相互ブームから見る、「美容大国」韓国から日本が学ぶこと
はじめまして!
今回からampule noteにジョインしました、うんちゃんです!
私は韓国で生まれ、26歳まで韓国で育ちました。
その後、仕事のため東京に移住し、今年で4年目になります。
子供の頃から美容が好きだったので、自然と美容好きを活かしていけるような仕事に就きました。ampuleでは、noteでもご紹介しているampule magazineで記事を執筆しています。
私が担当するnoteでは、日本と韓国に片足ずつ入れている私が、
日韓の美容業界を見て感じたことや、気づきなどを皆さんに届けていけたらと思っています!
そんな第一弾のテーマは「相互ブームから見る、「美容大国」韓国から日本が学ぶこと」というタイトルでお届けいたします。
1)韓国コスメのファンを作る、さまざまな入口
最近、韓国コスメの人気は急激に増していますが、特にコロナ禍でその勢いがさらに増しているように感じます。
私が日本に住み始めたのは、ちょうどコロナ禍が始まったころで、2019年までは観光客として日本に訪れていました。
その1年の違いだけでも、お店に韓国コスメがとても増えていて、韓国の流行りがほぼタイムラグなしで日本に入ってくるようになったと感じています。
世の中では、韓国コスメの人気の理由として、
「品質」「デザイン性」「日本のコスメより安価であること」などが言われています。
それらも正しい観点ですが、
私は「韓国文化のソフトパワー」が最も注目すべき理由だと考えています。
※ソフトパワーとは
国家が軍事力や経済力などの対外的な強制力によらず、「非強制的」な形でその国の有する文化や価値観に対する支持や理解を得ること。
K-POPなどの韓国文化に触れることで、韓国コスメに興味を持つようになる、というのも一つのソフトパワーです。
皆さんも好きな女優さんが使っている商品を買いたいと思ったり、K-POPアイドルメイクに憧れて、韓国コスメに興味を持ったりした経験はありませんか?
もちろん、商品自体の品質も重要な要素ですが、このような文化的なソフトパワーがあると、商品を認知した時点で競合よりも優位な立場になります。品質や機能性に加え、韓流のソフトパワーを背負っている韓国コスメはこれからもさらに勢いを増していくのではないでしょうか。
2)韓国での日本ブーム、それがもたらすソフトパワー
そのような話をすると、「韓国では日本のもの流行ってないのかな…?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際に私も、周りの方から聞かれることが多いです。
結論からお話すると、全くそんなことはなく、最近の韓国でも日本文化が流行りになっています。日本文化の定番であるアニメはもちろん、映画、音楽、食、ゲーム、観光など、さまざまなジャンルが韓国で人気を博しています。
そして、彼らが感じる日本文化の魅力は「日本感性」というワードで発話されています。
「#日本感性」とは?
韓国の若者で使われている、日本文化の魅力を表現する単語です。
日本でいう「韓国っぽ」と似たような単語ですね!
日本のいろんな文化で感じられる、
・繊細さ
・神秘的なイメージ
・レトロ
・透明感
・丁寧さ
・エモさ
などがぎゅっと詰まっている単語であり、
日本だけしか出せない魅力を「#日本感性」と表しているのです。
そんな「日本感性」の中でも、最近は特に音楽の人気が高まっています。
K-POPは「見せる音楽」に発展しているので、派手で刺激的な音楽が多いですよね。
一方でJ-POPは、ドラマティックなコード進行や、エモくて美しい歌詞が多い印象です。
そんなJ-POPは、とても聞き心地がよくて、疲れづらく、深い共感を呼び起こすので、K-POPでは満たされない感情を満たしてくれるのです。
そう言った流行はショート動画を中心に、すさまじい広がりを見せています。
特に人気のあるアーティストを数名ご紹介します。
■imaseさん
※316万回再生、10万いいねを記録したimaseさんのショート動画
※韓国のファンへのお礼メッセージ動画
※274万回再生、8.8万いいねを記録したimaseさんのライブ切り抜き
■優里さん
※412万回再生、19万いいねを記録した優里さんのライブ切り抜き
※119万回再生、4.8万いいねを記録した優里さんのライブ切り抜き
■藤井風さん
※192万回再生、16万いいねを記録した藤井風さんのライブ切り抜き
■米津玄師さん
※254万回再生、7.7万いいねを記録した米津玄師さんのライブ切り抜き
他にも、こういった街並みにも「日本らしさ」を感じる人が多くいます。
以下のリンクは、Instagramで「#日本感性」と韓国語で検索したときに出る投稿です。どんな要素に「日本感性」を感じるのか、みなさんもぜひみてみてください^^
このように、日本人には当たり前すぎるものの中にも、「日本らしさ」が込められていることが多いんです。
また、その「日本らしさ」から出てくる魅力は、J-POPに興味がなかった人が、J-POPを聞くきっかけになってくれたり、日本文化に興味がなかった人も、日本の文化に触れるために、日本を訪れるきっかけになってくれたりします。
文化の力が、日本の産業を支えるソフトパワーになってくれるのです。
3)最も日本らしいものが、最もグローバルなもの
このような日本ブームは、決して最近でてきたものではありません。
2005年~2010年頃、韓国では日本の「美」も注目されることが多かったです。
バラエティー番組では、日本の美容家が出演して美容法を伝授したり、日本人モデルが載っている美容雑誌の写真が、ネットで話題になることもありました。
日本のメディアで表現されていた、「透明感」「血色感」「清楚で雅なイメージ」が憧れの対象になったのです。
その日本の「美」への注目の代名詞となるのが、女優の蒼井優さんです。
蒼井優さんは、「蒼井優スタイル」という名前で、団子ヘアや森ギャルのスタイルを流行らせました。中でも、桃色のチークを使った写真が話題になり、「蒼井優チーク」としてSHU UEMURAのチーク「M44」が爆発的なヒットとなりました。あまりの人気さに、当時のネットでは「〇〇のチークが、蒼井優チークと似てるらしい」というように、蒼井優さんの名前だけで別の商品が話題になることも多かったです。
ここで注目すべきところは、蒼井優さんご本人は韓国で本格的な活動をしたことがないのに、このレベルで話題を呼び起こしたということです。
一般的に考えられる「海外進出」は、しっかりと事前調査をした上で、いかに現地市場に馴染めるのか、「ローカライズできるのか」が重要だとされています。
しかし、最近の日本ブームや、蒼井優さんが話題になった事例を見ると
「文化の海外進出」においては、私たち自身が「日本らしさ」をしっかり理解して、形にして、貫くことが最も重要なのではないかと考えます。
日本らしさをしっかり考えて、形にしていくこと、
その上で、それぞれの魅力をしっかり伝えること、
そうすることで、自然と日本らしさが新鮮な魅力として注目を集めます。
また、このような文化進出は、韓国コスメの流行りからもわかるように
自然と産業の成長をサポートするソフトパワーを発揮します。
日本にいると、「日本ならではの魅力」に気づきずらく、曖昧になりやすいですが、それを明確にして、しっかり形にしていくことが蒼井優ブームを継ぐ、第2の日本ブームをつくる1つの糸口なのではないか?と思います。
■まとめ
いかがでしたか?
今回は、韓国コスメの勢いの裏に潜んでいる「ソフトパワー」について考察しました。
ampuleでは今回のnoteのように、美容業界の課題や変革と向き合い、様々角度で情報を発信する、
ampule magazineを発刊しています。
私も毎号参加していて、日本は韓国の話以外にも中国、フランス、アメリカなど、グローバル視点での記事や分析などが読めます!
最新号の「ampule magazine Vol. 6」はバックナンバーと合わせて以下のURLよりご覧いただけます。
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