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こっちを向いて|詩


「こっちを向いて」

それは何処となく懐かしく
緩やかに流れるだいだいの色した左向き

三百六十度が誰かの記憶で
そのほとんどは微睡まどろんでばかりいて
きっと僕だけが君の名前を捜し続ける

そんな静かな旅の途中の
爪先に弾く欠片から
ひと握りの刹那が溢れ落ちては
渦の中へと還っていくのを観ていた

こっちを向きなよ
激しくも温かい声が鳴りひびく

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