マレーシア生理の話
先日こちらのオンラインイベントに参加しました。
私は自然科学系フィールドワーカーではないんですが、フィールドでの生理体験に思うところがあり…。
関心があるテーマだったので皆さんのお話がとても面白かったです。その感想と合わせて、主にマレーシアのサラワクで体験した自分の生理生活の話をシェアできればと思います。
元々マレーシアでの生理体験のネタはあったんですが、なかなか書き時・話し時が分からずこの話は長い間下書きで眠ってました。
それでもこのイベントでパネリスト・参加者の方々が互いに自分の経験をシェアしているのを見て、また似たような体験をされている方がいるのを知って、かなり心が軽くなったというか安心したというか。ようやく話を書きあげることができました。
長めの話になったのと、良ければ心の内をそのまま吐き出した文章で受け取ってもらえれば、なんて思ったので。ここから下はですます調に直さず、下書きのメモをほぼそのまま載せました。文体が変わるので注意です。
「聞きたい!フィールドワークと生理のはなし」
今回のオンラインイベントで共有されたのは、日常の生理のことからフィールドでの研究調査の時の生理の話。
大変なことやどう乗り越えているか。チャット機能も使って参加者同士の共有や相互のやり取りなども。久世さんはマレーシアで調査をされており、マレーシアの生理用品事情やピルの価格などは頷きながら聞いていた。
次回はオランウータンやボノボといった大型類人猿の生理の話!?が聞けるかも、とのこと。このイベントに関心がある方はnote・Twitterで続報を待つと良さそう。
登壇者のお三方はTwitterアカウントあり。名前で検索→木村由莉さん・徳山菜帆子さん・久世濃子さん
どの話も面白かったけど、木村さんの「野営をしていた時に野犬がピンポイントで生理中の自分のテントに寄ってきていた」という話のインパクトが強すぎた。
動物相手のことまで考えたことがなかったけど、生理中であることで自分だけでなくチームを身の危険にさらしてしまう(サメやクマなど)リスクがあるというコメントに目から鱗。確かにクマなんかは怖い…。
そして一番気になっていた、使用する生理用品と使用後の処理の話。
熟練の方はきっと何か特別なものを使っているはず…!?と思いきや、皆さん意外と紙ナプキン派。
使用後はジップロックなどで保管して外から持ち帰って捨てると。単純にどの方法が一番多いか想像ができなかったので、結局のところやはり紙ナプキンなのかと驚いた。
月経カップが良いとおすすめするコメントに対して、水が豊富に使えない地域(水源から遠い等)ではやっぱり紙が便利、という回答はまさしく…という他ない。地域やその滞在先のコミュニティの環境によって選ぶものも変わるよな、と。
そういう点では水が豊富にある地域に行った私は布ナプキンを選択肢に入れることができ、環境のことを考える余裕があったのだと気づかされたな。
高地で調査していた友人が、水がとにかく貴重でいつも水源を探して水くみをしてる、お風呂なんか入れない、と言っていたのを思い出していた。
また、海外でも紙ナプキンは買えるけど、やはり肌触りや質は日本のものが良いので、結局は日本から限られた荷物に工夫して生理用品を詰めて持参する話。不安だから多めに入れたいけど荷物がかさばる…という葛藤。
すごくわかる。フィールドワークに限らず、例えば旅行に行くのに生理が重なってしまって、枚数やらに悩む感じ。みんなやっぱりどうするか悩むよなあ。
パーソナリティの徳山さんが、「アフリカで使用後の紙ナプキンはトイレ(地面に深く掘った穴)に捨て、焼かずにそのまま埋める。でも環境のことを考えると紙ナプキンを地面に埋めるのはうしろめたさがある」と言われていたのもすごく同感。めちゃくちゃ同感。
ごみ回収のない地域だと、紙ナプキンを使った後の処理をどうしたら良いのか?
多分そういう土地では最終的に自然の中に捨てたりするのがデフォルトになっていることが多いと思うけど、私はそれがかなり後ろめたい。川で洗濯して洗剤をそのまま流すことに対するうしろめたさと同じ。
木村さんが言及されたような、土に還る素材でできた生理用品。そんなものがあればすごくいいんだけどな。
フィールドでのおトイレ事情
そして生理の話に関連して出てきたトイレ事情の話(主に野外)。
隠れる場所がない時は車の陰でする、予め声をかけて背を向けてもらう…。先述の高地で調査をしていた友人は、隠れるものがない草原で用を足すときは傘で隠すといっていた話を思い出した。
そして同時にサラワクで習ったサロン(Batikの腰巻)で目隠しをして用を足す方法がすごく有効なスキルだということを再確認。
サロンを使った用の足し方:筒状の腰巻・布を用意し、身体を中に入れる。布の上を口元まで上げ、てるてる坊主のように絞って口で噛む。ズボンをおろしてしゃがみ込み、筒で身体を隠して用を足す。終わったら立ち上がると同時にズボンをあげて終了。小学校のプールで女の子が使う筒状のバスタオルと同じ感じ。これが簡単なようでなかなか慣れないもんで、前だけかくして実はお尻が丸出しになってたり、身体に近すぎて布におしっこをかけてしまったり、地面の傾斜を考えてなくて、後ろの布が地面に触れていて流れたおしっこで濡れちゃったり。そんな諸々で慌てた瞬間に思わず口から布を離してはらり…なんてことになって余計パニックになったり。思い返しても笑ってしまう。
使用前イメージ画像↓トイレのない場所の長時間移動には欠かせない。
イベントの報告noteも出ていたので、気になる方はこちらから。
それでは次に私個人の生理経験の話を少々。。
布ナプキンへの移行
フィールドワークに関係なく、ちょうど大学に入った頃から私は布ナプキンに関心を持っていた。環境のことと、頻繁な生理用品の買い物に嫌気がさしていたから。
高校生の時から生理用品はお小遣いから買っていたが、一人暮らしを始めたことで、当時は自分に合う生理用品を見つけようと色々なブランドのものを試していた。
楽しかったけど沢山の種類を買えば当然場所もとる。昼・夜・軽い日・パンティライナーなどそろえると、一見沢山あるようで常に何かしらが少なくなり、買い足す日々にうんざり。。
加えて大学に入ってから生理痛が重くなり、大変な思いをしていたこともある(原因不明の腹痛…思い返せば多分生理痛で、一度救急車を呼んでしまったこともある)。
どうにか生理痛を軽くする方法を探していて、「布ナプキンは身体を温められて良い」という紹介を見て、とにかく試してみようかな、という気にもなっていた。*紙ナプキンに比べると布が層になっているから身体を冷やさない…という話だったと思う。どの程度良いのかは謎。
そんな時とあるイベントで実物の布ナプキンを発見し、購入。
意外に扱いやすかったこと、生理用品の買い出しから解放された清々しさから徐々に枚数を増やし、布ナプキン派に移行。
私が布ナプキンと偶然出会ったとあるイベント→長崎県西彼杵郡の雪浦(ゆきのうら)というところで開催されているイベント「雪浦ウィーク」。当時イベントに参加されていた雑貨カフェで売られていた。
その後フィールドワークを行う研究室に籍を置き、離島やら高山やら僻地に調査に行く先輩の話を聞き「やはり布ナプキンの方が良さそう」となんとなく感じていた。
初めての生理@マレーシア/2014
マレーシアに初めて渡航したのは2014年。1年間の派遣留学でサラワクへ。
留学といいながら、合わせて現地で卒業研究とそのための調査もしようと考えていた。現地でも買えるだろうということで確か初めは紙ナプキン数枚、そして布ナプキン一式を日本から持参した。
そしたらなんと現地到着日からさっそく生理に。
大学の寮の設備もわからず、その前にそもそも大学に着く前からこんな状態ではまだ布ナプキンは使えない。
布ナプキンは文字そのまま、布に血を吸わせて使用後に洗って干してまた使う。できれば使用後は早めに洗った方が血が落ちやすいし、布を捨てるわけではないから交換後洗うまでは荷物に入れて移動する必要がある。寮の水場や、そもそも水がちゃんとでるかも疑ってたので、布ナプキンはあるもののそこを確認せずには使えないと思っていた。
大学寮に行く前に生活用品の買い出しに寄ってくれた留学生課の方に伝え、GiantかTescoかDIYか、倉庫型スーパーで一緒に生理用品を探してもらった。
その時私は生理を英語で何というのかも知らず、天井の広いスーパーの片隅で必死に荷物から電子辞書を引っ張り出して「生理用品を買いたい」と伝えたな。
幸い留学生課の方はふくよかなマレー系のおばさまで、恥ずかしさはあったものの伝えるハードルは低かった。
ようやく探し当てた生理用品コーナーは、見慣れないパッケージの袋が数種類乱雑におかれているだけで、見つかった安心感よりは心細さ…?海外の知らない土地で一人という孤独感をより感じたのを憶えている。
ちなみに同時に同じ大学へ派遣された友人は、ロリエの昼用・夜用をそれぞれ大きなパッケージで持参していた。
沢山ありすぎて、彼女は1年後の帰国時に全てを使い切っておらず、帰国が少し先だった私に残りを譲ってくれた。この時に残した最後の1枚が、後にフィールドで使う思い出深い1枚となる。
大学の友人の驚きの話/2014
大学での寮生活。1人部屋x2、2人部屋x2、3人部屋x1が入った9人部屋で、私以外に10人のマレー系女子と一緒に生活していた。
トイレとシャワーが2個ずつついていて、シンクとリビングが共用(といいつつ、大体どの部屋もそうだったけど2個あるうちのトイレとシャワーは1個ずつ壊れてた)。エアコンなどはなく、ベッドには薄汚れたマットレスと天井のファン。
本来ここは9人部屋だというのに、なぜかそこにルームメイトの友達という子が2人追加で住み着いていて、合計11人でその部屋に住んでいた。
意味が全然分からなかったけど、この時のルームメイトとはとても馬が合い、一緒に暮らしたことは留学時の一番の思い出でもある。
幾つか写真を紹介。2014年当時。
一人部屋の中はこんな感じ↑
本当にここで寝るのか!?と衝撃を受けたマットレス。新しいシーツを敷いて1年間使った。
シャワー室↑。冷水のみで夜間や早朝はキツかった。排水溝の蓋を開けっ放しで洗濯してしまい、パンツが1枚吸い込まれた。
そんな寮には部屋・寮全体どこにも洗濯機がなく、衣類は皆バケツで手洗い・ベランダ干しだった。
↑左端に写ってるバケツで服を洗い、ベランダの物干しに干す。
普通に布ナプキン生活を続けており、干す場所には気を遣いつつも皆と同じベランダの片隅に干していた。それをみていたルームメイトの一人が、ふと「あれって何なの?」と尋ねて生理の話になった。
そしたらその子が「自分は使用済みナプキン(紙)はお風呂で洗って血を流してから捨てている」と言い出したので驚いた。それは知らない世界の話すぎる。
なぜ洗うのか聞くと、「身体から出たもの(血)をそのままゴミ箱に捨てるのは良くない」というような話だった。
けがれの話なのだろうと思ったが、同時にどことなく「自分の身体から出たものに、もし万が一何か悪いことをされたら…」という、どこか呪術的なニュアンスもあったように思う。
マレーシアの呪術の話はこれまでサラワク先住民と半島の中華系の知人としかしたことがなく、マレー系の知人・同年代の意見はまだ直接聞いたことがない。彼女は身体の話に対しては割と恥じらいを示す子だったので、あまり具体的なニュアンスはわからなかった。もしかしたら「呪術的」というのは私の勘違いかもしれない。
その時私が信じていないと思った彼女は別のルームメイトの部屋を開け、その子にも「洗ってから捨てるよね?」と直球で尋ねた。
尋ねられた子も普通に「うん、洗って捨ててるよ」とあっさり答える。そんなに当たり前のことなのか?と開いた口が塞がらない。
「紙ナプキンなんて水を吸ったらとんでもなく膨らむし、洗うのすごく大変じゃない?」「結局洗うなら、私が使ってるような布ナプキンの方が良くない?紙に比べたら洗いやすいし、再利用できるから環境にも良いと思うよ」
と言ったけど、二人とも一度使用したナプキンを、たとえ洗ったとしても再利用するのは気が進まない…ということで布ナプキンは受け入れてもらえず。
その後布ナプキンから別の話に移ってしまって、紙ナプキンを洗う話はその時限りになってしまった。
この時以来、まだマレー系の人とこの話題をしたことがないため、これがどれほど一般的な話かは分からない。時代や地域によるものなんだろうか?
ちなみにこの話をしてくれたうちの一人はKedah州出身で、もう一人はKL出身(確かお父様?はKelantan)。
強いて言えば他のルームメイトに比べると、礼拝や身だしなみに特に気をつかっている二人ではあった。
確かその時、家には他のルームメイトもいたと思うけど、一人目の彼女がまっすぐに別室の二人目の子に聞きにいったので、「この人なら絶対洗ってる!」という確信があったのかもしれない。
今でもたまに思い出すけど、そういう習慣があるものなのかは今も気になっている。
フィールドでの初めての生理生活/2015
それではようやくフィールドでの話。
フィールドと呼んでいるのは、現地に滞在して研究調査を行う研究地のこと。留学は1年間だし、どこかしら見つかるだろう、などと呑気に構えていたがこれがが最後までなかなか決まらず。
最終的には知人のつてで、「今度山の奥へ行く知人がいるから、その人達について行ってみる?」という話に乗りバラム川の上流域に行くことになる。
出発前には行先がどんな場所なのか全くわからず。それでも伝統的な暮らし(できれば木造高床式のロングハウスとか…)のコミュニティに行けるといいな、とは思っていたので、ある程度街に比べると不便な山の生活を予想していた。
帰国までの間に残された調査期間は約1ヵ月半。
そして幸いなことに出発前に生理が終わったので、1回だけ現地で生理を過ごすことになる。
おそらく一般にあるようなごみ回収が無い場所だから、念のため紙ナプキンを持参しつつも布でやり過ごそうと考えていた。
この時に持って行った紙ナプキンというのが、先に日本に帰国した友人から譲り受けたロリエの多い日昼用スリムだった。淡い黄緑色のパッケージで、本当に薄くてかさばらない1枚だった。
村で目にした衝撃の景色
旅の結果たどり着いた村は、街と呼ばれるような場所から車でプランテーションと木材伐採のための未舗装道を走って6~8時間ほどの場所。
100人くらいの人が住んでいて、最寄りの村Aまではエンジン付きカヌーで川をゆき20分、又は陸路だと村Bまで車で2時間。
2014年当時ガスや電気などの公共のインフラはなし。水は川から各家庭に引かれていた。
生活の中で出るごみの最終処分は川に捨てるか、崖やくぼみに向かって捨てるか。おそらく中にはものによって焼却処分する家庭もあったと思うけど、滞在中はほとんど目にしなかった。
突然外から来た私は他人の生活にとやかく言えない…が、プラスチックごみを川や崖から捨てるのは環境に良くない。。
そしてこの方法だと、自らが出したごみが身近な場所、目と鼻の先で腐敗していく・または自分か他人か、再び人の目に触れる可能性が高い。
実際に現地に到着してすぐの時、どこかの家の犬(犬を飼っている家が多く、100%放し飼い)が、まさにその辺に捨てられたであろう使用済みの赤ちゃんのオムツを引っ張り出してきて、バラバラに引き裂いて道端に散らかしていたのを目にした。
イノシシや鹿など動物の骨なんかがあると、ちょっとした崖から捨てても喜んで拾ってくるし、これは使用済みナプキンなんて迂闊に捨てて引きずり出された際にはとんだ赤っ恥だ・・・と一人冷や汗をかいていた。
まさかの展開、そして懺悔
そうはいっても何もかも分からない場所での生活。布ナプキンだけではどうしようもなく、ついに紙ナプキンを使う日が来た。
その日は1泊2日のピクニック、ということで普段滞在していた家の人達と別の人の家に泊まることに。その家は集落や他の家から離れたところに建っており、幅3,4mほどの小川の横にあった。
ほぼすべての布ナプキンが洗濯中・乾き待ちだったため、とにかく仕方ないと紙ナプキンを使用。本当は良くないが、それで半日かほぼ1日過ごして枚数を節約してやろうう、などと考えていた。
しかし物事は思った通りには進まない。
ピクニックのメインイベント!魚とりに行くからついておいでと誘われた先で、なんとそのまま(着衣のまま)大きな川に浸かることになる。
女性陣は家でご飯の用意をするからあなただけいっといで、と送り出されていたため同行していたのは男性のみ。せっかく誘ってもらって森を歩いてそこまで付いて来て、ここで「生理だから川に入れません~」なんてスーパー言い出しにくい。
結局覚悟を決めで水に入って川登り・魚とりについて行った。諸々一息ついた時、景色の良い岩場で写真を撮ってくれたりしたけど、とにかく私は水を吸ってパンパンにナプキンが用を成さず、血が漏れてこないか気が気ではなかった。
用もないのに「あ~、外より川の方が涼しいな~」などとごまかして10分に1回川に浸かり、水面下で必死に気持ちだけでも股の血を洗い流していた。
家に帰る道のりも、とにかく先に行ってくれと道を譲り、重いナプキンのせいでずり落ちるズボンを何度も引っ張り上げながら森を歩いて帰った。
参考写真:ロリエの極薄と一緒に入った川。ちょうどこの写真2枚の中間あたり、川の深さもあるけど岩もゴロゴロしてるような場所での出来事だった。
家までたどり着いた後も。頼りにしていたロリエが予定よりも早く、また思いもしなかった形で強制的に選手交代となってしまったことで私はナプキンの処理に焦っていた。こんな形でロリエ極薄の吸収力を実感することになるとは。
まずこの家に来たばかりでごみの捨て場所がわからない。とりあえず川の真横、高い場所ではないので手近な崖もない。熱帯でかばんの中にしまい込んで機会を伺うわけにもいかない。
川に捨てようにも、大きな川に流れ出るまでこの川は浅瀬が200mくらい続く。途中で引っかかって、明日また魚とりに行くときに発見されでもしたらと考えると恐ろしくてたまらない。
とにかく急いでどうにかしなければと思った私は、最終的になんとかナプキンを小さくまとめ、川の反対側、草木が茂った箇所めがけて全力でぶん投げた。
悲しいかな、思ったほど奥まで飛ばずに近くの茂みに吸い込まれてしまったけれど。とにかく処理して早く皆のもとに戻らなければと思った私はそのままその場所を後にした(他の人が私の水浴びの順番待ちをしていたため)。
いつ思い出しても、使用済みナプキンを焼きもせず埋めもせず、また他人の生活範囲に黙って投棄するなんてとんでもなく環境に悪く、また失礼なことをしたと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
20代も後半になり、正直に家のお母さんに話して焼却でもさせてもらえば良かったと今では思うが、当時は経験も浅く完全にパニックになっていて全くそんなことは言い出せなかったなあ。
ちなみに。2年後にこの家を訪問した時、私がナプキンを投げ捨てた茂みを含む川の反対側は焼畑用に開かれていて、大きく育った陸稲が風にそよいでいた。開墾した時に何か出てきたか、見かけたかは怖くて聞くことができなかった…。
フィールド生理生活リベンジ/2017
さて、1回目の経験を踏まえ、2回目の生理対策はばっちり。
今度の滞在期間は約半年。普通に考えて6回は現地で生理になる。布ナプキンの普通サイズを5枚、夜用1枚で紙はナシ。
前回みたいな失敗はしないと心に決めた…にも関わらず、この時も結局は準備不足を感じるはめに。
布ナプキンの良いところは洗って再利用でき、ごみが出ないこと。難点のひとつはかさばること。
バックパックに入る限られた荷物を厳選していた時、積み上げた布ナプキンのスペースを考え、つい私は枚数をケチって減らしてしまった。
それも向こうは熱帯、暑くてすぐ乾くしいけるいける!と楽観視していたためだ。
到着してみれば、ドンピシャなタイミング生理中に長雨にあたってしまう。天気が良ければ1日で十分乾かせるのに、洗ったものが全く乾かない…。
生理は止まらないから、1日に3~4枚はナプキンを使ってしまう。1日、2日と雨が続き、ちょっと前の余裕はどこへやら。あっというまにピンチに陥ってしまう。
渡航前の浅はかな自分を恨みながら、半分くらいは乾いたマシなもの…と持参した手ぬぐいをやりくりして何とか乗り切ったのであった。
今のところ研究地で生理にあたったのはこの時が最後だが、次は絶対に枚数をケチらず、完璧に用意して行こうと思っている。
全ては後ろめたさのない健全なハッピー生理ライフのため。
フィールドの人と生理の話をするか?という話
冒頭で紹介したオンライントークでも話題に上がっていたが、思えば私も現地の人とは生理の愚痴以外の話をしたことがない。
唯一、同年代のクニャの女の子の一人と「私は量が多くて大変」「腰が痛い」「すごく量が多いんだよね」というような会話をした。
彼女は生理中はチリを沢山食べると言っていた。曰く、体内の血が早く出ていくらしい。真偽は不明だけど、冷えがちな身体があったまってよいかな?と思う。
そんな彼女、私が干した布ナプキンを見て、「あれって生理用の?」と関心を持って色々話を聞いてくれた。「使ってみない?今度日本から送るよ」と言ったら割と乗り気で、結局1枚日本からプレゼントで送った。その後まだ直接話す機会がないんだけど、それから使ってみたかなあ。
「そこまで踏み込んだ話をしてるんだから、その時ついでに現地のナプキン事情を聞けばよかったじゃん」という思い。ごもっとも。次の機会に聞けたら聞きたいと思っている。
番外編 布ナプキンの内訳
ここからは番外編。この話を書くにあたって、そういえば自分の布ナプキンって今どのくらいあるっけ?と思って数えてみた。
結果:
パンティライナー(全長15㎝薄め) 3枚
軽い日用(全長15㎝厚め) 1枚
ひし形(全長25㎝厚め) 5枚
三つ折り(25㎝四方薄め) 5枚
夜用(全長30㎝+厚め) 2枚
計 ライナー3枚 ナプキン13枚
このうちひし形と三つ折りが普通の日用。ひし形1枚のナプキンの内側は何重かの布の層になっていて、防水シート入り。三つ折りはハンカチみたいに1枚の四角い布で、自由に折って使う。
↓ここのHPの画像でイメージがつくかと。
偶然note記事を見つけたけど、まさにここのブランドの布ナプキンも使っている。
合計13枚のナプキン、全てたたんで15x25x10のポーチに収まるサイズ。箱ティッシュより少し大きいくらいのスペース。
だいたい~8年ほど使っているが、傷みはほぼなし。パンティライナーが1枚だけ生地が薄くなってきている。
サラワクの寮生活でスコールの強風に飛ばされて行方不明になったものを除き、まだ1枚も捨てていない。
1年間の中で強風で飛ばされたのは布ナプキン1枚、パンツ1枚。しかもパンツに至っては寮の渡り廊下の屋根に乗ってしまい、回収できないまま帰国した。半年以上、「まだあそこに引っかかってるわ~」と確認しながら過ごした。これもマレーシア生活恥ずかしくも笑える話のひとつ。
私は生理痛やら諸々の症状緩和のため数年前からピルを飲み始めたが、ピルを使用すると血の量も日数も減るので使用枚数が全然違う。
ピルありだと生理日数が4~5日で三つ折りかひし形5、6枚で回せる。
ピルがないと生理日数が7~10日で夜用含め8枚~ほぼ全てを使い、頻繁に交換して洗ってを繰り返す。
ちなみにピルを使用していると夜用は使わず普通のだけで済む。ピルを使っていないと1枚は使う。
月経カップにも関心はあったが、体内に何かを入れることへの恐怖心が大きくあまり試す気持ちにならない…。(タンポンも同じ理由で怖い。月経カップって交換時に手が血だらけにならないんだろうか?)
最近気になっているのは吸水ショーツ。
要は布ナプキンと同じように布に吸わせて後から洗うもの。ショーツが直接吸うので、下着の中で布がかさばったりズレる、漏れる、染みることがない。交換の手間もない。
排出された血と1日過ごすのは水を吸った激重ロリエを思い出させるけど、便利そうだから使ってみたいと思っている。マレーシアにないかなとShopeeなどを覗く日々。
そんなこんなで今回のお話は以上です。
個人のつぶやきに長々とお付き合いいただきありがとうございました!
私のnoteで何か発見があったり、考えるきっかけになったり、純粋におもしろいと思ったり。投げ銭せずにはいられなくなった時、よければどうぞ!