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夜を航る|詩|collaboration


「夜を航る」

夜が降る……

呑み込まれるよりも深く
息苦しさに似た夜が降ってくる

利き手にあるはずの温もりに
伸ばす想いの向こう側
届かず拗ねる指のさきは
その寂しさを埋めるように彷徨う

足りない……

貴方が足りずに溢れた吐息
夜を航る風
昇るより速く貴方に触れたくて
そっと湿った匂い纏わせた

Amu

「夜を航る」

優しく息づかう震えるベッド
穏やかでさえも暗がりは包み込む
ふたつの歩み流れる時間はまたぎ
左に感じる触れることなき胸もとの愛
瞼を綴じ抱きしめ脳裏に指す感覚に
拗ねる指さきを温もりが絡めていく
大丈夫だよ・・・・・
君の傍に居るよ首筋を濡らす僕の唇
夢の中の現実ゆっくり身体を重ね揺らす
その想い何より速く僕を男に変えていた

Kazukichi Seto

「夜を航る」

首筋くぐもった貴方の声に
掟を破ったのは私のほうだった

星たちが眠りにつく前に
逢いに来て欲しいと我が儘な口唇で
手に入れた温もりのなかに
生まれたての貴方を探し見つけた

もっと焦らして
あなたが貴方で居られなくなるまで
その声を聴きながら
この舌先は悪戯になっていく

壊れそうになったなら
私のなかへと逃げ込んでくればいい

Amu

「夜を航る」

君の見つめる舌先が絶頂に変わり
届く逢いたい刺激に僕の唇は濡れた
光と風のように一心に飛ばした繋ぐ想い

夢みる温もりやわらかく指でなぞる肌
激しく感覚は意識させ君の唇に答えた

舌は絡まり互いの動きだけで火照り誘う
君の掠れた声と壊れそうな熱さ

薄く瞳をあける君の胸上に埋めた頬が
ゆっくりと君の中に逃げ込むのだと・・・

Kazukichi Seto

「夜を航る」

絡みつくような甘くて刹那的な声
其れは口唇から胸へ
そして胸から爪先までを舐めあげていく

柔らかくも熱を帯びた吐息が
首筋から深くに囁きかけたとき
重低音が奥深い部屋を強く突き上げて
ゆっくりと子宮を揺らしはじめた

光と風のように求め昂る身体
届いた温もりは刺激となり
ひとつの処へと向かい激しくなる

呼び逢うように濡れていった
貴方の熱に纏わりついて離れられずに
昇りつめた場所で音を忘れても
流れこむ愛の脈だけは強く聴こえていた

Amu

「夜を航る」

短いような長い時の経験が安堵して
君を包むように重なる息が濡れた

ふたつの魂が絡み合う肌を感じながら
君の中にゆっくりと落ちつき揺する
見つめる感情は薄暗い部屋中に響いた

僕の背中に君の心が傷をつけて
ひとつに合わさる影だけ揺れている

もう離すことのない想いと身体
何度も何度も唇は君に答え足を絡ます

掠れ濡れる声と君の中の温もりに昇り溶けた

Kazukichi Seto

collaboration :
    Kazukichi Seto Thank you...


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