最近読んで面白かった本を軽くまとめる:11/1~/30
こんばんは。あんどーなつです。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、2018年11月に読んで面白かった3冊を紹介します。今回からヘッダーを紹介する本にしてみました!参考になれば幸いです!
1冊目はクリエイティブな仕事をしている社会人の方に、2冊目は独り暮らしを始めてご飯どうしよう…と悩んでいる独り暮らしビギナーの方に、3冊目はマーケティングのフレームワークにうんざりしている社会人の方とコンサルタントや経営者になりたい就活生におすすめです。
アイディアを考えることを仕事にしている人向けに、アイディアを思いつき、広げるのに役立つ道具=「考具」を紹介し解説している1冊です。起業家のけんすうさんが↓のツイートで絶賛していたので読みました。
本書はタイトル通り、計26個の「考具」を紹介しています。紹介されている「考具」を私なりに分類してみると
・思考の条件を絞る考具
・(質はさておき)アイディアの量を出す考具
の2種類になると思います。
「思考の条件を絞る考具」は例えば、色を絞る「カラーバス」であったり、誰かになりきって考える「七色インコ」が挙げられます。
「アイディアの量を出す考具」としては、なんとなく気になった日常の事柄をメモしていく「ちょいメモ」や、放射状に考えを記していく「マインドマップ」であったりが挙げられています。
アイディアは【条件×量】で思いつけるんだ!と分かるだけでも、この本を読む価値があるのではないかと思います。
さて、具体的な考具の使い方は本書に譲るとして、私が個人的に面白いなーと思ったのは以下の2つの点です。
1つ目は、「思考の条件を絞る考具」の条件の付け方が極めて具体的かつマニアックであるところです。特に私が好きなのは「カラーバス」で紹介されていた条件です。
13時までに5案考えなければならないけど、2つしか思いついていない…って日もあります。カラーバスはそんなときにも効果を発揮します。
朝、家を出る前にその日のキーワードを決めます。普段使いでは気の向くままでよかったのですが、さすがにそれだと不安。抱えている課題に絡んで3つぐらいに決めます。
ダイエットに関する書籍を売るための方法を考えなくてはいけない場合は、「本のタイトルに使われている言葉」「その本の表紙の色」、ダイエット後の自分を想像して「棒のようなやや細くて長いもの」とか。
仕事術系のビジネス書で、カラーバスを利用した思考法に言及したものはしばしば目にしますが、「棒のようなやや細くて長いもの」を見つけようと書いてある本は考具が初めてでした!このマニアックさ堪りませんね!!
筆者曰く、カラーバスを使う「コツとしてはあまり真正面から決めないこと。」なんだそうです。「ちょっとだけ外しておくと、意外に集まりがいい」と太字で書いてあるので、この外し方がマニアックな例に繋がっているのだと思います。マニアックさから、筆者が長年カラーバスを使って考えているのが伺えて、私はとても興味深いと思いました。
もう1つ面白いなと思ったのは、最後にアイディアを企画に落とし込むために必要な考え方を説明しているところです。第4章で説明されています。
アイディア単体では、まだまだ夢物語であって、そのままでは実行できないことも多くあります。いくら面白くても予算のつきようがありません。アイディアのエッセンスはそのままに、現実に実現可能なプランを落とし込んでいきます。
アイディアなくして企画なしなのですが、実務においては、アイディアは企画になっていないと「使えない」のです。(中略)
それが企画であり、実現可能なまでに煮詰めた情報が入った書類を企画書と呼ぶのです。
この章から筆者はクリエイターでありながらも、ビジネスマンであることが強く伺えて私は親近感がわきました。この章が設けられていることによって、「読んだけど私にはできない」ということがなくなると思います。
著者もそのことを心配しているのか、『ここまで本を読み進めてくれたあなたにとって最大の問題は、「読んで、分かって、やらないこと」。』と述べています。本書を通して感じられることですが、この本は読者が実際に考具を使うときを想定して、極めて具体的に例が書かれています。
ビジネス書の多くは抽象的な言葉で概念を説明しており、モチベーションは高まるものの、実際の行動に移すは難しい場合があります。
繰り返しになりますが、本書はそうではありません。筆者の経験をもとに、マニアックで具体的な例がたくさん示されています。ですから、ビジネス書が苦手だわ~という人にもぜひ読んでほしいと思います。
面白そうだと思ったら↓
Twitterでどなたがリツイートしたのを目にしたので読んだ1冊。何よりもまず、この本が作られたコンセプトが面白いと思います。
世の中には、これから料理を覚えようという人のための本はいくらでもありますね。簡単料理、時短料理のレシピ本も山ほどあります。ですが、これらは「料理を始めよう」という決意と準備が整った人のためのもの。
「料理をするのは今のところ難しいけれど、そりゃ食生活は少しでもより良いものに変えたい、変えていきたい」と願う人にこそ、「こんなことでもOKなんか」というヒント集が必要だと私は思っていました。さらにいえば、「料理ひとつできず、恥ずかしい、情けない」と自分を責めている人も少なからずいます。その自責の念によってさらに自炊から遠ざかるという悪循環。この本は、そんな人たちへの応援歌のつもりで書きました。
本書のはじめにで、このように書かれています。「料理」ときくと敷居が高いと感じてしまう人に向けて「食生活改善スキル」を紹介しているのが本書です。
「食生活改善スキル」として冷凍野菜を美味しくレンジで解凍するコツであったり、レンジだけで出来るレシピなどが載っています。そんな中でも私が面白いなと思ったのは、スープ作家の有賀薫さんと著者の対談です。(第2章にあたる部分です)
この対談から、「料理」ときくと敷居が高いと感じてしまう人の自炊への抵抗は、私が想像しているよりもずっと大きいものであることを知りました。
・食材が4種類以上あるのはムリ(八宝菜は8種類なのでNG)
・食材を細かく切るのは面倒くさくてムリ(ミネストローネはNG)
・コンビニで売ってない調味料を使うのはムリ(柚子胡椒と豆板醤はNG)
・ラクしたい(玉ねぎは皮をむくのが面倒くさい、ニンジンは煮るのに時間がかかる等)
料理研究家の方には、このような「ムリ」を叶えるレシピが求められるんだそうです。自炊歴4年の私としては、オーブンを使わないとか煮込まないとかそのレベル感よりもはるかに手前で、初歩的な部分で抵抗を感じている人がいるということが意外でした。
他方で、「料理」ときくと敷居が高いと感じてしまう人でも、こんな場合はむしろ作ってみたいと思うそうです。
・「ときめきの食材」が使われている(アボカドや甘酒など)
・包丁を使わない(キャベツは手でちぎり、豚肉はキッチンばさみで切る)
好きな食材で、料理道具を使わないレシピだと作ってみたくなるようです。洗い物が面倒だから包丁を使いたくないという気持ちは私も感じていたのであまり驚かなかったのですが、アボカドと甘酒が使われているレシピだと食いつきがよくなるのは意外でした。
著者は、「料理」に抵抗を感じる人が増えている理由として、「余裕がない」ことを挙げています。
誰しもが時間に余裕があり、調理に興味があるわけではない。そして共働き世帯は増えるばかり。疲れて家に帰ってきて、7種類も8種類も食材を切ったり、皮をむいたりするのは現実的じゃない。
扱う食材が多ければ、それだけごみの量も多くなるし、プロセスの多い料理であれば後片付けする手間も増えるものです。
時間にも気持ちにも余裕がない人が増えている一方で、『SNSで「料理をちゃんとするていねいな暮らし」を見て憧れる』ように潜在的にきちんとした料理をしたいと思っている人も増えているそうです。このギャップがあるからこそ、本書がうまれたわけです。
私はそこに面白さを感じます。ビジネスチャンスってこうやって考えるのかと、マーケティングの観点から読んでも本書は面白いと思います。
料理やってみたいけど面倒だわーと思っている人と新しいビジネスチャンスを探している人はぜひ読んでみてください!
面白そうだと思ったら↓
本書は、マーケティング関連のビジネス書といえば必ず名前が挙がる「ドリルを売るなら穴を売れ」の続編です。
ドリルを売るなら~で主人公を務めた「売多真子」がイタリアンレストランの店長となり、店を繁盛させるための戦略をつくり仕組化するという物語形式のビジネス書です。
本書が面白いのは、設定がとても具体的であるところです。誰しもが想像しやすいビジネスモデルのレストランを舞台としているため、考えるべきことと実行するべきことが理解しやすいうえに、課題も具体的に説明されています。
たとえば、近くに似たようなイタリアンレストランが出来てしまい、売上ががくんと落ちてしまった。このピンチを乗り越えるために、競合分析をするという章は以下のように書かれています。
場面は、主人公の真子が経営コンサルタントの勝(真子の親戚)に相談しているところです。
勝「まずは戦場・競合だな。お客さんはどこからどうやってきてる?電車?徒歩?」
真子「え?ち、近くから、頑張って…?すみません、わかりません。でも何で?」
勝「レストランの戦場は、まずは商圏だ。商圏によって競合が変わる。お客様が歩いてくるなら徒歩圏内の店が、電車で来るならその沿線の店すべが競合だろ?戦場と競合はセットで考えろ」
真子「そうか、隣の駅の店も競合かも…?お客様がどこから来るのかが戦場を決めるのね」
マーケティングに興味をもって本を読んでいると、競合分析は必ずといっていいほど出てきますが、同じ価値を提供する相手としかかかれておらず、具体的な考え方を教えてくれる本は多くないように思います。
本書では「お客さんがどこから来るのか」という切り口から競合を考えています。この考え方は他のマーケティングにも応用できそうですよね?このように本書では具体的なやり取りをしながらマーケティングで考えるべきポイントが解説されています。
とにかく具体的で分かりやすいので、マーケティングに興味がある就活生にぜひ読んでほしいです。この考え方がマスターできればGDやケース問題はきっと怖いものなしだと思います。私も就活始まる前に読みたかった…w
面白そうだと思ったら↓
~Fin~