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役立たずだけど好きならいいじゃない
つかぬことをお聞きしたい。
あなたが思う「かっこいい人」はどんな人だろうか。
やはりジムでストイックにその肉体を鍛え上げているマッチョだろうか。
異論はない。
その昔、わたしにとっての「かっこいい」はタッチタイピングができる人であった。
映画やドラマでよく出てくる天才ハッカーたちのように、高速でカチャカチャと正確にタイプできる人をかっこいいと思っていた。
「かっこいいから」
ただそれだけの理由で、わたしは誰に勧められるでもなくタイピングの練習を始めた。
e-typing、寿司打、楽しくタイピングを練習できるゲームはいくつもあるけれども、当時のわたしは「好きな曲の歌詞をひたすら打つ」というなかなか原始的な練習方法をとった。
漢字、ひらがな、カタカナはもちろん、時には英語も混じっている。
それらを手元をみずスラスラと、かつミスなく正確を心がけてひたすら打鍵していく。
1曲分打ち終えたところで、とくにそのファイルをプリントアウトして歌の練習に使うわけでもなく、そっとPC内のフォルダにしまっていく。
もはや何曲分ぐらい練習したのかは覚えていないし記録も残っていないが、テンポの遅いバラードぐらいなら、曲と同時進行で打鍵できるぐらいにはなった。
そしてわたしは「かっこいい自分」にもなれたし、だからたぶんもう満足したのだろう。歌詞を打つこともなくなった。
∽∽∽
たしかにこのタイピング力はライターの仕事と相性がよいわけだが、タイピングができるからといってそれだけで食っていけるわけではない。
1分間にミスなく数百文字打てようが、誰にも評価されない。タイピングゲームでちょっとよいスコアをとれるぐらいだ。
しかも、音声入力も今は精度が上がってきているから、じきにタイピングももはやガラパゴススキル化していくかもしれず、「人生においてまったく役に立たない能力」と化していく可能性すらある。
任天堂のファミコンがSwitchへと進化したように、PCやノートPCももはやキーボードがなくなってタブレット化していくかもしれないね。
でも「好き」とか「かっこいい」って、そういうことじゃないんだよな。
今はなんでもかんでもみんな仕事に結びつけて考えたがるけれど、とくに「かっこいい」は別なのよ。
もちろん仕事に結びつく「かっこいい」もあるだろうが、「かっこいい」に対して「そんなことできたって何になるの?」との問いは野暮である。
これは「好き」についても同様だ。
やりたいこと探し、自己分析、スキルの棚卸しに取り組んだことのある人は、きっと一度は「こんなことできたって、何の役に立つんだろう」と肩を落とした経験があるだろう。
何の役に立たないスキルの何が悪い。
コスパだの、タイパだの、正解だの、不正解だの、ぴーこらぴーこらやかましいのよ。
難しいことは要らない。
好きは好きだし、かっこいいものはかっこいい。
以上。シンプルにいってみよう。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたの「何の役にも立たないスキル」はなんですか?