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つれづれつづれ

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#息子

散文 6

唐突に、誰かの夜が欲しくなって、私は本を手に取るのだった。
ここではない、どこかへの、静かでささやかな旅。

隣では、夢と現の狭間を彷徨う息子が、何やら不思議な舞いを舞っている。
まだちいさな彼は、自分の両手が布団につくその衝撃に驚いてしまうのだ。

両手が布団につくたびに、ビクッとし、また両手を上げる。

薄く目を開いて、時々にやりと笑ったりするもんだから、もうこれは起きているのではないかとひや

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