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評価は人のためならず

「情けは人の為ならず」
おおくのひとはこの言葉をご存知なのであろうが、本当の意味でご存知の方は少ないのではなかろうか。
ひとによっては、「人に優しいことをしてもそれは本当はその人のためにはなっていない」という意味だと思っている人も少なくない。

しかし、それは誤りでほんとうの意味は
人に親切にするといつかそれが良い報いとなって自分の元へ戻ってくる」である。

ある意味の自業自得、なのである。

さて、今回書きたいのは「情けは人の為ならず」は教育現場にも言えることなのではないだろうかということだ。
私が大学で教育を学んでいた時、印象深い講義があった。それはたしか教育法の講義で、評価について学んだときであった。ある教授はこう言った「評価というものは、教師が学生に対して行うものではない。教師の指導の評価を学生たちの授業態度や理解度を通して知るのだ」と。
例えば、授業態度がCの学生がいる。その学生の態度が悪いからCという評価だけではなく、その学生がその態度を自身にするということは、学生に対する指導の上で適切な何かが欠けた結果なのかもしれない。
試験で20点の学生を見た時に「この子は勉強ができないなあ」と思うのではなく、この子に対して適切な用語を使えただろうか、この子のわからない部分を分かろうとしてあげられるような余裕のある授業だっただろうか。

このような視点で見ると、学生とはただこちらが指導しなければならないだけの存在ではなく、鏡のような存在であることがわかる。

コロコロと表情の変わる学生たち、しかしそれら一つ一つもよく見れば、教師が楽しそうだから笑い、教師が難しそうな顔をしているからやる気をなくし、教師へのコールアンドレスポンスのようにも見えることがある。

自主的に学び続ける力、それを持たなければならないのは学生たちのみならず、教師もまたその力が必要なのである。

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