amori takao

ヒゲの男です。生活のために会社で働き、他の時間を奇妙でクレイジーな闘争にのめりこんで過…

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ヒゲの男です。生活のために会社で働き、他の時間を奇妙でクレイジーな闘争にのめりこんで過ごす、つつましい男である。

最近の記事

《木曜会:7月18日》

不思議なものだ。 1ヵ月前、ヒゲの男はどのような困難な仕事がやってきたとしても、その全てを完璧に仕上げてやろうというモチベーションを保っていた。迫りくる社会課題に立ち向かうヒゲの男たちは何事も恐れない。脳内のアドレナリンが出続けている状態だった。 ところが、日が進むごと、つまり時間の経過と共にアドレナリンの分泌量は減衰していき残念ながら、いつしかただの夏バテしてるおっさんに成り下がってしまった。ヒゲの男が冷泉にそのことを伝えると、「あ、わかります」と、冷泉自身も実はそうな

    • 《木曜会:7月11日》

      残酷な暑さではなかろうか。 あまりにも残酷。この状態で希望を強いるのか、まるで焼いた刃物の上で踊らされているようだ。もう持続可能などというワケのわからないことを言わずに、いっそのこと地球を爆破して欲しい。 とか、考えていると水曜日には雨が降り、木曜日はとても過ごしやすかった。 そうなると改めて、持続可能な地球環境について考え出した。そして数分後には、ひとつの真理へと辿り着いた。 つまりこういうことだ、人間はみな、余裕があるうちはキレイごとをいう。特に大人になればなるほ

      • 《木曜会:7月4日》後編

        最近、ヒゲの男の会社には木曜会のメンバーが頻繁に出入りするようになってきた。これは木曜会のメンバーに乗っ取られたのではなく『共創』だ。今年になって、日本全国で流行させようという言葉だ。 水曜日には、ムエタイ野口がやってくる。彼を迎えて新規のシステム開発プロジェクトを開始することにした。彼の経歴を社内認知しておくのが面倒だったので「彼は京都大学法学部卒業!京都大学の法学部を卒業!」と甲子園のビール売りのように連呼していたら、自然と巧くいった。 木曜日には、デザイナーの浦部君

        • 《木曜会:7月4日》前編

          映像ディレクターのタケちゃんが久しぶりに木曜会へ参加する。春からの延々と終わりのない出張で疲弊したタケちゃんは、体調不良が改善しないため断酒していたのだ。 「タケちゃん、最近は、どうですか」と冷泉が尋ねる。木曜会に来るまでにいろいろあったことをタケちゃんとヒゲの男は説明しだす。 7月4日(木)の午前中——。 この日、朝からヒゲの男と映像ディレクターのタケちゃん、そして営業部長の野球おじさんはクライアントの本社(といっても日本全国そこいらじゅうに本社とか言われるものがある

        《木曜会:7月18日》

          《木曜会:6月27日》

          冷泉の逆転満塁ホームラン これまでのあらすじ とある東北の県において、官公庁が公募している『県内全域の電波塔設置工事』の企画提案と入札をクライアントから依頼され協力することになったヒゲの男。実績はもちろんない。コンサルとしてChatGPT魔改造の冷泉に入ってもらう。『お喜楽プロジェクト』の第一弾と位置付ける。 地方都市ならではの上下関係を出張先で目の当たりにして、面倒くさいことに巻き込まれたと考えながらも、イチかバチかでオーケストラの指揮者のコミュニケーション技術を取り入

          《木曜会:6月27日》

          《木曜会:6月20日》

          新潟空港はなんだか居心地が良い。ドバイ国際空港のように広大で空港自体が要塞化されたものも楽しいのだが、そうではなく肩の凝らない気楽さが地方の空港にはある。それを「のんびり」と評すのかどうかわからないが、その中でも特に新潟空港の快適さは目を見張るものがあった。 10点満点を付けようと思ったが、大阪への帰りはめっちゃ揺れたので2点だ。今後は飛行機に搭乗する回数(n数)を半分まで減らそうと真剣に考えている。実際、先々週の仙台は新幹線で往復。先週の山型も行きは新幹線、今週の新潟も行

          《木曜会:6月20日》

          《木曜会:6月13日》

          6月13日の木曜会は途中参加ではあったが、冷泉が木曜会のコミュニティに向けて報告書を書いてくれたため、今回は見送らせていただく。ということで、前回《木曜会:6月6日》のつづきです。 6月6日(木) 朝の9時00分——。 とある東北本社の会議室に集まる。手土産は京都の銘菓「阿闍梨餅」にした。ある程度のものが売られている阪急百貨店の存在感は大きい、阿闍梨とは「先生」の意味もあり、先方への手土産としても今回のプロジェクトでのヒゲの男の立ち位置的にも合致したものだからだ。 末席

          《木曜会:6月13日》

          《木曜会:6月6日》

          ヒゲの男は、この日に開催された木曜会への臨席かなわなかった。翌日、冷泉から報告書が送られてきて、木曜会で何があったのか全体の5%くらいは理解できた。よって、今回は木曜会に関連したとあるプロジェクトの話しをしようと思う。 お喜楽プロジェクト 今回は『お喜楽プロジェクト』の第一弾として、東北のとある県全域をDX推進するためインフラ整備をしていこうというプロジェクトの末席にヒゲの男と冷泉は加わった。産学官がそれぞれ協力して成立するものだ。人の役に立つことであり、まさに「喜楽」の

          《木曜会:6月6日》

          《木曜会:5月30日》

          「ここにおる、みんな、僕は、大好き」 夜12時を回った頃、冷泉は自分の発したこの言葉を英語に訳して、みんなに伝えて欲しいと、その場にいた信子(仮名)にお願いした。「その場」というのは木曜会が終わったばかりのコロマンサで、「いた」というのは次の人たちである。 酔っぱらって顔が真っ赤になった信子は言われるまま、冷泉の言葉を英語に訳して全員へ共有するが、大して誰にも響かない。熱い男の熱い気持ちが言葉で伝わらない以上、次の手はもちろん殴り合いだ。これほどわかりやすく誰からも敬遠さ

          《木曜会:5月30日》

          《木曜会:5月23日》

          一日に寒暖の差があることは良いことだ。昼間に太陽がでていると、気温は25℃を上回り、夏に向けて心構えのできていないヒゲの男はダラっとしている。夜間はそこから10℃近く下がり、夜風が気持ち良い。よって、ヒゲの男は夜もダラっとしている。 この気候の不安定さが、不安定な毎日のリズムを過ごす人間にとっては、奇妙な安定をもたらすのではないだろうか。 このメンバーで改めて話すことなど特にないということがわかった。ヒゲの男一人のみがそう感じているのではなく、ここにいた全員がそう感じた。

          《木曜会:5月23日》

          《木曜会:5月16日》

          5月16日の木曜会には出席できなかった。なので私的日記です。 5月14日 (火) ——。 この日は、木曜会をキッカケにして成立した新規事業を主軸とした『お喜楽クラブ』というグループのキックオフ・ミーティングがあった。参加者と各人の役割をここに記しておく。 冷泉はマインドマップをディスプレイに写し出して、事業概要についてくまなく説明していく。それぞれ真剣な面持ちで冷泉の話しを聞きながら、気づいたところなどがあれば、そこを徹底的に深掘りしていく。 「自分の考えてる、ことを

          《木曜会:5月16日》

          《木曜会:5月9日》

          ここ2日間は肌寒い。桜の開花を楽しんだ先月よりも気温は下がり、着衣に頓着しなければ、すぐに風邪をひいてしまいそうである。先日、ヒゲの男が室内でゲームをしていると近くで救急車のサイレンが鳴り響いた。そして鳴り響いたその直後に金属が潰れる鈍い轟音がした。 金属の鈍い異音がした後に救急車のサイレンがなるのであれば、それは交通事故の現場に救急車が到着したのだと結論づけることができるが、今回は一般的に思い描くものと順番が逆だったので、ゲームを置いて外を見回すと救急車の左腹にタクシーが

          《木曜会:5月9日》

          《木曜会:5月2日》

          木曜会の当日、ChatGPT魔改造に励む冷泉よりLINEのグループメンバーに対して意味深な投稿がされる。 GW連休の前ということもあり、すでに北浜辺りでは人通りが少なくなっている。ヒゲの男の会社においては、この連休が明けてからの仕事量は容赦ない。なぜなら日本全国の津々浦々で田植えが始まるからだ。かといって苦ではない、自分たちが口に入れるもののトレーサビリティをこの目で見て、日本の農業で”今、何が起きているのか”を知ることによって、地に足がついた感覚が得られて楽しい。 また

          《木曜会:5月2日》

          《木曜会:4月25日》

          ヒゲの男は、木曜会前日の水曜日(4/24)に有給休暇をもらった。 読みかけの本が幾つもある、手を付けられていない本も幾つかある。アテネを経てビザンチン帝国(東ローマ帝国)において発展した、西側とは異なるキリスト教(東方正教会)はどのようにして、現在の版図にまで辿り着き広がったのか。 これについては、哲学者の清眞人氏が新著「新ランボー論」を上梓されるにあたり、新著の論評を個人的にヒゲの男へ依頼したため、改めて東側のキリスト教について学んでおく必要があった。フランスの詩人ラン

          《木曜会:4月25日》

          《木曜会:4月18日》

          日没を過ぎて、少しだけひんやりした空気が漂っていた4月18日の木曜会。この日は盛況であったため、テーブルの配置ごと各セクションに分かれての会話だったため、記録することはできない。する気もない。なので端的な報告書になるが、そこは我慢していただきたい。 ヒゲの男が19時前にコロマンサに行くと先週は木曜会を欠席したファラオがいる。「キミ、欠席の報告を冷泉にだけしておいて、僕には何も情報共有がなされてなかったね」と、早速ファラオに突っかかるヒゲの男。 「冷泉さんに伝えておけば拡散

          《木曜会:4月18日》

          《木曜会:4月11日》

          ヒゲの男は、なんだかヘロヘロな状態が続いている。期日が迫っていたいろいろな仕事は無事に世の中へ出て行き、ホッとしたのかどうなのか、とにかく体がスッキリしない。非常に気だるい。季節が春になったからかも知れない。見渡せば、そこいら中に気だるそうな人が沢山いる。 ヒゲの男は木曜会に出席するため、北浜にあるコロマンサに行く。しばらくして冷泉が高価なウイスキーを片手にやってくる。「ファラオさん、今日は休むみたいですね」と持ち込んだウイスキーを飲みながら冷泉は王様の不在を教えてくれた。

          《木曜会:4月11日》