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【詩】窓

窓を開ければ風が吹いた 風が吹いた
カーテンがはためき
ティーカップの紅茶に花びらが落ちた

読みかけの本を机に置き
書きかけの日記を引き出しにしまい
旅に出かけよう

眼の前に広がるのはだだっ広い牧草地
呑気な牛たちは草を食む 草を食む

切り株の側にはシロツメクサの絨毯
少女たちは冠を編む 冠を編む

木漏れ日を落とすのは昔からある大樹
葉っぱたちはシマリスとかくれんぼ シマリスとかくれんぼ

窓から投げた紙飛行機は旋回して空へと
飛び立つ 空へと飛び立つ
機体には小さな落書きが1つだけ

窓を開ければ鼻歌が聞こえる 鼻歌が聞こえる
聞き覚えがあるちょっと音程のズレたメロディー

窓を開ければ世界が広がる 世界が広がる
窓を開ければ日常が変わる 日常が変わる

ひなたぼっこする猫のあくびが聞こえる
本に挟んだ栞は風に舞ってどこかへ消えた





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