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銭湯の帰りに牛丼を食べた日 第3のリベロ Vol.41
58.9、記録更新。日を追うごとに、体重が減ってきた。数年前には70キロに迫ったこともあったのが、60キロを下回るなど学生時代以来だろうか。これが健康的な生活改善の成果であればいいのだが、多忙のせいで疎かになった食事や、ときに吐き気を覚えるほどの食欲不振の影響であることは、素人目にもわかる。
快晴の土曜日、神戸市垂水区のジェームス山と呼ばれる地域にある「天然温泉月の湯船」に行こうかと思い立ち、自宅から小一時間かけて歩いてみた。道中の木漏れ日や、黄色い花が眩しい。寝湯に浸かり、青空を見上げれば、凝り固まった身体がほぐれていく。これだけ疲弊しても、行ってみたいと思える場所があって良かった。
帰り道、上り坂の先に見えた「すき家」で昼食をとることにした。もう22年も前のことになるが、予備校で浪人生活を送った1年は、昨日が「すき家」、今日は「吉牛」、たまに「松屋」のような日々で、牛丼ばかり食べていた。いま「すき家」の並盛りは430円で、22年前の250円を思えば高くなったが、まだワンコインの範疇だ。牛丼が食べたい、旨いと思える感覚は、これからもずっと忘れずにいたい。
帰宅して体重計に乗ってみると、60.5と表示された。体重が増えて嬉しくなったのは、たぶん初めてだ。