義務教育の不自然(4/4)【この違和感は私だけ?16】
義務教育の教科書には一応載っていたので、記事を再編集しました。
教育に政治的中立性という名の介入
政権側(権力者側)に都合の悪いことは教育しない代わりに、自分たちに都合のよいことはやるんだなと思いました。公民の教科書は、たぶん図書館に置いてあるので、興味のある方は読んでみてほしいと思いました。
・実際、中学生にできる政治参加があるのに、その方法がわかりやすく書かれていない
と感じました。
大学のテキストには、はっきりと戦争や軍拡を否定する言葉が書かれています。
歴史を見て、しっかり研究してテキストにまでなっているのに、政治的中立性がないという理由であいまいに教育するのは、おかしいと思います。
公民の教科書には、池上彰氏の言った言葉も載っています。
あたかも、テレビのニュースや新聞が正しいように聞こえて、誤解を与えると思います。
義務教育の教科書は検閲が入っているけれど、大学のテキストには入っていない。
政府の言うとおりにしないと降格させられたりするからだとも聞きました。
昨日までのルールが、ある日突然首相の一言で、180度変わる。今まで、「必死に法律を勉強してきたのに、それがある日突然180度変わる。こんなやり方はテロだと思った。」とも言っていました。
気になる方は映画「妖怪の孫」をご覧ください。
やばい教育改革
安倍政権下の教育改革で、天皇を大切にする国家主義に戻そうとするおかしな動きがあって、道徳が重視されたり、政治的中立が入ってきたりした、という記事、これも興味深いのでぜひ読んでみてほしいです。
この教育改革のもと、学校での体罰はしつけだと認める流れにもなったそうです。
点数競争の激化、教員免許更新制などなど現在に至る教育問題の元凶が盛りだくさんです。
前川 喜平(元文部科学事務次官)『安倍政権下の教育政策』https://www.jstage.jst.go.jp/article/gakusyusyakai/16/0/16_4/_pdf
隣の芝は青く見える?
北欧の教育の話を出すと、「隣の芝は青く見える」というような、日本の教育は優秀なんだということを言う方がいらっしゃいます。点数で見ると理数系はたしかに良くなっているようです。
それはすごいと思いますが、一方でこんな簡単なことは教えないでまるで、政治が難しくて理解ができないように思われている。これで日本の教育は優秀なのかな?
政治が難しいせいで、世界でも高い理数系の点数を叩き出しても、それを自分たちの身近な問題解決に利用できず、一人一人の生産性がとても低い人たちになってしまっている。
とても勉強して裁判官になったって、正義感さえも「降格」の一言に押さえつけられて、間違えたことでも、国民を味方につけることができない。
受験戦争のゴールの先に、何が待っているのか?一度、考えてみてほしいと願います。
みんなで声をあげれば、変えられるのに、そのみんなを集めることを難しくさせている。
そんなふうに感じています。
参考
参考図書もいろいろおもしろかったのでおすすめです。
新藤宗幸『「主権者教育」を問う』岩波書店、2016年
前川 喜平(元文部科学事務次官)『安倍政権下の教育政策』https://www.jstage.jst.go.jp/article/gakusyusyakai/16/0/16_4/_pdf
文部科学省『教育の政治的中立性(根拠法)』https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo1/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2013/07/29/1338051_06.pdf
自治体問題研究所『【対談】ライオンの檻を意識してみませんか』
https://www.jichiken.jp/article/0103/
杉原泰雄著『憲法読本第4版』岩波ジュニア新書、2014年
憲法99条
映画『妖怪の孫』
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