【ユーレイと結婚したってナイショだよ/名木田恵子】
小3の時、ど田舎の市役所出張所の片隅に置かれた図書館代わりの本棚から引っ張り出した1冊。
むしろ女子向けの本なんてこれしかなかったような状態で、祖父母宅滞在中の暇つぶしにと手に取った。
その当時の私は、一輪車やインラインスケートに夢中で、文章を読んでいたのは国語の教科書のみ。
ねだって買ってもらっていた『なかよし』ですら、付録にしか興味がなかったくらい。
そんな私がこの本を手に取ったのは、本当にただの気まぐれだった。
そしてそんな気まぐれは、私の人生を大きく狂わせたのだった。
内容はタイトルそのまま、主人公の女の子が唱えた呪文のせいで、幽霊の男の子と結婚する羽目になったというお話。
いかにもおとぎ話ちっくな少女小説なのに・・・
恋とか愛とかわかんないおこちゃまの無垢な心に、
恋のどきどきや切なさを強っ烈に植え付けたんです。
とにかく切なくて、心がざわざわ。
でも読むのを止められない。
そんな不思議体験、もとい、読書の楽しさを教えてくれたのがこの作品。
相手はもう死んでいるわけだから、何をどうしたって結ばれるはずもなく、切なさ必須。なのに読まされる。引き込まれる。
まさに魔力。
今の私にとって、小説を読む上で恋愛要素が入っていることは必須。
しかも、甘酸っぱい片思いや爽やかな青春物ではイマイチもの足らず、
細かい心理描写や登場人物たちを阻む障害が大好物になり、そこにちょこっとファンタジー要素が加われば完ぺき!という、ややこじれた好みを持つようになりました。
人生変ったよね。むしろ性癖狂ったよね。
作者の名木田恵子さんは複数のペンネームを使い分けてらっしゃって、
一番有名なのは水木杏子かなと思います。
あの、『キャンディ・キャンディ』の原作者様であらせられます。(私にとって、ここ最近一番のびっくり案件!!)
そう聞くと再読欲がむくむく〜。
Kindle版が出ているのでまとめ買いしちゃおうかな。