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第8回 協働をマネジメントする

Ⅴ.協働をマネジメントする


1.協働事業マネジメントガイドの活用


(1)協働事業の「マネジメントガイド」の活用


 協働事業を通じて成果を生み出すには、成果までの協働事業のプロセス上に生じる問題に対して、適切に早期発見・早期対処することが求められます。協働チームが協働事業プロセス上、適切なマネジメント活動を行うための具体的な手引きが記載されているが「マネジメントガイド」です。


(2)「公募型協働事業」を対象としたマネジメントガイド


 これから説明していく「協働事業マネジメントガイド」は、公募型協働事業のプロセスを対象として描いていきます。公募型協働事業は、市民団体・NPOが地域の問題を市民・生活者目線で捉え、行政が気づかない重要な地域の問題を発見し、行政といっしょに対策を企画し、提案するとともに、それが承認された後は、具体的な計画を立て、実施、評価を行うという“行政主導でない”「協働による政策形成プロセス」が展開でき、それを主体的に展開するためのガイドとして説明していきます。


(3)協働事業のモデルプロセス


 多くの自治体で行われている「協働事業提案制度」のプロセスを参考にした公募型協働事業のモデルプロセスは次の通りです。まず、基本プロセスとして、①企画提案、②計画、③実施、④評価の段階に分けることができます。

 ①企画提案段階は、提案する協働事業の構想案をつくり、実施の可否を決める段階です。そのサブプロセスとして、① -1:参画検討、①-2:パートナー候補部門との面談、①-3:提案書作成、①-4: 審査の4つに区分できます。

 ②計画段階は、企画段階で決定した基本方針に沿って実施計画を詳細に固めていきます。実施計画には活動を最も効率よく行える活動計画や活動を行うのに必要な資源を見積ります。また、実施上のリスク対処も行うなど実施に向けた準備を行います。その計画づくりの内容としては、②-1:実施計画作成、②-2:リスク対応計画作成、②-3:資源計画策定に分けることができます。
 
 ③実施段階は、計画段階で作成された活動計画に沿って、協働事業を展開していくのですが、進捗状況を定期的に評価して、必要であれば修正を図るなど成果に向けて状況に対応していきます。主な内容は、③-1:進捗確認、③-2:改善、③-3:情報共有です。

 ④評価段階は、完了(節目)した協働事業結果についてステークホルダーに説明責任を果たす段階です。一方で、協働事業活動全般について評価し、次年度に備えます(完了の場合は次の協働事業)。 ④評価段階は、④-1:結果評価、④-2:報告書作成、④-3:報告会という活動に分けることができます。
                                 了