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自分を納得させられるのは自分だけ

好きな映画というのは、不定期にふと思い出したタイミングで繰り返し観たくなるものであり、何度観ても色褪せない感動を得られる。
良い映画はストーリーも去ることながらBGMも印象的だ。
配信主流のこのご時世でBlu-rayディスクとサントラが欲しくなる映画に出会えたら大当たり。

今わが家には映画のBlu-rayが7枚ほどあるはずだが、そのうちの1枚が「Booksmart」である。

2019年公開のこの映画、すこし前までアマプラで再生できたはずなのだが、今確認してみたら配信停止になっていた。
…やっぱり好きな作品はBlu-rayを持っておくに限る。

そんなことを今、京橋からの帰り道、大阪環状線に揺られながら考えている。

Boksmart 公式サイト

Booksmartの主人公は女子高生のモリーとエイミー。
なおわたしも「えいみ」の名で活動しているが、完全な偶然である。

モリーとエイミーは高校時代を勉強に捧げ、申し分のない進路を獲得していた。
ところがハイクラスな進路を決めていたのは彼女たちだけではない。
パーティーに明け暮れてきた、いわゆる「チャラついた」ように見える同級生たちもしれっと、ふたりと同じように輝かしい進路を決めていたのだ。

「わたしたちはあの子たちとは違う」と見下してきた彼・彼女らがハーバードやスタンフォードに進学すると知って、悔しさと憤りがこみあげる。
「なんであいつが…」
卒業式前日のできごとだ。

ふたりは「失った高校時代」を取り戻すべく、呼ばれてもいない卒業パーティーへ参戦を決めるのだが…といったお話。
もちろん、BGMも最高にハイセンス。HipHop、Rock、Lo-Fi風の曲もちらほら。

わたしもふたりのような陰キャ不器用だったから、わかるよ。
「なんであいつが」
「そんなばかな」みたいな気持ち。
本当はキラキラしたい気持ちもどこかにあったけど、どうしたって叶わないから見下すことで自尊心を保っているんだよね。

でもわたしはモリーとエイミーのこともすこし羨ましく思う。
「勉強だけはがんばってきた!」と胸を張っていえるのだから。
わたしが胸を張ってがんばっているといえるものって、なんだろう。


実は今日、いつもお世話になっている先輩方とゆっくりお話しする機会があった。

「えいみさん、まじめにがんばっているよね」と口を揃えて言ってもらえたのだけれど、どうにもむずむずした。
だってわたし、怠けている時間も多いもの。
お酒も飲むし、昼近くに起きる日もあるし、動画やゲームで時間を溶かすし、PCの前にいてもなんかやる気が起きなくてだらだらして過ごしてしまうときもある。

でも「えいみさん、もっと努力しなさい」と言われたとしても、たぶんしんどい。
「いや、わたしがんばってるよね?」と思う気持ちがきっとわいてくる。

実にわがままだ。
でも仕方がない。
自分の24時間365日の挙動を知り尽くしている人は、この世にたったひとり。
自分だけだもの。
人はみな、その人の目に映る「わたし」でわたしの印象を判断しているのだから、自分の認識とズレがあるのは当然だ。

ただひとつ、はっきりといえることは、わたしは自分の現状に満足していないし、それは先輩方にも伝わっているということ。


モリーとエイミーは卒業前夜のひと晩で、高校時代にできなかったこと=勉強以外のすべてを取り戻そうとした。
目いっぱいのおしゃれをして、ちょっと恋もして、遊びつくそうとしたのだ。
きっとその目標は達成できたといえるだろうし、ふたりにとって一生忘れられない体験となっただろう。

結局、まわりからどんな評価をもらっても、自分がやりたいことをやれること、そのプロセスをかみしめることでしか、自分を納得させられないのではないか。
輝かしい進路を決めて先生から褒められたとしたって、やっぱり卒業パーティーに無関心でいられなかったモリーとエイミーのように。


わたしに置き換えるなら、先輩方にアドバイスをもらいながらも、自分で決めた目標を達成すること。
ふたりのように一朝一夕に成し遂げられる目標ではないから、目標へのプロセスも日々スルメのごとくじわりじわりと味わうこと。

怠けちゃう日も、うまくいかない日も、失敗した日も、今日みたいなすてきな日も含めてぜんぶ。



おっと、もうすぐ大阪駅で乗り換えだ。

今日もnoteに足を運んでくださり、ありがとうございました。

それではお聴きください。
映画Booksmartより『Osaka Loop Line』


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