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「効率化」ではなく「最大化」を目指す仕事のやり方へ
amptalk人事・採用担当の小池です!
社会人になってから20年近く、現在に至るまで、主にITベンダーの人事採用のキャリアを歩んできました。
その私が、amptalkに入社をする直前に、今までずっといたIT業界を出ることを決意までしたにも関わらず、だからこそ、amptalkに入社を決めた経緯をお話しできたらと思っております。ここで皆さんにお伝えしたいポイントは以下の3点です:
ITの役割:何のためのIT?
人がやることvs AIやテクノロジーを駆使すること
amptalkの魅力
採用で候補者の方とお話をしていて思うのが、人のキャリア軸はもちろん給与やワークライフバランスなども大事ですが、どのように世の中のためになれるかも多くの方々にとって大切な軸の一つだと感じています。amptalkの製品がどのような社会貢献を実現できるのかを私の世界観に乗せてお伝えしたいと思います。
なんのためのIT?
皆さんは、ご自身のお仕事や生活の中で「効率化」「時短」をしたご経験がありますか?おそらくですが、100%の人がこの問いに対して “Yes”と答えると思います。では、その効率化・時短で得られた時間をどのように有効活用しますか?という問いに対してはどうでしょうか?確かに効率化・時短にはなったけれども、そのおかげでさらにまた作業が増えて、その効率化を図り、果てしなくスピード化・効率化されていき、思考をしなくとも作業が進み、より速く業務遂行をすることを求められ、さらにスピードと効率を追い求める日々になっていないでしょうか?
私は少し前までそのような仕事のスタイルと生活を送っていました。特に、20年近くIT業界で仕事をしている中で、「IT=業務効率化=社会貢献」という文脈に対して何の疑いも思考もせず、そう言うものだと思っていました。ある時、ありがたいことに、月に何百人もの方のご応募をいただける会社で採用担当として日々書類選考を行い、とにかく効率的によりスピーディーに大量の選考を機械的に進めていくと言う業務をひたすら行っていて、バーンアウトしてしまった時期がありました。その際にふと立ち止まって考えたのが、「何のための効率化?何のためのスピード化?」と言うことでした。今まで思考停止して、当たり前のように「効率化=善」と言うことに疑うこともなく「効率化のための効率化」「スピード化のためのスピード化」を私も求められたし、世の中も当然求めていると思っていました。確かに、スタートアップでお仕事をしていて、一分一秒の迷いが命取りになるような場面に遭遇することもあり、スピードと効率の大切さも理解しています。しかし、一番大切な「何のための効率化?」という問いを忘れてしまってはいないでしょうか?その問いを考え始めた時期の私は、ITの提唱する業務効率化に対して疑問を持つようになり、ITが世の中をどう良くしているのかわからなくなってしまっていました。むしろ、世の中がどんどんスピードと効率化の中で大切なものを失っていっていると感じ、それに加担をしてしまっているのではないかと思い、IT業界で働いていることに疑問を感じるようになっていきました。
ミヒャエル・エンデの「モモ」と時間の概念
私は特に小説を読むことが好きで、自己啓発本なども読みますが、人生の悩みや学びは小説から答えを導き出すことが多い人間です。その私が、ぜひ、何のための効率化?という疑問を解消するために、大人の皆さんにおすすめしたい本が、小学校高学年くらいを対象にしている児童書で、ミヒャエル・エンデ作の「モモ」と言う本です。ネタバレになってしまって恐縮ですが、モモは不思議な力を持った家なき子が時間どろぼうから町を救うお話しです。時間どろぼうとは、「時間銀行」と言う組織に所属する全身灰色の男たちで、「もっと時間があったら、自分だってもっとより豊かな暮らしができるのに」と嘆いている人々を狙って、「時間の貯金」を勧める人たちです。彼らの手口は、日々行なっている様々な「無駄」に対してかかっている時間を秒に直し、年月を掛けて計算して、どれだけの「無駄」「非効率的」な時間を過ごしているかを本人に見せつけて貯金を勧めます。親の介護、ペットの世話、好きな人と過ごすたわいもない時間、全てを無駄な時間と計算して、それらを「倹約」し、銀行に預ければ62歳で利子もついて何億秒という時間が手元に返ってくるとさらに煽って勧誘していきます。世の中の大人たちが「未来の幸せのため、時間を節約!」をモットーに、今まで使ってきた「無駄」な時間を全て排除し、より「効率的」な時間の使い方をしていくようになります。モモの住んでいる町の床屋さんも普段は雑談をしながら一人ひとりのお客様に30分以上はかけていたところを15分で仕事を終わらせるようになり、好きな人との時間も削り、夜寝る前の日々の振り返りもなくし、年老いた母親との時間は介護施設に入れて月1回の訪問のみに削り、時間の節約を一生懸命やった結果、日々楽しくなく、いかに時間を無駄にしないかしか考えなくなって、怒りっぽく、せっかちになっていきます。ところが、節約して余暇ができたはずなのに、時間は逆にどんどん無くなり、日々は飛ぶように過ぎていくようになります。結末はせっかくなのでぜひ本を読んでみていただければと思います。
このお話は初版が1976年に発行されたようで、ちょうど世界的にも高度成長期で、より早くより高い生産性を求められていた時代背景があるとは思いますが、今の時代でも色褪せることなく心に響く物語だと思います。
「モモ」が伝えたかったことの私なりの解釈としては:
1. 時は金なり。時間というものは数値で表される定量的なものとされているが、本当は一人一人の時間の価値観は違い、定性的且つ主観的なものである
2. 時間は多ければ多いほど良いのでなく、どのように使うかが重要だ
3. 「何のための効率化?」の答えは、より人間が豊かに過ごせるための効率化である
この本を読んだ時に私は自分がITと言う業界の推奨する「効率化」に対する違和感が、まるで「時間銀行」の時間どろぼうと似ていると感じ、改めて自分がやりたかったことはより人が人として豊かに暮らしていける世の中になるようなところで貢献をしたかったと気が付きました。
amptalkのミッションとの出会い
自分は人が人としてより豊かに暮らせる世の中にしたかった。それはITでは叶わないのかもしれないと思ったことがきっかけで、私は自分の社会人経験全てを捧げた業界を去る決意をしようとしていました。そのタイミングで出会ったのがamptalkでした。Linkedinでお声がけをいただき、「まあ、無職で何も選択肢がないよりは良いだろうし、とりあえずお話だけでも聞こうか」と言う軽いノリでお話を伺うことにしました。当初の私は、恥ずかしながらamptalkと言う会社も製品も知らず、お声がけいただいてから色々と調べて知ることになりました。私が一番印象に残っているのが、amptalkのミッションです。
「人が人と向き合う時間を最大化し、今までになかったチャンスを」
amptalkのミッションが私に教えてくれたことは、効率化のための効率化ではなく、人が人として最大限パフォーマンスを出せる環境を作るために、阻害要因をなくすこと。更には「時間の最大化」」は時間の長さだけではなく、有限な貴重な時間をよりお互いのために有意義な時間にするためにはITができるととがあると言うことでした。
AIを搭載し、様々なことが自動化、機械化されるようになりましたが、私が今でも心に響いている弊社の事業開発部長の黒田の言葉があります。
「AIが様々な職業を人間から奪っていく世界観を語る人がいるが、少なくとも近い将来に営業がAIに取り変わる世界は想像できない。」
amptalkはまさに、私が「モモ」で学んだ世界観がベースになっていて、人と人が向き合う時間の価値はPricelessであると言っていると私は思っています。
IT及びAIがそこにもたらす価値は、そんな重要な時間を如何に最大化することができるかです。そのための業務効率化や自動化を推し進めて、人が人と向き合う時間の長さを最大化する。それだけでは終わらず、時間のクオリティの最大化のために、より価値のある情報やデータを活用できるようサポートするIT。全てが、最終的に人が人と向き合うことを大切にしていることをベースに考えられているのがamptalkのサービスだと理解しています。
最後に
「人と人が向き合う時間の最大化」これは、ぜひお客様にamptalkとしてご提供できるよう全力で精進したいと思いますが、自分の生活においても私は大切にしたい概念だと思っています。どんなに技術が発展しても時間は無限にはならず、有限のままです。
最後に、私の好きな言葉、「一期一会」で締めくくりたいと思います。「一期一会」は茶道の世界では重要な「時」に関する概念です。戦国時代の武将同士のお茶席は、次のお茶席でまた会えるかわからない同士の時間です。どれだけ貴重な時間と感じたことでしょう。現代ではそこまでの緊張感のある時間はあまりないと思いますが、1ミリたりとも同じ瞬間は二度と来ないことには変わりがありません。その貴重な時間を如何に最大化し、より有意義な時間を過ごせるようにするかを常々意識しながら生活をすると、きっと豊かな人生になると私は思っています。