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歯医者で手を挙げられないわたしは

先週に引き続き、今日も歯医者に行ってきた。定期検診(お掃除)の続きだ。
先週は下の歯の歯石を除去してもらい、今日は上の歯のお掃除。

上の歯の歯石除去は、とくに前歯のところがチクッとしがちである。
先週は施術中なにもいわれなかったが、今日は「痛かったら左手を挙げてくださいね」とひと言告げられた。

美容室でのシャンプー中の「かゆいところありませんか」もそうだけど、痛くても、かゆいところがあっても、なかなかアピールしづらい。
幸いにも今日は痛いと感じることはなかったが、数年前に歯医者に通っていたときは歯ぐきが炎症していたために視界がすこし滲むぐらいにチクチク痛かった。
我慢できないことはない。現に今、我慢できている。次もうちょっと痛いのがきたら手を挙げようかな…。そう葛藤しながら、結局手を挙げることなく毎回お掃除が終わっていく。

「痛かったら手を挙げてね」といわれているから、手を挙げてもよいのだ。痛みの感度は人それぞれだから「このぐらいで」と思われる筋合いはない。でも、なんとなく「我慢できなくなったら手を挙げよう」と、控えめな姿勢になってしまう。

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歯医者さんの施術は5分10分程度ですむし、けっこう痛かったけど手を挙げなかったからといって「手を挙げておけばよかったな…」と後悔することはないだろう。あったとしても「次は手を挙げよう」と心に決め、3分後には忘れているはずだ。

ところが人間関係となるとそうもいかない。
嫌だな、と思うことがあっても、よほどでなければ1、2回は我慢する。
「向こうも悪気があるわけじゃなさそうだし」とか「わたしも知らず知らず相手に嫌な思いをさせているかもしれないし」とか、「こんなことでストレスを感じるなんて、自分の器が小さいんだろうか」などと思いを巡らせる。

3回、4回続いてくると、「ちょっともう我慢ならないんだけど、言ったら嫌われないかな」とまたうじうじするし「わたしはあの人の先輩でも上司でもないのに嫌われるリスクを負う必要ある?割に合わなくない?やっぱやめとく?」とモヤモヤもする。あるいは「もういいや。距離を置こう」と、極端な判断を下す場合もある。

手(声)を挙げるタイミングが悩ましい点は歯医者さんと一緒だが、人間関係は尾を引くからタチが悪い。

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わたしは、自分自身がとても小さな心の持ち主だと認識しているし、わたしだって多かれ少なかれ相手に嫌な思いをさせているだろうとの理由で、「言わない」選択肢をとりがちだ。夫にだけは小出しにするが。

本当は我慢はしたくない。でも「我慢したくないから言う」のではなくて、そもそも我慢うんぬんの次元からもう卒業したい。そしてその程度のことは屁とも思わず気にしない次元に入学したい所存。

ちょっとやそっとのことは右から左へ聞き流し、掌のうえでコロコローっと転がしちゃいたいね。この画像を思い出して。



今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが最近言おうか言わまいか迷ったことはなんですか?

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