ある人生とダイエット③
ポスティングダイエット
72→69→66→63→…
本当の、無理のないダイエットは年3kg。
しかも、動くダイエット。
ものを書くのが大好きで、運動するくらいなら死んでやる!的な私には、“動いて痩せる”は全く以て縁遠い世界だったのですが……
知人がポスティング会社の事務員になった
その上彼女は強引な人でして、その時期、私は何度も何度も、
配布員が足りないの。
手伝って!!
拝み倒されて拝み倒されて手伝わされているうちに、先方の会社にもすっかりアテにされてしまって……
気がついたら三年くらい手伝っていました。
配布員のいない地域ですから、当然難所です。
山坂。
高所の戸建。
エレベーターのない中層マンション。
集合ポスト形式をとらない団地など、さまざまなところへ行きました。
週二日にすぎない作業。
でもこれが、落ちるのです。
ムリなく自然に。
一年め。
マイナス3kg。
二年め。
マイナス3kg。
三年め。
やはりマイナス3kg。
計ったように減っていきました。
計9kg。
やめた今はもとのもくあみです。
もう若くもないので、これまでのようには動けないですし、これからは大きくなる一方でしょう。
ただ私には、経験が残りました。
体が重いなら動けば良い。
食べ物でコントロールするのは極力避け、どうしてもそうしなければならない時は、必ず医師のアドバイスを仰ぐ。
お大事マンブラザーズではありませんが、
それがいちばん大事ー♪
ですね。
付記
なぜ体重を食事でコントロールしてはいけないか、とくに少女
細いのが美しい、やせてるのが美しい、思い込んで食事を拒み、心や体をこわす少女があとを絶ちません。
これは実のところ、美醜の問題ではなかったりします。
思うに任せない人生。
でも体重くらいは自分の裁量でコントロールできる。
そう思って始めてしまいますが、実はそれすらも意識的にはコントロールできないものなのです。
食べなければ痩せる、だの、
思いついたらもう終わり
際限なく痩せようと努力してしまいます。
40kg切りたい。
切ったら30kg切りたい。
20kg台に入ったら、もう命の保障は出来ませんが、精神も衰えているので、過活動になって逆に元気に見えてしまいます。
そしてその後本当に全く動けない、首も上げられない衰弱が来るのです。
死にます。
死ななくても脳がやられて幼児返りしてしまったりします。
生理などとっくに止まっています。
そう、それはもうダイエットでも何でもなく、単なる摂食障害なのです。
摂食障害は心の闇
この闇に落ちると、親兄弟が止めても恋人が止めても耳には入りません。
骨と皮になってもまだ、太っていると思い込み、食べないだけではあきたらず、下剤や利尿剤を使ったりまでして体内を空にしようとします。
食べたら吐けばいいのだと、手に嘔吐ダコが出来るほど吐き続けたツワモノもいます。
過食に反転する人もいないではありませんが、悪い人にやせ薬だと勧められて、知らずに覚せい剤にはまって行く少女もいます。
彼女らの目に映る、鏡の中の自分は、骨と皮ではなくスリムな美女。
まさにうぬぼれ鏡なのです。
『痩せて、きれいになる』はワンセットではない
痩せて、貧相になる、が実体です。
私のささやかな人生の間にも、二人の知人が摂食障害で命を落としています。
いま一人は40才なのに、ものすごい才女だったのに、今4-5才の心根しかありません。
生き延びれてもこんな状態です。
どうか軽い気持ちでダイエットに走らないでください。
自分で自分の健康を、不可逆に損なわないでください。
最新追記
ベジタリアン という言葉が広まっています。
なかでも過激な規定を実践しているのが、
ヴィーガン
と呼ばれるようです。
この間、こんな記事を他媒体で見ました。
健康に産んだ赤ちゃんを、ヴィーガン思想で哺育した両親がその子の成長に不可逆なダメージを与えてしまったと…
健康志向もここまでいったら何の意味もありません。
ご両親が悪意はなかった、よかれと思ってやっていたという、要するに偏向した情報のみに埋没していたのです。
同じことがないようにと、私はただただ祈ります。
祈ることしかできないです。