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今日胸に響いた言葉81ー「知事の権限まで奪うなんて」

(2023年10月6日付 朝日新聞「もがく沖縄知事 重なる悩み」から)   ー写真は朝日新聞デジタルより転載

この新聞記事のタイトルの言葉からして、すでに沖縄の基地問題を我が事ではなく他人事だというニュアンスが伝わってくる。社説で「我が事として考えよう」などと締め括ってみても虚しさが残るばかり。

かく言う私も同類である。78年以上私たちは沖縄の問題を見て見ぬ振りをしてきた。沖縄の問題に出会うたびに後ろめたさを感じてきた。

この記事は、辺野古移設反対という民意を三度否定して、国が代執行の訴訟を起こしたことについての記事である。翁長前知事の妻は「知事の権限まで奪うなんて。国は一番みっともない姿をさらした」と批判し、物言わぬ国民に対しても疑問を投げかけている(確かに物言わぬ国民の1人だ) 民意と国の決定の間で苦しむ玉城知事の苦悩はいかばかりか?(せめて理不尽な国の判断に対して自分への戒めとして記録しておく)

「私は戦後生まれのものですから、歴史を持ちだされたら困ります」

「沖縄が戦後歩んだ戦中戦後の苦難の経過をこう突き放した菅義偉氏が首相に就いた。5年前の2015年、辺野古移設を巡る翁長雄志前知事との非公開の協議のなかで発せられた言葉だ」(20年10月27日、毎日新聞夕刊、一面記事より)

この言葉からは、想像したり共感できる自分の能力を使って理解しようとせず、苦悩してきた、いや、今も苦悩している国民に寄り添う気もない首相の無関心が伝わるってくる。

このような意識や歴史認識を持った人が、私たちの国の政治に関わっている。国民が体験した苦難や悲劇をこのような言葉で語る人が、日本という国を率いているという現実に暗澹たる思いである。

沖縄の人は今日も埋立地前で座り込みの抗議運動をやっていることだろう。ドキュメンタリー映画「国葬の日」には、その姿が映し出されている。国葬について問われた人が語っている。

「そんな騒ぎは1週間もすればおさまってしまうでしょ。私たちの運動は1年365日続けている」

毎日、辺野古埋立地前に座り込みをする人たち。1人1人立ち退かせると待機してい
た膨大な数のダンプカーがつぎつぎと建設地に入っていく。その数の多さに圧倒される。
(写真はpresident.jpより転載)

かたや、

「(国葬は)お上が決めたことなんだから。いまさらみっともない」

本来、私たちが持っている主権を手放してしまっている。そのことに全く気づいていない。そしてそういう人の方が多かった。沖縄の人たちのように、主権を踏みにじられないと気がつけないということだろうか。


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