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明日の風に吹かれる前に、妖怪を探しに行こう

人と雲の行く果ては何処だろう
悩み多きものの行く果ては
パノラマの島のあの上にある
月の裏のクレーターかもしれない
──筋肉少女帯「風車男ルリヲ」

ただただ職場と家を往復する日々を続けていると、どうも同じところをグルグルと回っている感覚が強く、奴隷バー(※奴隷が押して回す、何らかの棒。何らかの動力源になっているはず。)を回している感覚がぬぐえない。俺はどこに行くのか?たまに、家にいるのに「帰りてぇ」と呟くときがある。どこに帰るのか?還るのか?分からない。

さて突然だが、先月末、ビッグタイトルのスマホ向けゲームがリリースされたのをご存じだろうか。ガンホーとレベルファイブの共同開発……超大ヒットIPを使った、スマートフォン向け位置情報ゲーム……シリーズに興味がなくとも、耳ざとい人は知っているだろう。

そう、「妖怪ウォッチワールド」だ。

いいゲームだなあと思って遊んでるんだけど、いかんせんTwitterの観測範囲での知り合いで俺以外遊んでる気がしないのがさみしいので、今回ちょっと紹介記事を書くことにした。(Twitterで絡みがある上に、超遊んでるが!??!という人がいたら申し訳ない。友達申請させて欲しい。)

基本的に体験したことベースで書くのでガチの攻略記事でないことは……まあ、自明ということにさせて欲しい。

基本的にどういう人に向けて書いてるかというと、

「妖怪ウォッチ?世代じゃないっていうか、そもそもキッズ向けでは?」

とか

「これニュースで読んだわ、妖怪ウォッチGO!ポケモンGOの二番煎じっていうか、柳の下のドジョウだろ?」

とか思ってる人に向けて書いているつもりだ。正直なところ俺も、もともと妖怪ウォッチ自体に多少の知識はあった程度で、そういう視点から入ったのは否定しない。

ただ、それはそれとして、明確に別の強みというか、面白いポイントがいくつもあるので、そこを紹介し、あわよくばプレイ人口を増やせないものかと、そういう魂胆が俺にはあるのだ。まあ、そうでなくとも面白いなと思っていることを紹介するのはそれ自体楽しいので、読む人も「ソンナンアルンダネ」くらいで読んでくれるとありがたい。

既リリースから1か月が経とうとしていて、注目も大きかったからプロの人とかも紹介記事を書いているものの、俺は俺のフレッシュな感情と、とにかく遊んだ感想が書きたいので、もうとにかく記事にした。

ということで、紹介していく。面白いポイントは俺が思うに、二つある。

1.妖怪、面白い

2.国内旅行感

順を追って説明する。

1.妖怪、面白い。

妖怪ウォッチワールドは、妖怪と戦って勝ったり、ガチャの筐体から救出(欺瞞?いいえ、3DSのゲームでもあるシステムです……)することで友達になり、友達の証としてもらえるメダルをコレクションするゲームである。妖怪ウォッチ(腕時計の方)にそのメダルをセットすると自動的に召喚術式が組まれるので、友達になった妖怪はいつでも自由に呼び出せる……というところまでがほぼワンセットだ。

「知ってらぁ!」という人、俺だって知ってるうえで書いてるんだから、落ち着いてほしい。俺も正直、アニメくらいでしか知識がないから、念のため書いてる。ゆるして。

で、何がキモかというと、妖怪は「身の回りに起きる問題」みたいなのがモチーフになっていることが多い。とり憑かれると屁が止まらなくなる、誤字脱字が止まらなくなる、「ほっといてほしい」と言いつつ構ってアピールが止まらなくなる……などなど。俺が雪女とか九尾の狐に欲情しているのも、多分間接的には妖怪の仕業なのだ。(そうだね。)

……だから、いわゆるソシャゲ的には雑魚の妖怪にもそれぞれ存在感があり、集めるのがめちゃくちゃ楽しい。特に名前が楽しい。

俺の戦闘パーティのエースである「へこ鬼神」は顔がお尻のキュートな妖怪で、相手に屁をかけて攻撃するのだが……屁のあまりの臭さに敵が錯乱する、という設定でいわゆる「混乱」のバッドステータスを撒ける。この能力のおかげで格上のいかつい妖怪が「臭すぎる!」というセリフとともに自分をぶん殴って退場……という光景がしばしば拝める。

後は純粋に、シリーズもナンバリングタイトルが3作に、派生タイトルも出ている作品なので、変なダジャレ名の妖怪の層がやたら厚い。情けないデザインの鳥「ブカッコウ」と「トホホギス」なんかは、ドラクエでいう「やまたのおろちとヒドラ」的な別レアリティの色違いなんだけど、それぞれ名前が面白いから良いやって感じになる。

2.国内旅行感

国内旅行……したことあるだろうか。あるよな。
自分の住む地域を離れ、言葉の通じる、それでいて全然売りにしている食べ物や、ランドマークが違う土地へ……同じ日本なのに、意外と知らないことが沢山あるなァ……そんな国内旅行だ。

個人的にそこがこのゲームの肝だと思うから、ガッチリと紹介したい。

前提として、ざっくり妖怪ウォッチの設定の骨子と、その設定を見事に位置情報ゲームにアレンジしたところから説明する。

妖怪は「人にとり憑く」ものであり、先ほども言った通り人間社会に潜むひずみとか……ちょっと不思議な機微とかを戯画化した、非常にソーシャルな存在なのだ……。つまり、「人がいるところにいる」。

それを位置情報ゲームのシステムに落とし込んだのが、「ヒョーイ」というシステムだ。これは、自分が友達になった妖怪を、GPSで近くにいる別のユーザーに渡す(=ヒョーイさせる)ことができるシステムだ。

そして、その妖怪をヒョーイさせたユーザーが移動した(妖怪を持ち歩いてもらった)距離の分だけ自分に経験値が入ってくるし、移動先の妖怪と戦って友達にすることができる。かたや、ヒョーイされた側は自分のところに来た妖怪と戦い、あわよくば友達にできる……そういうシステムなのだ。

このシステムでどういうことが起きるかというと、「長距離移動するユーザーは妖怪に沢山ヒョーイされる傾向にある」ということで、実際自己紹介文に「これから北海道に帰省します!」とか「営業職です。日中の車移動多め。」とか「茨城~首都圏毎日通勤(´・ω・`)」みたいなことを書いている人のヒョーイ枠はたいてい埋まっていることが多い。

ユーザーネームの下に、よく行くエリア(最小で区単位)が表示されるが、都内では23区のユーザーは人気がなく、例えばちょっと隣の県から来てる人は人気だ。非常に都市的なシステムのようで、この辺のバランスも面白い。

で、ここからが本題なのだが、つい2週間前、帰省する友人についていって羽田空港に遊びに行ったとき、俺は電撃的に閃いた。「これ、妖怪を長距離移動させるチャンスでは!?」思いつくなり空港で北海道、九州、そういう場所がホームグラウンドっぽい人にヒョーイを投げまくった。

だが、そういう人は、たいてい既に東京から大量の妖怪を持ち帰る使命を帯びている人であることが多く、枠が埋まっている人ばかりだった。考えてみれば、もうあと現地向かうだけだから空港にいるわけで、無念……

と思ったが諦められず、友人の見送りが終わった後も2時間くらい空港で妖怪のヒョーイを続けたら、ついに俺の「へこ鬼神」が福岡に、「ふぶき姫」が秋田に、「旅コマさん」が島根に移動していた。夜の空港の屋上で、俺は小躍りした。

そうして2週間が経ち、まだ俺の妖怪は九州、東北、中国地方と、東京から600km離れた人にヒョーイし続け、その土地の妖怪と戦う機会を俺に与え続けている。(厳密には、最初にヒョーイした人を経由して現地に「妖怪の木」を植えて、それをアンテナとして利用して再ヒョーイする……という手順を踏んでいるのだが、説明が面倒なので割愛する。)

都内を延々とウロチョロしてばかりの俺には、ちょっとよくわからなくなるスケール感だ。先月に大阪に旅行に行ってきたばかりだが、距離的にはあっさり先を越されてしまった。リリース記念でプロモーションカード的に配られた「旅するジバニャン」が教えてくれるように、このゲームの本質は「旅」なのだ。

地図がGoogleマップから出力された丁度いい感じの3Dモデル地図なので、その土地の建物の名前とかがジャンジャン書いてあって、俺の妖怪が、実際に現地にいるイメージがわきやすい。博多に行ったジバニャンがキャナルシティの近くにいることが分かったとき、ちょっと去年の福岡旅行の記憶が蘇ったりした。

そうして妖怪が長い旅(最長30時間ほど)を経て、移動距離とセットで「お土産」を持ってきてくれることがあり、それもまた泣ける。島根のお土産って、なんかあるンすかと思ったら勾玉をもらったし、東京から帰ってきた妖怪からはもんじゃ焼きをもらった。

当然、コレクションすることができるし、初回取得日なんかも記録される。自分の妖怪が行ったこと場所は色がついて、全国地図を埋めたパーセンテージも表示される。(※日本国外はたぶん未対応)

そうして、たまに、集めたお土産とか、地図に色がついた実際には行ったこともない市の名前とかを見て、うっとりするのだ。

難点

良いところばっかり言うのもフェアじゃないので、箇条書きで。

人のいる都市部有利かも(地方の人のプレイレポ読んでないからナントモ)

・位置情報が結構電池食う(位置情報ゲーの宿命)

・妖怪が長距離移動できるかどうかが運しだい(空港近辺はガチ)

・ポケモンGOのような「公園に集合!」的なリアルイベント感はない

・ガチャ用の石に限度がある(ただ、最初のガチャは引き直し可。)

とか、そういうことはある。

やってみよう

まあ悪い癖でごちゃごちゃと長く書いてしまったが、とにかく遊んでみてほしい。

他にも、食べ物系のアイテムのバリエーションがめちゃくちゃある(※シリーズの伝統っぽい)とか、妖怪の名前の冒頭に土地の名前がつく(個人的には習志野で捕まえたワカメくん「習志野ワカメくん」がお気に入り)とか、油断ならないポイントはたくさんあるが、収集がつかない(もうついてない)のでこれくらいにしておく。

冒頭で書いた通り、最近の俺は、基本的に同じところをグルグル回っているような生活で、ほかのソシャゲでも周回とか、結局同じところをグルグルやっている感が否めない(それはそれで楽しんでやっている)ものの、息抜きでこういうゲームができてよかった。

かなり移動にルーチンがある俺でも楽しいんだから、営業とかで移動沢山する人はもっと楽しいだろうし、そうでない人も、そうでないなりに楽しみ方のあるゲームであることは、この記事で紹介したつもりだ。

ということで、やってみよう。こういっちゃなんだが、ほら、タダだしな……この下に公式サイトのリンクを貼るので、そっからアプリのストアに飛んで……な……

じゃ、そういうことで。

始めた人いたら、友達申請待ってます。既にやってる人も是非。

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