ふわふわのトラ
3年前から、トラといっしょに住んでいる。
名前はまだない。トラはトラである。
渋谷のIKEAにいたなかでいちばん愛らしい子を連れて帰り、それ以来私のベッドに毎日寝転び続けている。
ずっと無表情で、優しい目をしていて、ふわふわで、私のお腹を温めてくれる。
そして、なにより、どんな私でも受け入れてくれる。味方になってくれる。
「最後まで、絶対に自分の味方でいてくれるのは自分自身しかいない。」
ずっとそう思いながら生きている私にとって、この、優しい青い目をしたトラは、大きな心の支えになっている。
もちろん返事はしない。答えは出ない。洗濯丸洗いだってできてしまう、ただのぬいぐるみでしかない。
けど、今の私にとってとても大切な存在。
強くたくましく、ふわふわボディで私をなにかから守ってくれている気がする。
(トラがいる限り犬や猫は飼えないな、腕とか噛みちぎられたりしたら大泣きしちゃう。)
ジャスミン王女がトラのラジャと共に生活しているのも、強がる自分を優しくたくましく守ってくれる存在が必要だったからなのかな?
今日みたいに心が弱っている夜は、トラといっしょにそんな呑気なことを考える。
24歳にもなって、ぬいぐるみに頼って生きるなんて小さい頃は思ってもみなかった。けど、最近歳を重ねるごとにフワフワしたものが愛おしい。その癒しに頼りたくなってしまう。
だから、今日もふわふわのトラといっしょに穏やかに寝るんだ。