オンライン打ち合わせはオフラインよりぐったりする
右腕がしびれている。変なふうに寝てしまったようだ。
本日3件目のオンライン打ち合わせを終えたわたしは「ちょっとだけ」と目をつぶらずにはいられなかった。まぶたが完全に閉じきる前にタイマーを10分にセットしたはずだが、果たして本当に鳴っただろうか。
はっと気づいたら、この有り様だ。頭が乗っかっていた右腕はしびれていて、顔に変な跡もついている。体感では10分ほどの休憩のはずが、蓋を開けてみたら1時間経っていた。
どうにも、オンラインの打ち合わせというのは、オフラインの打ち合わせよりも消耗する気がする。
オンラインなら移動もしなくていいし、電車の時間を気にする必要もないし、慣れない街で迷わずに打ち合わせの場所までたどり着けるか心配する必要もない。自宅というまさに「ホーム」で参加できるにも関わらず、精神的にも身体的にも負担が大きいように感じる。
年齢とともに体力の総量が減り、つかれを感じやすくなっていることもあるだろう。でも、年齢のせいだけとはやっぱり思えない。(思いたくないだけかもしれないが)
オフィスから会議室への移動、取引先への移動。移動って、多少の体力を使ったとしても、それ以上に気晴らしになっていたと思う。
必要な書類を揃えて席を立ち、必要に応じてジャケットを羽織り、会議室へ向かう。すこしの距離でも体や脳みそには刺激になるし、「いつものデスク」とは違う風景もまたリフレッシュになる。
もし外を移動するのなら、街の空気、音、風景が五感を刺激してくれる。
オンライン打ち合わせだと、それらがひとつもない。
せいぜい自宅のなかでお手洗いに行ってちょっとキッチンで飲みものを準備してくるぐらいか。下手したら打ち合わせの直前までPCに向かって別の作業をしていて、時間になったら画面を切り替えるだけということもある。
さらに、オフライン以上に無意識に頭を使っていると思うのだ。
オンライン独特の微妙なタイムラグとか、同じ空気を共有できていないからこその、間のとりづらさ。
発話のタイミングがかぶってしまったときもオフラインより気まずいし、基本的に胸から上しか映らないし、視線もどこを向いているのかわからないから相手が集中しているのか否かがわかりづらい。
オフラインなら、デスクの下で貧乏ゆすりする足や所在なげにペンを回す指先、時計ばっかりみている視線もすべてまる見えだ。
でもオンラインだと、相手はわたしをみているつもりでも、それはディスプレイの左上だか右下だか、どこかに四角く映っているわたしをみているだけで、わたしからすれば本当にわたしをみているのか、よそ見をしているのか、わからない。
この状態で会話をしているって、けっこう負担だと思うのよね。
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たとえば電話ならもともと音声しか情報がないから「そういうもの」と割り切って会話ができるけれども、オンライン打ち合わせは中途半端に情報が多いから逆にストレスがかかる気がしてならない。
電車のなかで誰かのイヤホンからの微妙な音漏れとか、隣の部屋から聴こえてくるテレビ番組っぽい音がやたら気になって不快になるのと似ている気がする。
たしかになんらか音は聴こえてくるし、ロックっぽいとかヒップホップっぽいとか、ドラマだな、バラエティっぽいなというところまではわかっても、全貌はわからないモヤッと感。
オンラインの打ち合わせも、相手の顔は映っているが本当に打ち合わせに参加しているのか、参加している「ふう」なだけで本当は別モニターで別のものをみているのかまではわからない。
ある友人はオンライン打ち合わせ中に画面OFFにして昼寝しているといっていたし、別の友人はデュアルディスプレイでNetflixを観ているといっていた。
…画面の向こうでは実にいろいろなことが起きている可能性がある。
相手は今本当に資料をみているだろうか。画面をみているだろうか。話を聴いているだろうか。
みえているようでみえない相手に対して、対面以上に様子をうかがいながら話さなければいけない。
やっぱり単に体力うんぬんの話ではない気がするのだ。
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ではどう対応すればよいのか?といえば、移動しなくてよいぶん詰め込めてしまう打ち合わせを、そもそも詰め込まないようにするのがいちばんだと思う。…今のわたしには1日3件はキャパオーバーだ。
あとは、どうしてもぐったりしそうだと感じる打ち合わせについては、打ち合わせ修了後、ぐったりする時間までブロックしておくこと。
打ち合わせ中は「今画面みえてますか?」とか「音声クリアですか?」とか、確認を入れること。
今日のわたしは打ち合わせ→ぐったりを3回繰り返して、あっという間に1日が終わりかけている。
これからのわたしはきっと打ち合わせが増えていくだろうから、少しずつ適応していかなきゃな。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたがオンライン打ち合わせで意識していることはなんですか?