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めざせ素敵マダム!

帰る道中のバスに、1人のご婦人が遅れて乗って来られました。
バスはもう発車しかけていたのですが、運転士が再停止し、扉を開けてご婦人の乗車を促されました。

お年は、母よりも上のようで、80代後半くらい。
歩き方は少し頼りないけれど、上品なツイードのコートを着た小さくて華奢な背中はピンと伸びています。

乗車してすぐに運転士に、来年からの運賃の値上げについて説明を受けたあと、『ありがとう。あなたはとても優しいわね。良い1日を。』と笑顔でその場を離れました。

バスの後方へ移動される時、ちょうど私の目の前でバスが揺れ、ご婦人が手すりをつかもうと伸ばされた手が十数センチ届きませんでした。
思わず彼女の手を取って、私の隣で空いていた席に座るのを手伝うと、『ご親切にありがとう。あなた本当に可愛らしいわね。』とニッコリ微笑まれたのです。

祖母や母に褒められたような、くすぐったいような、照れ臭いような。
困ったときはお互い様で、当然のことをしただけなのに、彼女のありがとうプラス優しい言葉で、嬉しい気分になりました。

私が先に降車するタイミングで、『さようなら、マダム。良い1日を。』と挨拶すると『あなたもね。』と茶目っけたっぷりに笑顔でウインク。

私も可愛いおばあちゃんになろう!と思いながら今日1日を嬉しい気分で過ごしました。

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