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小説を書きます。ふらんすとぺんぎんがすき。

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短編小説サンプル「ワタシが二人」【COMITIA150新刊】

登場人物 ワタシ :旅人 アニ  :カカーの息子 カカー :アニの母 エックス:伝道師 兼 高級紳士 ワイ  :釣り人 兼 高級紳士 ゼッド :なぞなぞ屋 兼 高級紳士 ガクシャ:隣町の獣 カタ  :リベの姉、紙芝居屋 リベ  :カタの妹、紙芝居屋 ナナシ :幽霊 アイ :図書館員  第一幕田舎町 第一景 カカー アニ ワタシ カカー ああ忙しい、忙しい!掃除に洗濯、食事に繕い物、終わらない仕事が山積みだわさ!猫の手だって借りてますとも、子猫のちんまいお手々をね。うちの

    • 短編小説「ごきげんな二人」【後編】

      第3章ごきげんなグルメと友情7.ペンギン、天の川を渡る 「あのぅ、すみません。水族館はどちらですか」  東京の路地裏、彼は困った顔して佇んでいた。ペンギンだ。話し始めた子どもくらいの大きさだろうか、手には笹の葉と短冊を握りしめていた。相手にするにはあまりに奇妙な手合いに見える。 「悪いけど、水族館は…」  その時、隣の居酒屋から魚の焼けるいい香りがしてきた。あまりのいい香りに、僕の腹の虫がぐぅと鳴いた。ペンギンはというと、なんとなく塩らしげだ。 「お腹空いてる?」  恥ずか

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      • 短編小説「ごきげんな二人」【前編】

        第1章ごきげんな"非"日常1.遅刻代行ボランティア 「はい、五分後の十時、さざなみ駅前ですね。お顔については、はい、〝可愛い感じ〟で。ではうちの自慢のリスを向かわせますので、」  それでは失礼いたします、と受話器を置けば、後ろでソワソワしているスタッフの息遣いを感じる。  うちはいわゆる〝代行サービス〟を請け負う市民団体。完全ボランティアだから参加も自由だけど、意外と積極的な仲間が多いことも特徴だ。 「可愛い感じって、どんな感じかしらねぇ」  うちの看板スタッフ、シマリス

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