見出し画像

AmPmが掘るRemix集 - 日本の楽曲編

記憶の限りでは、2000年前半までは多くの楽曲に◯◯◯Remixという形式で、必ずと言っていいほど、Remix楽曲が収録されていました(個人的なイメージとして)。場合によってはオリジナル音源よりも好きになったり、人によっては無意識のうちに海外のアーティストとの接点になっていたかもしれません。
改めて“Remix”についてご説明すると、ウィキペディアではこのように記載されています。

Remix(リミックス)とは、複数の既存曲を編集して新たな楽曲を生み出す手法の一つ。複数のトラックに録音された楽曲の音素材を再構成したり様々な加工を加えることによって、その曲の新たなバージョンを製作すること。

現代におけるRemixは、多くの場合オリジナル音源の素材を使いながら、異なる音源を製作すること。という感じでしょうか。
今回は、日本の楽曲→海外アーティストがRemix製作をした楽曲をできる限り多くご紹介したいと思います。

| 浜崎あゆみ / WHATEVER - Ferry 'System F' Corsten vocal extended mix

1999年リリース、浜崎あゆみの6thシングル“WHATEVER”に収録されたSystem FによるRemix。System Fは、ダッチトランスの創設者の一人とも言えるレジェンド的オランダ人DJ。現在も、System Fの名義で活動しているDJだが、このRemix名義にもあるように、本名と併記してあるSystem Fにとっても初期の頃の作品の一つでもある。

| 浜崎あゆみ / M - Above & Beyond Remix

2001年リリース、浜崎あゆみ / Cyber TRANCE presents ayu tranceに収録された楽曲。Above & Beyondは、イギリス人による3人組グループで、これまでに2度に渡りグラミー賞にノミネート。更には、世界のDJランキングTop100に何度もランクインするなど、イギリスを代表するダンスミュージックアーティストである。Above & Beyondにとっては初期のRemix作品であり、彼らはその後、ブリトニースピアーズや、マドンナの作品を手掛けるなど多岐に渡り作品を発表し、現在も精力的に活動を続けている。
尚、本アルバムには、トランス界の帝王Armin Van BuurenによるappearsのRemixや、System FによるRemix等、トランス界のレジェンド達が集ったモンスターアルバムとも言える。

| Mondo Grosso / VIBE・P・M (MASTERS AT WORK MIX)

2000年にリリースされた大沢伸一によるソロプロジェクト“Mondo Grosso”名義のアルバムMONDO GROSSO best remixesに収録された楽曲。
MASTERS AT WORKは、1990年にデビューの、Louis VegaとKenny Dopeによる二人組ユニット。特にハウスミュージックには多大な影響を与えており、ダンスミュージック界の生きる伝説と言っても過言ではない。

| m-flo / Love Long and Prosper - diplo' love guns foster children rem - Star Trek

SFテレビシリーズ「スター・トレック」の放送40周年を記念して作成されたアニバーサリーソング“Love Long and Prosper”をアメリカのDJ / プロデューサーであるDiploがRemixした楽曲。Diploは、ジャスティスビーバーや、デュアリパと楽曲リリースを行うなど、ソロ名義での活躍はもちろんのこと、Labrinth、SIAとの共同プロジェクトLSDにおいてもヒット曲を連発するなど、名実共に世界のトップアーティストの一人。
本楽曲も収録されているアルバム、electriCOLOR - COMPLETE REMIX-には、BUZZER BEATSをはじめ、国内外のDJ / プロデューサー達によるリミックスが多数収録された、日本の音楽の歴史上類を見ないほどの数のRemix楽曲が収録されたアルバムなので、他の楽曲も是非チェックしてほしい。

| 元気ロケッツ - Breeze - KASKADE REMIX

アゲハスプリングス代表、玉井健二とゲームクリエイターの水口哲也によるユニット、元気ロケッツの楽曲“Breeze”のKASKADEによるRemix。KASKADEは、1980年代よりアメリカを中心に活動をスタートさせ、繊細で美しいメロディーが特徴のDJ / プロデューサー。2013年には経済誌フォーブスが発表する“世界で最も稼ぐDJランキング”に3年連続Top10入りするなど、世界を代表するアーティストの一人となる。本楽曲は2007年にリリースされたコンピレーションアルバム、HOUSE NATION Tea Dance - Second Gigに収録。日本では、HOUSE NATIONと冠がついたクラブイベントが人気に火がつくタイミングでのリリース。

| 坂本龍一 / Love and Hate - Marshall Jefferson Mix

1994年リリースのアルバム、sweet revengeに対するRemixアルバム“HARD REVENGE”に収録の1曲。Marshall Jeffersonは、1959年生まれのシカゴ生まれのDJ。1986年にリリースのMake Your Bodyがアメリカのみならず、ヨーロッパでも絶大な指示を受け、以後もHouse Musicにおけるアンセム曲を数多く世にリリースしたレジェンドDJです。本楽曲も、Remixのお手本のような仕上がり、必聴です。

| Perfume / Spending all my time - DV & LM remix

2014年リリースのアルバム、LEVEL3 (Bonus Edition)で収録されているDimitri Vegas & Like MikeによるRemix。ベルギー出身の二人組DJ、プロデューサーは実の兄弟。2019人は、DJ Magによるランキングで世界1位のDJの座を獲得。また、世界最大のEDMフェス“Tomorrowland”のオフィシャルDJを務める。原曲もダンス色の強いサウンドであるが、Remix Verは、よりダンス要素が強化され、まさにフェスにも相応しいサウンドに生まれ変わっている。

| TM NETWORK / GET WILD - SICK INDIVIDUALS Remix

恐らく、日本で最も数多くのRemixをされた楽曲ではないだろうか。こちらのRemixは、オランダのProgressive Houseを得意とするDJデュオ “SICK INDIVIDUALS”による作品。Get Wildの発売30周年を記念したコンピレーションアルバム「GET WILD SONG MAFIA」に収録された1曲。
このクレイジーなアルバムを見ての通り、Remixを手掛けるアーティストによってこんなにも違いが出るのかということを理解するには最も相応しい楽曲とも言える。

| MAN WITH A MISSION / My Hero [Slushii Remix]

2019年リリース、“Dark Crow”に収録されたSlushiiによるRemix楽曲。Slusiiは、Future Bassを得意とするアメリカのDJ / プロデューサー。これまでも、Maroon 5、Marshmello、Alan Walker等のRemixを手掛けており、アーティストからの信頼も厚い。日本においては、バンド形態のアーティストがRemix作品をリリースすること自体が少ないが、さらに海外のアーティストによるRemix作品はほぼないと言っても過言ではなく、そういう意味でも貴重な作品とも言える。

| End of the World / Stargazer - Clean Bandit Remix

SEKAI NO OWARIの海外展開時の名義 End of the Worldとしての2ndシングル“Stargazer”のClean BanditによるRemix。Clean Banditはイギリスの3人組みによるエレクトリックグループ。世界の名だたるアーティスト達とコラボレーションを行うなど、名実共にトップアーティストの一組。本楽曲は2018年リリースされた作品だが、その翌年には両者によるコラボレーション作品“Lost”をリリース。Remixから、共にオリジナル曲を作るという、これまでの日本人アーティストではいなかった快挙を、世界のトップアーティストと成し遂げたという功績は大きい。本当に凄いこと。 

| DA PUMP / Without You - Eric Kupper's  Big Room Mix

2001年にリリースされた、DA PUMPのRemix楽曲だけを集めたアルバム“Da Best Remix of Da Pump”に収録された一曲。Eric KupperはDeep Houseの重鎮として日本でも熱狂的なファンの多いDJでもあるが、これまでに2,000曲以上の楽曲を制作、Remixを手掛ける等、トッププロデューサーとしても活躍する。この楽曲だけでなく、Yuki、EXILEや浜崎あゆみ等、J-POPアーティストのRemixも手がけている。

| Yuki / JOY - Eric Kupper Club Mix

2005年リリース、YUKIの9thシングル“JOY”に収録されているEric KupperによるRemix。この曲を聴いてお分かりの通り、イントロとアウトロ(曲の始まり部分と終わり部分)が長い。これはRemix自体が、ダンスフロアで踊っている人たちに向けて、好まれる部分の演奏時間を引き伸ばすという理由で、同じレコードを2枚用意し、ミキサーを用いて手作業で「延長したい部分」を交互にプレイしていたことが原型にある。
その後は、DJプレイにおいて、曲と曲を繋ぐ上での“間”を必要とするために、イントロとアウトロが引き伸ばされた、いわゆるClub Mix。近年ではExtended Mixと呼ばれる、これらの手法はRemixの原点であり、Remixが普及した大きな理由です。このRemixの原点のようなアレンジがされた楽曲が本楽曲です

| TRF / BRAVE STORY - JONATHAN PETERS CLUB MIX

2000年にリリースされたMixアルバム、Burst drive Mixに収録された楽曲。Remixを手がけたJonathan Petersは、2006年に雑誌DJ Times Magazineおいて「ナンバーワンDJ」の称号を得るなど、特にRemixを手掛けるリミキサーとして多くの活躍をしたアーティスト。Donna Summer、Bob Marley、Chaka Khanに提供したRemix楽曲では、US Billboard Dance Chartで1位を記録するなど、当時のRemixの在り方を変えた一人でもある。

| MISIA / 太陽がいるから - Frankie Knuckles Classic 12"Mix

2003年にリリース、MISIA REMIX 2003 KISS IN THE SKYに収録された楽曲。Remixを手がけたのは、NY生まれのDJ。後に伝説となるクラブ「Warehouse」のDJを務め、近所のレコード屋ではこのクラブで流れていた音楽「Warehouseっぽい音」を求めるDJやお客が殺到し、店主が「Warehouse」と掲げたコーナーを作ったのが、「House Music」の語源ともまで言われています。そんな伝説のDJが手がけたRemixが収録されたアルバムには、DJ Spinna、Joe Claussell等のHouse Musicのレジェンドが手がけたRemixも収録された豪華なアルバムとなっている。

如何でしたでしょうか、今回は日本の楽曲を海外のアーティストが手がけたRemix楽曲をご紹介しました。
紹介した楽曲は、代表的な楽曲のみピックアップしてますが、全体のリリース数に対してRemix Verが少ない上に、海外アーティストが手がけたRemixが限られるというのが実情です。
これは予算の問題も当然あるでしょうし、海外アーティストとのコネクションの問題や、Remix Verを使われるシチュエーション不足等も考えられます。もちろん、Remix自体はダンスミュージックの文化から生まれてきたものではあるので、アーティストの特性上、Remix文化に合わないということもあります。

それでも、もっとRemix増えてほしいな。
Remixでなくとも、昔はVer違いが収録されていたりと、オリジナルとは異なるそれの方が好きな場合もあったり。

次は、海外のアーティスト作品を日本のアーティストがRemixを手掛けるという今回の逆バージョンも書いていこうかと思います。

もちろん、ここに書いていない素敵なRemixもたくさんありますので、ぜひ色々と掘ってみてください。

※私たちAmPmも、日本のアーティストのRemixもいくつか手がけています。そちらも併せてチェックしてね!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集