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ずっと忘れられなかった人が夢に出てきても、もう平気だった。
朝起きて、なんだかずいぶん幸せな夢を見ていたなぁと思った。
10年以上前に好きで、すごく好きだったけど、たったの2ヶ月で振られてしまった相手のことを夢に見ていたんだった。
その夢の中では、わたしは「上手くやれて」いて、ふたりは仲良く笑っている。
年に何度か、定期的に見る夢。
もうとっくに別の人と結婚しているのに
目が覚めている時に考えれば、もうとっくに過去の人で、顔さえもぼんやりしてきているのに
ほらほら、まだ未練があるでしょう?
全然、忘れられてないでしょう?
夢の中では、こんなに幸せそうでしょう?
そう言って、無意識の魔物がニヤニヤしながら、蓋をして見ないようにした願望を突きつけてくるようで
目覚めたあとは、いつも、がっくりと崩れ落ちる。
わたしはまだ、心の奥底ではこんなにも
引きずっているのか。ジーザス。
だけど、今朝はなんだか様子が違っていて
「あぁ、なんだかすごく、幸せそうだったなぁ」
それでおしまい。
そもそも ね?
「夢の中に出てきたすごく好きな人(※夫ではない)」
イコール、「昔好きだったその人」だと
勝手に結びつけていただけなのかもしれない
だって、夢の中での顔なんて覚えていない
「夢の中で、すごく好きな人と一緒にいたねぇ(※夫ではない)」
それでおしまいで、よかったんだな。
これまでもずっと。
どうして、その夢にそれほどこだわっていたのかを、知っている。
引きずっていたのは、恋心じゃなくて自責。
たぶん最初は、彼のほうもわたしを好きだったのだ。
なのに、一緒に過ごした短い期間で「やっぱり無理かもしれない…」と思われて、別れを切り出された。そのことが何よりも、わたしの自尊感情をボコボコにした。
空気が読めなくて、気が利かなくて、呆れられて
きちんとコミュニケーションをとらないといけないところで間違えて、ひとりで早とちりして、空回りして、いらんことして
全然だめだった。
ほんとにもう、全然だめだった
その時の自分をずっと責めていた。恥じていた。
歳を重ねて、経験値も多少は増えて
もうあんな風にならない
次はもっと「上手くやれる」
それだけを意気込んでいた
恋心はもうとっくに成仏していた。
上手くやれなかった、だめな自分は
まだずっと変われていないまま
受け容れることも、手放すこともできずに
だから、夢に出てきた時に
あれほど愕然としたんだ。
まだこんなに、こだわってしまっている。
それからも色々な変化があって
気づけば10年以上の月日が流れて
自分に対して少しずつ、許可を出すことができるようになっていって
いらない恥や思い込みを
すぱすぱと手放して捨てていった、今。
なんかもうどうでもいい。
冒頭のように、夢に出てきたとしても
「幸せそうだなぁ、よかったなぁ」
それでおしまい。
上手くできなくても、空回りでも、たまにコミュニケーションを間違えても
肩の力を抜いて
そのまんまで
一緒にいられる人が
わたしの好きな人
だから、もういい
たどり着いてみれば、なんてことはない着地点
それでいいのだ。
「夢の中で、すごく好きな人と一緒に笑っていた」
わたしを長らく縛りつけていた夢は、10年以上の時を経て
ただの幸せな夢になった。
ひとつの感情の、奥にある感情に 気づけたとき
それだけで傷は癒えたりする。
時間はかかったけれども。
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![山本麻莉](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112990311/profile_62d35fd38652e0c1b5a4c46458819190.jpg?width=600&crop=1:1,smart)