初夏のある日
石田ゆり子さんの『天然日和』をもって、宮城へ来た。
彼女の文章は口語に近く、少し江國香織さんの語彙に似ていて、お話するように読める本。
ある日。
この連休は随分と暖かい。朝夕は肌寒くなるけれど、日が高く昇ると薄ら汗をかくほど気温があがる。
庭にはオケラや蛙、カメムシに毛虫がわんさか。カメムシはジャコウと呼ばれ、毛虫はゲジゲジと呼ばれる。毛虫はゲジゲジというよりモコモコに近い毛並みをしている。
納屋に燕が住み着いたのか、それとも宿探しの途中か、二羽並んで呼ぶ姿が見える。この燕たち、時たま家の中に入り込んでくる。
入ってくると燕も人も大わらわ。燕は早く屋外に出たいだろうし、人も早く屋外の出て欲しいと思っているのだけど、なかなかどうして屋外に出られないもので。窓は方々開けっ放しなのだけれど。
5月の連休は気候のいい日が続くことが多く、家族も帰ってくるので、田んぼの代掻きが進んで、冬は静かな水路にどうどうと水が勢いよく流れる。
母曰く、母が小さい頃は両親(私の祖父母)が田畑で農作業をしているところにお握りやポットを持って行って、畦道で一緒にご飯を食べることも日常だったとか。
風が通ってさぞ気持ちいいいだろうなと思う。
起きて朝ごはんを食べて、昼前に一度おやつを挟み、昼ごはんを食べたらお昼寝をして、夜ご飯を食べる。ひたすら何かを作っては食べて片付けることを繰り返す。
その間に神棚やお仏壇に向かって拝んだり、掃除をしたり、本を読んだり、犬の散歩があったり、野菜をとりに行ったり、お布団を敷いたり、ひたすら家中を歩き回る。
だから夜はぐっすり眠れる。
おやすみなさい。