大人のサスペンス映画が見たいとき
~おススメの映画『ダイヤルM』~
『ダイヤルM』(原題:A Perfect Murder)
1998年のアメリカ映画です。監督はアンドリュー・デイヴィス。
1954年公開の『ダイヤルMを廻せ!』のリメイク作品。
マイケル・ダグラス、グウィネス・パルトロウ、ヴィゴ・モーテンセン
の実力派3人の俳優による大人のサスペンス映画です。
あらすじ
スティーヴン(マイケル・ダグラス)は、愛する妻の不倫を知りつつ結婚生活を送っている。妻には隠しているが実は彼の所有する会社は破綻の危機に面している。そこで資産家である妻のエミリー(グウィネス・パルトロウ)を殺害し莫大な遺産を手にしようと計画する。裕福な女性に取り入りその財産を盗むという犯罪を繰り返している不倫相手の画家のデイヴィッド(ヴィゴ・モーテンセン)に妻の殺害の殺害を依頼するのだが・・・
気に入っている理由
最近の映画は伏線が複雑だったり、出演者が複数だったり何度か観ないと内容が理解できない!というものも多いです。この映画は1998年のCGなどが主流になる前の映画で、またリメイクということもあり古典的でシンプルなストーリー展開でわかりやすいです。それでも味わい深い仕上がりになっているのは、俳優さん達の演技力のおかげだと思います。イギリスのドラマシリーズの『名探偵ポアロ』の探偵役を演じているデヴィット・スーシェも少しですがアクセントのある役で出演しています。
この映画から感じること
世の殺人事件の原因として挙げられる2大要因、愛憎と金銭問題。この2つを持った二人の男が愛する女性を殺そうとする。心の奥では悩みながらも犯罪を計画しているのかなと思うと、この二人にも少しだけ同情の余地が生まれます。
妻は美しく聡明で健気なのですが、夫も不倫相手もひどく傷つけているのかもしれません。(自分が女なので妻が一番気の毒だと最初は思っていましたが)愛情と憎しみは表裏一体なのだと気づかされます。
それぞれが罪と同情される余地がある状況で、この3者の関係が複雑にからんでいくその過程がドキドキします。
グウィネス・パルトロウのファッションも素敵ですし、マンハッタンの高級住宅街や画家の住む倉庫のような建物など、ニューヨークの多様な景色を見られるのも楽しいです。
『ダイヤルM』ゆっくりミステリーを楽しみたい夜におススメの一本です。