【エッセイ】母の日~日頃の感謝を手紙に込めて~
昨日は母の日。読者の皆さんは、お母さんにギフトを贈ったり、どこかに連れて行ってあげたりしただろうか。
私はというと、母にケーキをプレゼントするわけでもなければ、ちょっとゴージャスなディナーに連れて行くこともなかった。ごくごく普通の日曜日の時間が雲の如く流れていった。
だが、記念日に欠かさず行っている習慣は絶やすことはしなかった。その習慣とは、手紙を書くこと。母の日や誕生日には欠かさず一筆メッセージをしたためることにしているのだ。
昨夜も自室の机に向かい、日ごろの感謝の気持ちをどうやって文字に起こそうかと、悩みに悩みながら便せんに書き綴っていった。いつも家族のために仕事や家事を頑張ってくれていることへの感謝や、どんな時も私の良き理解者であり味方でいてくれていることへの感謝、などなど思い浮かぶだけのありがとうの気持ちを込めてメッセージを書いていった。
便せんはシンプルな罫線しか印刷されていなかった。空白があるのが寂しかった。だから、ネットで「花のイラスト 描き方」と検索し、見よう見まねで、一発書きで、花のイラストを加筆した。あんまりごちゃごちゃするのも嫌だったから、ちょこんと2輪のお花を添えた。
リビングの扉を開けて手紙を渡すときは、ちょっぴり気恥ずかしかった。そんな気持ちをはぐらかすために、でたらめな鼻歌を歌い、両手で卒業式の証書授与みたいに恭しく母に手紙を手渡した。
母は手紙をとても喜んでくれた。「ありがとう。花のイラストも描いてくれて、嬉しいよ」と。母のその言葉を聞いて、私まで心の中が暖かくなった。手紙を書いて良かった。
話が脱線するかもしれないのだが、母は今まで渡した手紙を全て保管してくれている。(ちなみに父も自室の壁に今までの私の手紙を貼ってくれている)保管場所は冷蔵庫のサイドや扉で、マグネットで留めてある。小学生の頃から手紙を書き続けているが、それらも全て取っておいてくれる。そんな母の優しさに感謝してもしきれない。
来年は(事が無事に進めば)社会人になるということで、フラワーギフトでも買ってあげたい。それか、今年の誕生日に素敵な何かを探して贈ろうかな。