僕が理事をしている、世界中の孤児院やスラムで子ども達とミュージカルを作るNPO法人LES WORLDの、2023年春の海外ワークショップのテーマソングとして書き下ろした曲です。
この曲を使って、インド、フィリピン、ネパール、タイの孤児院の子ども達とミュージカルやミュージックビデオを子ども達と共創してきました。
楽曲のテーマは「I love me, I love you, We love us」。
まずは自分を愛してみよう、そして目の前の人を、そして自分を含めたみんなを。
なかなか難しいことだけれど、歌って声に出してみたら、その時だけでもそう思えるんじゃないだろうか。
そんな思いで、このテーマのもと曲を書き始めました。
ということで、この記事はこの曲の紹介や、制作の裏話を書いていきます〜!!
楽曲の視聴は各種サブスク、YouTubeにて!
①Celebrateはこんな曲!
楽曲のテーマは「I love me, I love you, We love us」。
海外ワークショップというのは、海外の孤児院やスラムで子ども達とミュージカルを10日間で共創するというものなので、子ども達に何かを与えるとか、届けるという感じとはまた違います。
僕らと子ども達で、誰かに作品を届ける、そのために共創するというスタンスです。なので、この曲も子ども達に向けたものというよりは、子ども達と共に届けたい曲として書き上げました。
この曲を誰に届けたいかというと、「自分が好きじゃない」「自分は人より劣ってる」と思って生きている人です。
そうした背景に、LES WORLDに来る子たちや、支援員として働いている就労移行に来る利用者さんがあります。彼らの多くが「自己肯定感が低い、あまり高くない」のです。そしてこんなことを書いている僕もそう。
でも、人のことは好きだったり、愛していたりします。
僕が卒論で取り扱ったのが「自己肯定感」で、これについての調査を複数調べていると、諸外国と比べて日本は「自分があまり好きではない」「自分は役に立たない」と思っている人の割合が有意に高いということがわかりました。(細かい引用元などは今回卒論の話ではないので、省略しますね)
興味深いのは、家族からの愛は感じているのに、自分への評価が低い人が多いということです。要は自己肯定感を支えるための自己有用感が低いということ。
きっとこの世界には思っている以上に「自分が好きではない」人がいて、そしてそう思う背景は様々です。
だから「I love me, I love you, We love us」という順番にしています。
人やコミュニティを愛したりできることはすごく素敵なこと、だけどその前に自分を愛してみよう、そして自分を含めた全員を愛していこう。
そんな思いを込めてます。
とはいえ、背景は様々で全員に寄り添おうとすると、その分何が言いたいのかわからない曲になるし、刺さるべきところに刺さらない曲になってしまいます。
そこで、この曲ではある意味無責任に、シンプルに
「自分はあなたは僕らは美しい、自分をあなたを僕らを愛してる」と歌い、歌わせる曲にしました。
とりあえず、口に出して言ってみたらいい。
色々背景はあるかもしれないし、それは簡単にわかることじゃないけれど、愛してると口に出してみたら、ちょっとはそう思えたりするんじゃないかなと思います。
そして、そんな本当はシンプルなことを僕らよりも知っている子ども達の声も楽曲に入れました。
自分らしさとかもよくわからないし、自分らしく生きようにも生きづらくて、自分が好きだとなかなか思えない世の中で、
この曲を聴いて歌うときは「自分は美しい。自分が大好きだ」と思える時間になればすごく嬉しいです。
②歌詞和訳
③制作裏話
1.イラストのテーマは「もしも世界中の子ども達が集まって満月の下でお祭りをしたら」
アルバムアートワークは、僕がリーダーをしていたタイのワークショップに参加してくれた、あやめにお願いしました。
最初はタイとネパールとインドとフィリピン感のあるものがあればと伝えたのですが、
改めて曲を聴いてるうちに、
「4カ国じゃなくていろんな国の子達が集まったらどんな感じなんだろう」と思い始めて、
「もしも世界中の子ども達が集まって満月の下のお祭りをしたら」をテーマに描いてもらいました。
なので良くみると肌の色も色々だし、ネパールの旗とか、ランタンとか、提灯とか、ホーリーの粉とか色々見えます!
ちなみにさらに言うと3つのeをハートに見立てて、隠しメッセージもあります。
2.楽曲イメージはRascal flatts「Summer Night」
楽曲を作る上で、今回もディズニーを中心に色々聴き漁りましたが、最終的に一番イメージ作りに参考にしたのは、カーズの主題歌も担当していたアメリカのカントリーロックバンドRascal Flattsの「Summer Nights」でした。
全然曲は違いますが、参考にさせてもらったところがたくさんあるので、聴き比べて「もしや?」と思いながら聴くのも楽しいかと思います!
3.子ども達が歌詞間違えてる
最後のサビ前とかの「Yes, we love us」のところとか、「Yes I love us」って言っちゃってる子がいます笑
最初は消そうかと思ったんですが、あえて間違えたのを残してもいいかなと思いまして。
それくらい自由に歌ってくれていいし、細かいこと気にしないでみんなで楽しく歌える曲っていうのが伝わるかもしれないし、ぶっちゃけIでもweでもそんなに変わらないので笑
気づいたらクスッと笑えるので、気づいた人はクスッと笑ってください笑
4.月に関するイディオム
anagonといえば月というのを刷り込んでおりますが、この曲でもたくさん月が出てきます。
crying for the moon(無いものねだりをする)
reach for the moon(到底無理なことを望む)
この二つは歌詞中に出てくるmoonを使ったイディオムです。
次はなんだか「遠い」ものとして使われがちなようです。
そんな月をなるべく近く感じて欲しくて、
「fill my moon」「fill your moon」「fill our moon」と自分の愛の象徴として、自分が手元に持っているものに感じてもらえる歌詞をサビに置きました。
5.Walt Whitmanの詩「Song of Myself」からの引用
歌詞をまだ作っていなくて、ざっくりテーマだけ決めていた段階の時に、つけたタイトルは「sing myself」でした。
当初は祝うという感じではなく、主張するニュアンスの方をこの曲には強く持たせる予定でした。
で、そこから同じタイトルの曲がどれくらいあるか調べてる中で、アメリカの詩人Walt Whitmanの「Song of Myself」という詩に出会いました。
この詩の最初の文は
「I celebrate myself, and sing myself」
これを見た時に、「celebrate myself」という、自分に愛のベクトルが向いていてそれでいて、祝うという本来、人に向けてすることが主なことを、自分に向けてするというこの文がすごくしっくりきて、そのまま使うことにしました。
walt whitmanのスタンスというのが、これまで自分が書いてきた歌詞とすごく合っていて、そこもまた使わせてもらおうと決めた理由の一つです。
終わりに
また一つ、大事な楽曲が生まれました。
この曲に出会ってくれたあなたに、素敵な時間がありますように!
これからもanagonのCelebrate、ぜひたくさん聴いてください☺️
読んでくれてありがとうございました!